ASUSから4月に発売された32型モニター「VP32UQ」「VP32AQ」「VE329HE」をメーカーより貸与してもらいましたので、使い勝手をレビューしていきます。
それぞれのスペックは以下のとおり。
VP32UQ 55,192円 | VP32AQ 37,428円 | VA329HE 32,545円 | |
---|---|---|---|
パネル | IPSパネル ノングレア | IPSパネル ノングレア | IPSパネル グレア |
解像度 | 3840×2160 | 2560×1440 | 1920×1080 |
リフレッシュレート | 60Hz | 75Hz | 75Hz |
応答速度 | 4ms(GTG) | 5ms(GTG) | 5ms(GTG) |
最大表示色 | 10億7千370万色 | 10億7千370万色 | 約1670万色 |
sRGBカバー率 | 100% | 100% | |
HDR | HDR10 | HDR10 | |
内蔵スピーカー | |||
フリッカーフリー | |||
ブルーライトカット | |||
ProArt Prest | |||
映像エンジンSplendid | |||
ASCRテクノロジー | |||
Trace Freeテクノロジー | |||
Quick Fit機能 | |||
VividPixel テクノロジー | |||
GamePlus機能 | |||
GameVisual機能 | |||
HDCP | |||
Picture in Picture | |||
Picture by Picture | |||
NVIDIA® G-SYNC™ | |||
AMD FreeSync™/ Adaptive-Sync | Adaptive-Sync | Adaptive-Sync | FreeSync |
入出力端子 | DisplayPort 1.2 x 1 HDMI(v2.0) x 1 | DisplayPort 1.2 x 1 HDMI(v1.4) x 1 | HDMI (v1.4) x 2 D-Sub x1 |
スタンドの調節範囲 | 上8°~下5° | 上8°~下5° | 上8°~下5° |
質量 | 7.82 Kg | 7.82 Kg | 7.1 Kg |
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最大の違いは解像度がそれぞれ4K、WQHD、フルHDであるということ。
その他にも細かい違いはいくつかありますが、搭載されている技術や便利機能はほぼ同じ内容です。いわゆる「兄弟機」のようなものだと思っておけばいいでしょう。
今回、レビュー用のサンプル機を3機種同時に送っていただいたので、この3機種はそれぞれどんな用途に向いているのか、比較しながらレビューしていきます。
VP32UQ VP32AQの外装は全く同じ
まずは外観を見ていきます。
まずはじめに、VP32UQとVP32AQは全く同じ外装をしています。
入出力端子部分の見た目、付属品、大きさ、重量まで全く同じ。
そのため2機種分の外装写真を貼っていくのは無駄なので、代表でVP32UQの写真だけを貼っていきますね。
外装は非常にシンプル。
付属のスタンドは上に8°、下5°だけ角度がつけられます。
…が、ぶっちゃけほんの少しお辞儀するだけなのでスタンドの調整機能は無いも同然だと思ったほうがいいでしょう。
VESAには対応しているのでモニターアームで使うのがおすすめです。
モニターの重さは3機種とも8kgを切っているため、このぐらいの安いモニターアームで全く問題ありません。
操作ボタンはなんとジョイスティック1個しかありません。潔い!
とはいえ実際に触ってみるとこれでなんの問題もなくメニュー操作を行えたので、たくさんボタンが付いているタイプよりむしろ快適だと感じました。
入出力端子はHDMI、DisplayPortがそれぞれ1つと、イヤホンジャックが1つ。
複数の機器を1つのモニターに繋ぎたい人からすると端子の数は物足りないかもしれませんね。
筆者はPCにしか繋がないので全く問題ないです。
モニター下部にスタンドを取り付けるための「首」的なパーツが付いているのですが、これはネジ4本で留まっているだけなので取り外しが可能。
モニターアームを使用する際は取り外したほうがスッキリします。
部屋に設置してみた様子。
ベゼルレスデザインで余計な加飾もなく、普通にかっこいいと思います。
電源ランプは右下部に白い光がさり気なく光るタイプ。
光量も控えめなので、同じ部屋で全然寝れます。
VA329HEだけ「グレアパネル」
次にVA329HEの外観を見ていきます。
VP32UQ、VP32AQはスクリーンがノングレア(反射しないタイプ)でしたが、VA329HEはグレア(反射するタイプ)です。
暗転時はかなり映り込みますね。映画やゲームをしていて暗い場面になると自分の顔が映ります。
とはいえ、映り込みを抑制するための「すりガラスみたいな加工」がグレアパネルには施されていないわけなので、ノングレアよりはグレアのほうが画質的に有利だと言われています。
(最近のスマホやMacのスクリーンはすべてグレアですね)
実際パネルの色性能としては3機種のなかでVA329HEが最も低性能なわけですが、体感としては全然悪くなく、むしろスマホやMacのように鮮やかな発色をしているような錯覚をおぼえます。
言い方は悪いかもですが、パネルの性能を「ごまかす」にはグレアパネルはかなり有効だと思いました。
体感的な「映りの綺麗さ」はVA329HEが一番いいかもしれません。
操作ボタンはVP32UQ、VP32AQとは違い、ボタンがいくつも付いてるタイプでした。
操作のしやすさはジョイスティックを搭載しているVP32には明らかに劣ります。
入出力端子はHDMIが2つにD-Sub端子が1つ。それとイヤホンジャック。
今どきD-Sub端子を搭載するモニターはほとんど見なくなりましたので、アナログ端子で接続している方にとっては貴重な新型モデルかもしれません。
メニューのUI・内容は全く同じ
次に内部メニューの内容を見ていきます。
内部のメニューに関しても、3機種ともほとんど同じです。
VA329HEだけ一部の機能(HDR10やAdaptiveSync)に非対応という点を除けば、3機種ともUIやメニューの構成は全く同じでした。
代表でVP32UQのメニュー画面を載せていきますね。
個人的にいいなと思ったのはGamePlus機能で、画面にシンプルなドットクロスヘアを強制表示することができます。しかも座標はジョイスティックで自由に移動可能。
オンライン対戦FPSではこのような機能はハードウェアチートとして禁止されていることも多いですが、ボーダーランズ等のオフラインFPSを遊ぶのにはかなり重宝する機能なので、個人的にはこの機能が搭載されているモニターは好きですね。
パネルの品質は「松竹梅」
次はパネルの品質をチェックしていきます。
色の均一性・視野角をチェック
3機種ともIPSパネルですので、どんな角度から見ても変色は感じられません。
真正面ではなく、サブモニターとして斜め向きに設置する使い方にも適していますね。
色域テスト
Datacolor社のカラーメーター「Spyder X Pro」を使い、パネルの色域を測定してみました。
測定結果は以下のとおり。
色域カバー率 | VP32UQ 4K 55,192円 | VP32AQ WQHD 37,428円 | VA329HE FHD 32,545円 |
---|---|---|---|
sRGB | 100% | 99% | 92% |
AdobeRGB | 88% | 80% | 72% |
P3 | 96% | 84% | 74% |
外装や機能に関してはほとんど差異がない3兄弟ですが、パネルの性能は完全にヒエラルキーがありますね。
一番高いVP32UQはsRGBカバー率100%、P3カバー率96%とかなり優秀な数字。写真・動画編集をするクリエイターにもおすすめできる性能ですし、5万円台でこの性能はコスパも良いです。
強いて言うなら工場出荷時の色合いは(写真動画編集で一般的な6500Kから考えると)少し青被りしていて寒色っぽい雰囲気でした。写真や動画をいじる方はカラーメーター等を使ってキャリブレーションを施したほうがいいかと思います。
VP32AQもまずまずの性能で、普通に使う分には「色のきれいなモニターだ」と感じられるかと思います。
VA329HEに関しては3万円台のモニターとしては少し残念な結果です。グレアパネルのおかげか体感的には全然よく見えちゃっているのですが、数値的には特に優れているわけではないようです。
また、VA329HEは32インチという大きさでフルHD解像度(1920×1080)なので、画素ピッチが非常に大きいです。
iPhoneSE2も現行iPhoneのなかでは最も低画質なモデルですが、それと比べてもVA329HEは画素のツブツブ感がすごいですね。
ゲームをプレイしていてもジャギジャギ感がかなり目立ちます。画像の精細感を求める方にはおすすめできません。
ただしその代わり文字はかなりデッカく表示されますので、細かい字は抜群に読みやすいです。
自分で使うならVP32UQ、親にプレゼントするとしたらVA329HEでしょうか。
筆者なりの総合評価
まとめ。
- VA32UQ … パネルが優秀な4Kモニター。便利機能や入出力端子は少ないが、そのぶん価格が安い。
- VA32AQ … バランスの良いWQHDモニター。コスパは普通。不満もないが長所もない。無難。
- VA329HE … グレアパネルが特徴。フルHDとしてはかなりデカイ。細かい字が見づらい方向け。
32インチはPCモニターとしてはかなり大型ですが、エクセルを画面いっぱいに広げても圧迫感がなく、細かい字もラクラク読めるのがいいですね。事務作業用のモニターとしては非常に使いやすいサイズです。
フリッカーフリー、ブルーライトカットなどのアイケア機能にも対応していますので、仕事で長時間モニターを眺めなきゃいけない人にはぴったりのスペックだと思います。
唯一不満なのは、スタンドの角度調整の範囲が狭すぎるという点でしょうか。快適に使うにはモニターアームがあったほうがいいと思いますよ。
最後に、3機種のスペックを比較した表をもう一度載せておきますね。
VP32UQ 55,192円 | VP32AQ 37,428円 | VA329HE 32,545円 | |
---|---|---|---|
パネル | IPSパネル ノングレア | IPSパネル ノングレア | IPSパネル グレア |
解像度 | 3840×2160 | 2560×1440 | 1920×1080 |
リフレッシュレート | 60Hz | 75Hz | 75Hz |
応答速度 | 4ms(GTG) | 5ms(GTG) | 5ms(GTG) |
最大表示色 | 10億7千370万色 | 10億7千370万色 | 約1670万色 |
sRGBカバー率 | 100% | 100% | |
HDR | HDR10 | HDR10 | |
内蔵スピーカー | |||
フリッカーフリー | |||
ブルーライトカット | |||
ProArt Prest | |||
映像エンジンSplendid | |||
ASCRテクノロジー | |||
Trace Freeテクノロジー | |||
Quick Fit機能 | |||
VividPixel テクノロジー | |||
GamePlus機能 | |||
GameVisual機能 | |||
HDCP | |||
Picture in Picture | |||
Picture by Picture | |||
NVIDIA® G-SYNC™ | |||
AMD FreeSync™/ Adaptive-Sync | Adaptive-Sync | Adaptive-Sync | FreeSync |
入出力端子 | DisplayPort 1.2 x 1 HDMI(v2.0) x 1 | DisplayPort 1.2 x 1 HDMI(v1.4) x 1 | HDMI (v1.4) x 2 D-Sub x1 |
スタンドの調節範囲 | 上8°~下5° | 上8°~下5° | 上8°~下5° |
質量 | 7.82 Kg | 7.82 Kg | 7.1 Kg |
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この記事へのコメント
コメント一覧 (1件)
素敵なレビューですね。詳しく教えてくれてありがとうございます。
申し訳ございませんが、Datacolor社のカラーメーター「Spyder X Pro」を使って、作ったICCプロファイルをシェアしていただけませんか。
どうぞよろしくお願い致します。