Endgame Gearの名作ゲーミングマウス「XM1」の後継機種として、現在「XM1 RGB」と「XM1r」の2モデルが発売されています。
ただ、後継機種が2モデルになったことでどう違うの?どっちを選べばいいの?と悩んでしまう方も居るのではないでしょうか。
今回レビュー用にXM1rとXM1 RGBの実機をメーカー提供してもらったので、この記事では「この2つにはどういう違いがあるのか」について詳しく調べてみたいと思います。
2つを使い比べたうえで「結局どっちのほうが良かったか」も正直に書いていますので、どちらを買おうか悩んでいる方は参考にしてみてください。
XM1rとXM1 RGBを比較してみる
XM1 RGBとXM1r。
パッと見で「光るのと、光らないの」という違いは分かると思いますが、それ以外にも細か〜いマニアックな違いがいくつかあるんですよ。
なのでまずは「どんな違いがあるのか」について詳しくチェックしていきます。
ソールの形が違う
まずは使用感に影響する部分。XM1 RGBとXM1rは「ソールの形」が違います。
XM1rのほうは旧XM1と同じ形状の4点タイプのソール。
XM1 RGBはZOWIE Sシリーズのような上下2点タイプの長細いソール。
使ってるマウスパッドによって違うかもしれませんが、よく滑るのはXM1rの4点タイプのソールかなーと思いました。
逆に2点タイプのソールはキュッと止めやすいような印象です。
ただ、XM1rには上下2点タイプの長細いソールが付属品として付いてくるので、好みに合わせてソールの形を調整可能。
XM1 RGBにはソールが付属しません。この点に関してはXM1rのほうが優秀ですね。
重さが10gほど違う
XM1 RGBは照明パーツが追加されているぶんだけ少し重いです。これも使用感に影響する部分。
違いを見るために分解してみました。
マウス内部の部品点数はXM1rのほうが明らかに少ないです。
XM1 RGBは基板にLEDが10個以上実装されているので、基板の面積も大きくなっています。
とはいえXM1 RGBだって81gしか無いわけですから、ぴかぴか光るマウスの中ではトップクラスに軽いんですけどね。
スイッチの型番が違う
ここからはかなりマニアックな違い。XM1 RGBとXM1rはスイッチの型番が違います。
メインクリックスイッチ | |
---|---|
XM1 RGB | Kailh GM 4.0 |
XM1r | Kailh GM 8.0 |
海外掲示板Redditのマウスコミュニティなんかでは「Kailh GM 8.0スイッチは優秀」みたいな風潮があるので、おそらくEndgame Gearもそれを気にしてスイッチの型番を変えたんだと思います。
とはいえ実際にブラインドテストでKailh GM 4.0とKailh GM 8.0の違いを感触で当てられる人ってほぼ居ないんじゃないでしょうか…
4.0と8.0の違いはぼくには分かりませんでしたが、どちらも旧XM1と比べると明確に軽いスイッチです。
あと公式サイトには書いてませんでしたがホイールクリックのスイッチ(タクトスイッチ)とホイールのコロコロを読み取る部品(ロータリーエンコーダ)も別物になっていますね。感触が旧XM1とは全然違います。
旧XM1に比べるとホイールのコロコロ音が静かに、ホイールクリックの感触もかなり軽くなっています。
旧XM1のボタンが硬く感じていた人は、乗り換えたら幸せになれるかも。
センサーはXM1rのほうが高性能
センサー名 | |
---|---|
XM1 RGB | PixArt PMW3389 |
XM1r | PixArt PAW3370 |
センサーの性能はXM1rのほうがハイスペック。
XM1rに使われているPAW3370センサーは2021年11月現在では業界最高性能のセンサーです。
とはいえ現状のゲーミングマウスの「業界標準」となっているのはPMW3389よりも更に古いPMW3360センサーですから、XM1 RGBもスペック的には十分ハイスペックと言えますね。
どっちにしろ人間が体感で差を感じられる領域を遥かに超えた部分での進化だと思うので、実質的な使用感にはほぼ差はないと思われます。
ケーブルはXM1rのほうが硬い
これはすごく意外だったんですが、ケーブルはXM1rのほうが硬いです。
最初「気のせいかな?」と思ったんですが、分解して中身を見たら確信に変わりましたw
使っている線材が明らかにXM1rのほうが太いんですよね。
耐久性を考えて太めの線材に変えたんでしょうか。
クソケーブルだ!ってほどではありませんが、操作感は改悪です。
せっかくXM1rのほうが10g近く軽いのに、ケーブルの質量が増えたせいでマウスの重心が少し前寄りになっている感覚があります。旧XM1のようなバランスの良さは感じられません。
公式サイトを見ても特に言及されていない点なので、これかなり要注意ポイントじゃないでしょうか?
追記:
公式サイト(https://www.endgamegear.com/xm1r/gaming-mice)をよく見たら、ケーブルがFlex Cord 2.0と呼ばれる新タイプに変わっている旨はちゃんと書いてありました。
ケーブルのしなやかさはXM1 RGBに軍配…というかこれに関しては旧XM1のほうが優秀なレベル。なんだこれw
形状・カラバリに差はない
逆に「形」や「カラーバリエーション」などの表面的な部分に差はありません。
どちらもカラバリはホワイト・ブラック・ダークフロスト・ダークリフレックスの4種類。
XM1 RGBの照明パーツもデザインを崩さないように配置されているため、握り心地への影響もないです。
握り心地の良さは旧XM1から定評がありましたので、この形状は今後もそのままで居てほしいですね。
価格はXM1 RGBのほうが1,000円高い
XM1 RGB | 8,980円 |
XM1r | 7,980円 |
LED照明が含まれているぶん、XM1 RGBのほうが1,000円高く設定されていました。
センサーの性能的にはXM1rのほうが高性能なのに、価格はXM1rのほうが安いです。
結論、どっちのほうが優秀?
「で?結局どっちのほうが優秀なマウスなんだ?」という点について、両方使い比べてみたうえでの正直な感想。
XM1rのケーブルが硬いのがマジで惜しい
XM1rのほうが10g近く軽いし、センサーもXM1rのほうが新しいし、価格もXM1rのほうが安い。数字だけ見るとXM1rが全てにおいて優秀なように思えます。
ですが…実機を触ってみるとXM1rのケーブルの硬さがすごく気になるんですよねw
事前の予想では「LEDは別に必須ではないし、選ぶとしたらXM1r一択でしょ」と思っていたんですが、ケーブルが改悪されてたのは予想外のハプニングです。
- 性能はXM1rが上。だけどケーブルは改悪。
- ケーブルはXM1 RGBが上。だけど重い&センサーが1世代古い。
うーん…悪い意味でなんとも悩ましい2択ですね…。こんな究極の選択求めてないのにw
さんざん悩みましたが、結論、ぼくは現在XM1rは箱にしまってXM1 RGBを常用することにしました。
ぼくはどうやら「ケーブルは柔らかければ柔らかいほど良い」という宗派のようです。
たとえ10g重くてもケーブルが柔らかいXM1 RGBのほうが快適に感じました。
まとめ
全体的なクオリティはゲーミングマウスの中でもトップクラスに品質が高いマウスです。個人的には「有線ゲーミングマウスの中では世界で一番使いやすい」と思っているくらい。
ただ、気に入っているからこそXM1rのケーブルが改悪されているのが残念でなりません。
Twitterでサーチすると「XM1rのケーブル柔らかくてイイネ!」という意見もあるので人によっては全然気にならないレベルなのかもしれません。が、旧XM1やXM1 RGBに比べたらXM1rのケーブルは明らかに硬いです。
もしぼくと同じように「ケーブルは柔らかければ柔らかいほど良い」という価値観をお持ちの方は、XM1 RGBを選んだほうが幸せになれるかもしれません。
もしくはサードパーティ製のパラコードケーブル(HID-LabsさんのSilky Cableなど)に自分で換装するかですね。
この記事へのコメント
コメント一覧 (2件)
旧xm1でケーブルが断線する問題が多発していたのでxm1rでは改善されたのでそれが原因ですね
コメントありがとうございます。
確かに公式サイトにも「Flex Cord 2.0」と呼ばれるケーブルに進化した旨は書いてありますね。
ただそれはXM1 RGBのページにも書いてあるので、それならXM1 RGBのほうも硬くなっていないとおかしいと思うんですよねー。
・・・と思って調べてみたら、Endgame Gearの英語の本家公式サイトのほうにはXM1 RGBは「Flex Cord 2.0」を採用してるなんてどこにも書いてないですね…。
ってことは日本代理店のページの内容が誤植っぽいですね。ようやく原因がわかりました。ありがとうございます。