「NAOS-M」という軽量なゲーミングマウスを購入したので、使用感をレビューします。
HK Gamingというメーカーから発売されたこのマウス。
どんなマウスなのかを一言で説明するとしたら「ZOWIE S2に穴を開けて軽量化したようなマウス」という表現が一番分かりやすいでしょう。
そしてもちろん、ぼくがNAOS-Mを購入した理由も、
「ZOWIE S2の代替(あわよくば上位互換)になるかもしれない…」
と思ったからです。
なので当レビュー記事はほぼ全編に渡って「ZOWIE S2との比較」という視点で進行します。
簡単に言えばS2とNAOS-Mを比べてみましたよ、という記事です。
しかし、先に結論を申し上げますと、NAOS-MはZOWIE S2の上位互換ではありませんでした。
見た目こそ似ているものの、持った感じ・マウスとしての使い心地は全く別物と言っても過言ではありません。
「ZOWIE S2の軽量版でしょ?神マウス決定じゃん」という期待のもとNAOS-Mを購入しようと思っている方は、ちょっと思い直したほうがいいかもしれません。
なぜそう思ったのか、これから詳しく書いていきます。
NAOS-Mのスペックと外観
長さ | 119.5 mm |
幅 | 64 mm |
高さ | 38.4 mm |
重さ | 59 g (±2g) |
ボタン数 | 7ボタン |
スイッチ | Omron 20M |
ケーブル | パラコード |
センサー | PMW3360 |
DPI | ~12,000dpi |
冒頭でも書きましたが、NAOS-Mを一言で表すなら「ZOWIE S2にそっくりな軽量マウス」という表現が最も分かりやすいでしょう。
のちほど本家S2と比べてみた写真を載せますが、まずはNAOS-M自体のデザインを詳しく見ていきます。
内容物はマウス本体の他に交換用のソールとグリップテープが同梱されていました。
横から見たときの「お尻が高い感じ」がいかにもZOWIE Sシリーズっぽいですね。
ケーブルは柔らかいパラコードケーブルが採用されていました。
似たようなパラコードケーブルを採用するマウスは最近増えてきましたが、NAOS-Mのケーブルはゲーミングマウス界でも屈指の柔らかさだと思います。
とってもフニャフニャ。
LEDライトの光り方はGlorious Model Oのようなデザインだと思いました。
マウスの重量は実測値で63g。
NAOS-MはZOWIE S2のクローン? →実際に比べてみた
冒頭でも書いた通り、ぼくがNAOS-Mを購入した理由は、
「ZOWIE S2の代替(あわよくば上位互換)になるかも?」
と思ったからです。
当レビューをお読みの方も、S2っぽい形の軽量マウスが出たぞ、という事でNAOS-Mに注目している人が多いのではないでしょうか。
ではここからが本編です。
実際にZOWIE S2とNAOS-Mを並べて徹底的に比較していきます。
マウスの見た目・寸法の比較
ZOWIE S2 | NAOS-M | |
---|---|---|
長さ | 122mm | 119.5mm |
幅 | 64mm | 64mm |
高さ | 38mm | 38.4mm |
重さ | 82g | 59 g (±2g) |
▲メーカー公式サイトのスペック表の寸法は上記の通り。
まぁメーカーによって寸法の書き方は違うのでこの数値を直接的に比較することはできませんが、重さ以外だいたい同じような寸法です。
横から見たほうが形状の比較はしやすいかも。
配色やデザインは違えど、形状としてはほぼ同じですね!
ただ、NAOS-MよりもS2のほうがマウスのお尻が高いというか、マウスのお尻がカクっと突き出ているように見えますね。
ソールやボタンの位置は全く同じです。
ただしS2でポーリングレート変更ボタンになっている部分はNAOS-MではLEDの光り方変更ボタンになっていました。
S2とは違ってNAOS-Mはドライバーソフトウェアでポーリングレートを変更する仕様になっているからでしょう。
あと、NAOS-Mはセンサーの周りにソールが貼られていません。
NAOS-MにもS2と同じようにセンサー周りにドーナツ状の溝はあるのですが、ソールを剥がしてみると溝の深さが全然違うことに気づきました。
なのでもし仮にHyperglideやEsports TigerのようなZOWIE S2用ソールを貼るとしても、NAOS-Mにはセンサー周りのドーナツ型ソールは貼ることができません。
貼ることができないというか、貼ってもそこだけ出っ張ってしまうので使い物にならないですねw
あと、ZOWIE S2はケーブルが斜め上に向かって生えているのが特徴なのですが、NAOS-Mのケーブルは普通に水平に生えていました。
握り心地もS2と似ているのか?
では実際にNAOS-Mの持ち心地を確かめていきます。
ここもあくまで「S2と比べてどうか」という視点で感想を書いていきます。
かぶせ持ち (Palm Grip)
まず思ったのは「ZOWIE S2よりも微妙に小さい」という点。
S2よりも微妙に長さが短い…?
手のひらにピタッとフィットする感触が弱いです。
わざわざこのマウスでかぶせ持ちをする必要はないかなーと思いますね。
つかみ持ち (Claw Grip)
ZOWIE S2のクローンということで、個人的にはつかみ持ちの快適さに期待を寄せていました。
しかし結論から言うと、S2のような「手に吸い付くようなフィット感」は感じられず。
なんだろう、何が違うんだろう。
マウスのお尻部分の「手に吸い付く感じ」がNAOS-Mには無いんですよね。
シェルに穴が空いているから?
別に持ちにくいというわけではないんだけど、「なんか違う」って感じ…。
つまみ持ち (Fingertip Grip)
指先だけでマウスを保持するつまみ持ちでは特に問題なし。
マウスの幅が狭いので薬指・小指でしっかりとマウスを保持することが出来ます。
つまみ持ちをするとS2と似たようなマウスだなあと感じられますね。
NAOS-Mはつまみ持ちで使うのが良いのかも?
表面の触り心地
手のひらに吸い付くようなフィット感。全体的にサラサラ系のコーティングがされているので触り心地は良いですが、サイドボタンだけツルツルしていて汗で滑ります。ツルツルの部分は汚れも付きやすいです。
プラスチックそのまま、という感じの触り心地。コーティングされたマウスのようなサラサラ感はありませんが、これはこれで快適です。サイドボタンも含めてどこにもツルツルな部分がないので、汗で滑ることもありません。
クリックボタンの押し心地
ストロークは比較的深めですが、底打ちしたときの剛性感が強く、ドラッグしたままマウスを激しく動かしても安定感があります。サイドボタンもかなり剛性感があります。ボタンの押し心地に関してはかなりこだわって作られているんだろうな、という感じ。ただしクリック音はうるさい。
ストロークは浅めでクリックも軽め。強く押すと筐体がきしむ「ちゃっちい感じ」がします。不快ではありませんが、ZOWIE S2と比べると安っぽさは否めません。ただしクリック音はS2と比べるとちょっと静か。
ホイールの回し心地
ZOWIEのホイールはとても独特な回し心地です。ノッチの幅が大きくて指を大きく動かさないとコロッとできないのでWebサイトをガーッとスクロールしてるときなどに指が疲れます。誤操作を嫌ってこの仕様にしているのでしょうけど、個人的には嫌いです。回すときのガラガラ音もすげーうるさい。
S2と比べるとクセがない回し心地。音も静かです。Pro WirelessやKAINなどホイールの回し心地が良いマウスと比べると不安定で安っぽい感じはしますが、ぼくはZOWIEのホイールが嫌いなのでこっちのほうがマシ。
ケーブルの取り回し
ケーブルの硬さはZOWIE S2の最大の欠点と言っても過言ではないと思います。耐久性は高いのかもしれませんが、最近台頭してきた布製パラコードケーブルと比べると硬さ・重さが際立ちます。はっきり言ってケーブルのせいで使用をやめるレベル。
NAOS-Mのケーブルはどの他メーカーのケーブルよりも柔らかいです。耐久性を犠牲にして作った自作ケーブルやHID-Labsさんの交換用マウスケーブルなんかと比べるとさすがに劣りますが、メーカーが最初から付けているケーブルの中では最高峰に柔らかくて軽いです。はっきり言ってこれは神ケーブル。
S2とNAOS-Mを触り比べてみた結論
ぼくの好み、独断と偏見でNAOS-Mの使い心地を評価するなら、
- 持ちやすさ:S2のフィット感には全く及ばない
- 触り心地:S2のほうがいい
- クリックの押し心地:S2のほうがいい
- ホイール:NAOS-Mのほうがいい
- ケーブル:NAOS-Mのほうが圧倒的に良い
って感じでしょうか。
軽いし、ケーブルも柔らかいし、これ単体で見ればそこそこ使いやすいマウスだとは思います。
ただし「あわよくばZOWIE S2の上位互換になるかも?」という期待のもと購入してしまったぼくからすると…正直、期待ハズレな感じです…。
要素としてはS2よりも優れている点はあるものの、全体としては「ZOWIE S2には敵わない」と思ってしまったのが正直なところですね。
まとめ
- 軽量・柔らかいケーブル・軽いクリック感・豊富な付属品…普通に考えればかなり素晴らしいマウス
- ただし「ZOWIE S2クローン」という意味では…ぶっちゃけ期待ハズレかも?
- S2が好きであればあるほど「なんか違うんだよな」と思うハズ
軽量でケーブルも柔らかく、これ単体としてみればかなり出来の良いマウスです。
ただしZOWIE S2の代替(あわよくば上位互換)かも?という期待を込めて購入してしまった身からすると、正直あんまり満足度は高くなかったですね。
NAOS-MはあくまでもZOWIE S2っぽい形状をした「最近流行りの軽量でチープなマウス」の新作であり、決してZOWIE S2の上位互換ではありません。
まぁ別にHK Gamingが「ZOWIE S2に勝負を挑みます!」と宣伝してたわけでもないし、ぼくが勝手にそれを期待してただけなのに「S2と全然違うじゃん!期待ハズレ!」だなんて言いがかりもいいとこだな…と自分でも思いますw
とはいえ実際のところ「S2っぽい形の軽量マウス」という目でNAOS-Mを見ている人は多いと思ったので、あえて主観バリバリな書き方をしてみました。
客観的に見れば良いマウスなんですけどね。
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