4K画質の映画を見たり、PS5やゲーミングPCで4K画質のゲームをプレイするためには4Kモニターが必要だ。
とはいえ、4Kモニターと一口に言っても「デザイナーや写真家に向けた画質極振りモデル」だったり「ゲーマー向けの機能がてんこ盛りのモデル」だったりするため、初心者が自分に合ったモデルを選ぶのは意外と難しい。
そこで当記事は、「はじめて4Kモニターを購入しようと考えている方」のために、4Kモニターの上手な選び方や用途に合わせたおすすめモデルを分かりやすく解説していく。
4Kモニターの上手な選び方
まずは4Kモニターを選ぶときにどのような点に気をつければいいのかを解説していく。
選び方のコツはいくつかあるが、最低限気にしたほうがいいポイントは下記の3つだ。
画質を求めるなら「IPSパネル」を選ぼう
PCモニターの液晶パネルにはいくつか種類がある。
TNパネル:応答速度が速い・画質が悪い・安い
VAパネル:コントラストが高い・視野角が狭い・安い
IPSパネル:画質がいい・視野角が広い・昔は高価だった
どれも一長一短があるが、画質のいいモニターが欲しい人は迷わず「IPSパネル」を選ぼう。
画質の良さよりもキビキビ動くことのほうが大事なゲーミングモニターならTNパネルのほうがいい場合もあるが、4Kモニターは「画質が良いモニター」を求めて買う人がほとんどだと思う。だから迷わずIPSパネルを選択しておけばOK。


参考までにTNパネルとIPSパネルを正面から撮影してみた画像を貼っておく。
どちらもオレンジ単色を表示しているが、TNパネルは視野角が狭いためにグラデーションのように色が変色して見えてしまっている。見る角度によって簡単に色が変化してしまうTNパネルは、画像デザインなどをする人からしたら仕事にならないレベルだろう。
画質のいいモニターがほしい人は「IPSパネル」を搭載した機種を選ぼう。
MacユーザーはUSB-C接続対応モデルを

近頃のモニターは「USB-C接続」に対応しているモデルがある。
USB-Cで接続できるとMacBookとの接続が楽ちんだし、そのUSB-Cケーブルを通してMacへ給電することもできる。(60Wの電源供給に対応したモデルが多い)
逆にUSB-C接続に対応してないモデルをMacbookで使おうと思ったら、まずHDMIやDisplayPortを接続するためのハブを用意するところから始めないといけない。手間が段違いに増える。
Macを使っているユーザーは「USB-C対応」を必須条件にしてもいいレベルだ。
ゲームをするなら4K対応ゲーミングモニターを

4Kモニターをおもにゲームをするために購入しようと考えている人は、「4K対応ゲーミングモニター」を購入しよう。
一般的な4Kモニターは事務作業やデザイン作業のためのスペックになっていることが多く、ゲームにはあまり適していない。(ゲームができないわけではない。向いてないだけ)
しかし「ゲーミングモニター」と銘打った商品はゲームを快適に遊ぶために作られているので、
- リフレッシュレートが高い(映像の動きがなめらか)
- HDRに対応していてゲームの画質がいい
- G-SYNCに対応している
などなど、ゲームを快適に遊ぶのに特化した仕様になっている。特にリフレッシュレートの違いは大きく、144Hzに対応したモデルは一般的な60Hz仕様と比べると映像のヌルヌル感が段違いだ。快適さの桁が違う。
快適にゲームを遊びたいならゲーミング4Kモニターを買おう。
おすすめ4Kモニターランキング
ここでは筆者が考える「多くの人におすすめできる4Kモニター」をランキング形式で紹介する。
何を重視するのかは人によって違うと思うけど、この中から選べばあからさまな「ハズレ」は避けられるはずだ。
第1位「ASUS PA279CV-J」
sRGBカバー率100%で色がとても綺麗。USB-C接続対応でMacbookとも相性抜群。おまけにUSBポートが4つも付いてる豪華仕様。迷ったらこれを買えばOK。4Kモニターの良いところが全部詰まってる。当ブログでもレビューしてるけど、箱から出してすぐの初期状態で色が抜群に綺麗なのでびっくりした。
画質 | sRGBカバー率100% CalmanVerified認証取得済 |
応答速度 | 5ms(GtoG) |
コスパ | Amazon価格:56,981円 3年間保証サービス付き |
接続性 | HDMI2.0 x2 DisplayPort1.4 x1 USB-C(60W給電対応) x1 USB3.0 x4 オーディオ端子 x1 |
総合評価 |
第2位「BenQ EW3280U」
HDR系の機能が充実した32インチモデル。ゲームや映画などのエンタメ用途に特化してるが、USB-C対応なのでMacbookとの相性もGOOD。当ブログでもレビューしてるけど、HDRをオンにしてPC版デス・ストランディングをプレイした時「HDRすげえ…」と思わず息をのんだ。グラフィックが良いゲームを遊ぶならHDR機能は絶対あったほうがいい。
画質 | sRGBカバー率100% DCI-P3カバー率95% |
応答速度 | 5ms(GtoG) |
コスパ | Amazon価格:80,545円 3年間保証サービス付き |
接続性 | HDMI2.0 x2 DisplayPort1.4 x1 USB-C(60W給電可能) オーディオ端子 x1 |
総合評価 |
第3位「Dell S2721QS」
1位と2位には劣るけど色も美しく、何より非常に低価格なので初心者におすすめ。USB-C非対応だからMacbookでは使いづらいが、とにかく費用を抑えることが最優先な人にはぴったりなコスパモデル。安いとはいえDELLは保証内容がいいのでアフターフォローはバッチリだし、筐体のデザインはこの中で一番スタイリッシュだと思う。
画質 | sRGBカバー率99% |
応答速度 | 5ms(GtoG) |
コスパ | Amazon価格:36,800円 3年間保証サービス付き |
接続性 | HDMI2.0 x2 DisplayPort1.4 x1 オーディオ端子 x1 |
総合評価 |
4K対応ゲーミングモニターおすすめランキング
ここでは、4Kモニターの中でも特にゲームに特化した機種「4Kゲーミングモニター」のおすすめモデルを紹介する。
第1位「LG 27GP950-B」
HDMI2.1端子を搭載した144Hz4Kモニター。通常のIPSパネルよりも更に発色が良いNanoIPSパネルを採用。色域はDCI-P3を98%カバーしており画質の良さは超トップクラス。DisplayHDR600やG-SYNC Compatibleに対応し、ゲーム性能は最強クラス。スペック重視なら今のところこれが最適解。価格が高い以外、これと言って弱点がない。
画質 | Nano IPSパネル DCI-P3を98%カバー |
応答速度 | 1ms(GTG) |
リフレッシュレート | 144Hz |
端子 | HDMI 2.1ポート x2 DisplayPort v1.4 x1 ヘッドホン(ステレオミニジャック) x1 USB3.0 アップストリーム x1 USB3.0 ダウンストリーム x2 |
ゲーム性能 | DisplayHDR600 NVIDIA G-SYNC Compatible AMD FreeSync Premium Pro DAS(Dynamic Action Sync) Mode Black Stabilizer クロスヘア表示機能 |
コスパ | Amazon価格:113,450円 3年間保証付き |
総合評価 |
第2位「LG 27GN950-B」
1位のモデルのHDMI2.1に対応していないバージョン。もしPS5のために買うのであれば、どうせ4K144Hzで使うことはないのでこちらのモデルのほうが安くていいかも。NanoIPSパネルやら何やらのスペックはすべて1位と同等。本当にただHDMI2.1に対応してないだけ。それで1万円以上安い。HDMI2.1が要らないならコスパは最高。
画質 | Nano IPSパネル DCI-P3を98%カバー |
応答速度 | 1ms(GTG) |
リフレッシュレート | 144Hz |
端子 | HDMI 2.0ポート x2 DisplayPort v1.4 x1 ヘッドホン(ステレオミニジャック) x1 USB3.0 アップストリーム x1 USB3.0 ダウンストリーム x2 |
ゲーム性能 | DisplayHDR600 NVIDIA G-SYNC Compatible AMD FreeSync Premium Pro DAS(Dynamic Action Sync) Mode Black Stabilizer クロスヘア表示機能 |
コスパ | Amazon価格:99,720円 3年間保証付き |
総合評価 |
第3位「ASUS ROG Strix XG27UQ」
ROGブランドの144Hz4Kモニター。HDMI2.1非搭載なのでDSCの圧縮がかかってしまうが、ゲーム向けの便利機能が満載のモデル。特に残像低減技術「ELMB」に対応しているのは大きく、映像のヌルヌル感では1位のモデルに勝る。FPS系のゲームで勝ちにいきたい人におすすめ。ただし在庫が極めて少なく入手困難。
画質 | sRGBカバー率99% DCI-P3カバー率90% |
応答速度 | 1ms(GTG) |
リフレッシュレート | 144Hz |
端子 | HDMI v2.0 ×2 DisplayPort v1.4 ×2 USB3.0 ×2 USB3.0 Type-B x1 USB3.0 Type-A x2 オーディオ出力:3.5mmステレオミニジャック |
ゲーム性能 | DisplayHDR 400 対応 ASCRテクノロジー:搭載 GamePlus機能:搭載 GameVisual機能:搭載 ブルーライトフィルター:搭載 HDCP:対応 AMD FreeSync™/Adaptive-Sync:搭載 G-Sync Compatible:搭載 Extreme Low Motion Blur技術:搭載 Shadow Boost:搭載 GameFast Input技術:搭載 |
コスパ | Amazon価格:100,718円 3年間保証付き |
総合評価 |
作業用に4Kモニターを買うなら32インチがいい理由
4Kモニターで仕事の効率をアップさせたい!という人には32インチの4Kモニターがおすすめだ。理由は以下のとおり。
27インチは字が細かすぎて拡大しないと読めない
これは「27インチの4Kモニター」と「iPhoneSE2」の文字サイズを比べた画像だ。

この画像で注目すべきは、iPhoneのステータスバーにある「SoftBank」「13:14」「61%」の文字と、モニターに表示しているブラウザのURL欄「google.com/search…」の文字サイズがほぼ同じという点だ。
この文字サイズを実際に体験してみたい人は、試しにお手持ちのスマホをPCモニターと同じぐらいの視聴距離で見てみてほしい。ステータスバーの時刻や電池残量の数字を不自由なくスラスラ読めるだろうか?「読めるっちゃ読めるけど、しんどい。」という人が多いのではないだろうか?
つまり、27インチの4Kモニターは文字を拡大しないと使い物にならないのだ。


とはいえ文字サイズはPCの設定をポチッといじれば一瞬で変えられるので、字を大きく表示すること自体は誰でも簡単にできる。しかし文字サイズを拡大すればするほど表示できる情報量は減っていくので、せっかく4Kモニターを買うならあまり拡大はしないほうがいいと筆者は思っている。
計算してみるとその意味がよく分かるはずだ。例えば4Kモニターの表示スケールを150%に拡大して使うとした場合…
4Kモニターの表示スケールを150%に拡大した場合の実質的な解像度
横3840px ÷ 1.5 = 2560px
縦2160px ÷ 1.5 = 1440px
となる。表示スケールを150%に拡大すると文字やウィンドウのサイズがすべて1.5倍の大きさになるので、それはつまり「4Kモニターを実質的にWQHD(2560×1440)モニターとして使う」という意味なのだ。「それじゃあ4Kモニターの意味ないじゃん」と思ってしまうのは筆者だけだろうか。もったいない…。


4Kモニターを150%に表示拡大したスクショとWQHDモニターを等倍のまま使ったスクショを並べてみた。
間違い探しですか?と言いたくなるほど表示されている情報量が同じなのが分かるだろう。とはいえ4Kモニターのほうが画素数は多いので、文字のフチの滑らかさとかは格段に上なのだけれど。
ゲームのために4Kモニターを買うなら27インチもアリだが、「デスクトップが狭い…4Kモニターで作業効率を上げたい…」という思いで4Kモニターを検討しているなら、拡大しなくても字が読める32インチにしておくのがおすすめだ。
32インチの4Kモニターは下記の記事にておすすめモデルを詳しく解説している。

43インチはマイナーすぎて魅力的な機種が少ない
ただし、大きいモニターが欲しいとしても43インチはあまりおすすめしない。理由は「43インチのモニター」というのがマイナーな存在すぎるため、お買い得なモデルが存在しないからだ。
現状の43インチ4Kモニターは「値段高い・スペック微妙・デザインださい」の3重苦が揃ったイマイチなモデルのオンパレードとなっている。筆者だったら買わない。32インチで足りない人は32インチを2枚並べたほうがよっぽどマシだ。
それでもどうしても43インチの4Kモニターが欲しい方は、下記の記事にておすすめモデルを解説しているので参考にしてみてほしい。

4KテレビをPCモニターとして使うのはアリ?
いますでに4Kテレビを持っているなら、そのテレビをPCと繋げばモニターとして使うことは可能だ。HDMI端子が付いているテレビだったら、HDMIケーブルを買ってきてPCと接続すればそれだけでOK。
ただ、それはあくまで「使えるっちゃ使える」というだけの話。テレビはやはりテレビとして使うのに特化した製品なので、細かい使い勝手まで考えたらモニターにはやはり敵わない。
テレビをモニター代わりにするデメリット
- テレビは遅延が大きい → マウスやキーボードの反応が遅れて感じる。
- PCとつないでも電源が連動しない → PCを起動しても勝手に画面は付かない。テレビはテレビで電源を入れないといけない。
特にゲームをする人からしたら、テレビは遅延が大きくて話にならないと思う。なのでおすすめはしない。
しかし、できるかできないかで言えばできる。やってみたい人はHDMIケーブルを買ってこよう。
【結論】4Kモニターは27~32インチが使いやすい!

4Kモニターの上手な選び方まとめ
- 画質を求めるならIPSパネル一択
- MacBookをつなぐならUSB-C対応があると便利
- ゲームをするならゲーミング4Kモニターを
4Kモニターの基本的な選び方は上記のとおり。
サイズの選び方に関しては、
- 作業目的なら32インチがベスト
- ゲーム目的なら27インチがベスト
という選び方をすれば後悔することはないだろう。
コメント
コメント一覧 (5件)
とってもわかりやすい記事でした、参考に4kモニタ選んでみます
励みになるコメントありがとうございます!
モニター購入を検討しています。
日常の業務(office)とNetflixを使用したいと思っているのですが、他のサイトで検索していると、HDCP非対応はNetflixを見れない可能性があると出てきました。
HDCP対応非対応はどこで見極めるのでしょうか?
BenQ、ASUS、Dell、LGなどの主要なメーカーからここ数年以内に発売されたモニターでHDCPに全く対応していない機種というのはほぼ存在しません。よほど古くて変な機種を選ばない限りNetflixが全く見れないということはありえないでしょう。
ただし「4Kコンテンツ」を再生するためには「HDCP2.2」というHDCPの中でも最新のバージョンに対応している必要があります。これはまだまだ非対応の機種も多いですから、もしネトフリの4Kコンテンツを視聴する予定ならHDCP2.2に対応しているかを重視するべきですね。
HDCPに対応しているかは、モニターの公式サイトの仕様表・スペック表などにたいてい書いてあります。
ただし「HDCP:対応」と書いてあるだけでどのバージョンに対応しているかまでは記載がないことも多いです。その場合は商品名で検索して情報を探すか、メーカーに問い合わせるか、価格.comのような情報サイトを見てみると解決することが多いです。
4KTVを使うのは非常に良い手段だと思って居ります。通常4Kは43インチより販売してあるように思いますが眼前1mもあれば何の不都合も有りません。ゲームしないお爺さんの言葉としてお読み下さい。17、19、23、27、31.5インチと使って来ましたが今の43インチが一番です。ノートは17インチで辞めました。自作なので好きかってですからモニターとして云々と書いてありましたがTVを見る感覚ですので、そんな事考えた事有りませんTVも43インチ4K横に電源入れたままのながらPC、TV生活です43インチ2台平行試聴何も気に成りません。31.5インチは3Kでしたがそれ以上の額をモニターにとは思えませんでした。4K43インチも大した金額では無く購入出来るのでそうしたのですが、正解でした。