Xtrfyの大人気ゲーミングマウス「M1」の使用感をレビューしていきます。
早速ですが、数日間使ってみた感想を先に書くと、
- かぶせ持ちしたときのフィット感が半端ない。
- ケーブルはかなり硬い。
- あれっ…!? 反応しない…!?
と言った具合です。
左右非対称マウスの中では、トップクラスに持ちやすいマウスではないでしょうか。
ちなみに、3つ目の「あれっ…!?反応しない…!?」は何かと言うと、
「ぼくが愛用しているマウスパッドと相性が悪かった」という話です…。
これに関しては、後ほど詳しく書いていきますね。
Xtrfy M1は、プロゲーマーが考案したマウス!?
まずはXtrfy M1がどんなマウスなのか、主要なスペックを見ていきましょう。
- CSGOプロチーム「Ninjas in Pyjamas」とXtrfyの共同開発
- センサー:PMW3310
- 重さ:95g
- メインクリック:Omron製スイッチ
- サイドボタン:Kailh製スイッチ
- CPI:400/800/1600/3200/4000(裏面ボタンで切り替え)
- ポーリングレート:125/500/1000 Hz(裏面スイッチで切り替え)
- 表面処理:ラバーコーティング
- ソール:テフロン
- ドライバーソフトウェア:なし(ドライバーレス)
なるほど…プロゲーミングチームと共同開発したマウスなんですね。
そのためか、ドライバーソフトウェアなしで完璧に動作する「ドライバーレス仕様」になっています。
これはオフライン大会などにマウスを持ち込むことが多いプロゲーマーの事を考えたからこその仕様ですね。
筐体の性能的には、センサーが今どきにしてはやや古めの「PMW3310」を採用しているという点が、気になるところではあります。
そのあたりは後ほど検証していくとして、まずは外観を見ていきますね。
Xtrfy M1の外観を写真でチェック!
Xtrfy M1の外観をあらゆる角度から撮影してみました。
ジャンル的には左右非対称エルゴノミクス系、いわゆるIE3.0クローンに分類されるマウスだと思います。
親指が当たる部分が大きく張り出しているのが特徴ですね。
ちなみに、今回入手したのは通常モデル(NIPエディションではない)なのですが、NIPのステッカーは通常モデルにも入っているようです。
深めの溝が掘られたホイール、汗をかいても滑らないのでグリップ力は良好です。
ちなみにホイールの回転はわりと硬めで、ちょっと触れた程度では回らないレベル。
ゲーム中に誤操作しないように、わざと硬くしているんでしょうね。
ケーブルは微妙に下向きに生えているので、若干マウスパッドに擦れるかと思います。
気になる方はマウスバンジーで持ち上げる必要があるでしょう。
ケーブルは、はっきり言ってかなり硬めです。
クセがなかなか取れませんし、「ケーブルに引っ張られてる感」が強いですね。
ぼくはふにゃふにゃで存在感のないケーブルの方が好きなので、このケーブルはイマイチだなと感じました。
裏面にはCPIとポーリングレートを調節するスイッチがついています。
手持ちのゲーミングマウスと大きさを比較してみた
せっかくなので、手持ちのゲーミングマウスと大きさを比較してみました。
左から大きい順に並べています。
ぼくの手持ちの中では、Xtrfy M1が一番大きいマウスという結果となりました。
Xtrfy M1の持ち心地を検証してみた
Xtrfy M1を代表的な3種類の持ち方で持ってみました。
Xtrfy M1を持ってみた感想
親指が当たる部分が出っ張っているので、親指の付け根あたりがしっかりホールドされます。
マウス自体がわりと大きめなので、手のひら全体がマウスにピタッとフィットしますね。
今までたくさんのゲーミングマウスを買ってきましたが、こんなにかぶせ持ちがしやすいマウスは初めてです。
手のひらの下側(手首側)が全体的にマウスに吸い付くような感覚があるので、手のひらをマウスに押し付けるようなイメージで使うと、非常にAIMが安定しました。
指先だけでマウスを微調整するつまみ持ちに適していないというわけではないですが、Xtrfy M1のいいところは「手のひらの安定感」だと思うので、かぶせ持ちかつかみ持ちで使うのが良いと思います。
表面のラバーコーティングのおかげで手汗をかいてもベタベタしませんし、さすがローセンシでマウスをぶん回すCSGO民が作ったマウスだと感じました(笑)
MouseTesterでセンサー性能を検証してみた結果…
マウスの性能を決める最も大事な要因は「センサー」です。
現在のゲーミングマウス業界で主流のセンサーはPixArt社の「PMW3360」というセンサーですが、Xtrfy M1にはそれより1世代古い「PMW3310」というセンサーが採用されています。
Xtrfy M1を買おうか迷っている方で、このセンサーの古さを懸念している方も多いのではないでしょうか。
そこで、マウスのポインタ精度をグラフで可視化することができる「MouseTester」というツールを使い、センサー性能を検証してみました。
上記のgifのように、マウスを左右にブンブン振った時の動きを、MouseTesterで計測しました。
その波形は以下の通りです。
▲青い波線の上に青い点がポツポツあるかと思いますが、この青い点が波線から大きく逸脱していなければ、おおむね正確にマウスの動きをトラッキング出来ているという事になります。
見た感じ、青い点が明後日の方向にぶっ飛んでいるという事もなく、センサー性能は良好ですね!
少なくとも、普段使っていてセンサーが古いなぁと感じることはまず無いかと思います。
Xtrfy M1のいいところ
Xtrfy M1を数日間使ってみて、いいなーと思った点は以下の通りです。
- 持ちやすさ・フィット感が半端ない
- 表面処理が徹底されている(汗でパフォーマンスが落ちない)
- サイドボタンが押しやすい
M1はとても持ちやすいマウスだ、というのは他所でもさんざん言われている事ですが、個人的に素晴らしいと感じたのは表面処理です。
M1の表面処理は、本当に徹底されている。
全体的にラバーコーティングが施されているのはもちろん、サイドボタンにもエンボス加工がされていて、手汗で湿った手で触っても滑らないようになってます。
更にはマウスホイールもサラサラ感の強いゴム(シリコン?)ですし、何ならホイールの周りのグレーの部分も、ラバーコーティングに近い触り心地です。
要するに、マウスの表面に「汗によって滑りやすくなってしまう材質」が全くないのです。
ぼくは色んなゲーミングマウスを集めていますが、ここまで徹底的にサラサラしているマウスって珍しいです。
全体的にはラバーコーティングなのにサイドボタンだけツルツルした安い樹脂だったり、ホイールの溝が浅くて回しにくかったり…。
その点、Xtrfy M1は手に触れる部分は徹底的にサラサラです。
ここはまさに、最前線で戦っているプロゲーマーの意見が反映されている箇所だと思います。
「やるかやられるか」という手に汗握る場面で、あーくそっ…手汗でマウスがヌルヌルしてきた…なんていう事に気を取られたくないですからね…。
Xtrfy M1のイマイチなところ
では逆に、ここはちょっと…と感じた部分について。
- ケーブルが針金並みに硬くて、取り回しが悪い。
- メインクリックのクリック感はイマイチ。
- CORDURAナイロンのマウスパッドでは使えない
硬いケーブルはイマイチだ…という価値観はここ1~2年のトレンドみたいなもんですから、Xtrfy M1が発売された時期を考えると致し方ないかと思います。(現に、Xtrfyから今秋に発売される新しいマウスは柔軟性の高いケーブルを採用するようですし。)
メインクリックボタンの感触は、ストロークが深めで跳ね返りが弱い、典型的な「一体型クリックボタンの感じ」です。
大きな差ではありませんが、セパレート型クリックボタンと比べると高速連打したときのスピードがやや落ちるかと思います。
…でもまぁ、そんなの正直、全然たいしたことじゃないんです。今から書くことに比べたらね。
CORDURAナイロンのマウスパッドでは使えない
ぼくは最近「CoolerMaster MP510」というマウスパッドを愛用しているのですが、Xtrfy M1をMP510の上で滑らせてみたところ、カーソルがうまく動かない…。
はじめは原因が分からず「えっなに、このマウス不良品!?」とか思っていたのですが、試しに家に転がっていたSteelSeries QcK+の上でマウスを滑らせてみたところ、全く問題なく動きます。
そこで「あっ…そういうことか。」と気づきました…(´;ω;`)
上記の画像は、MP510の上でM1を滑らせて、カーソルが正常に動かない状態を計測してみた波形です。
見てわかる通り、青い点が不規則ですし、波線もなんかゆらゆらです…。
実際、真っすぐマウスを動かしてもカーソルは左右にヨロヨロと蛇行しながら動きますし、なんならカーソルが動いたり動かなかったりします(笑)
ぼくが愛用するマウスパッド「MP510」に使われているのは、CORDURAナイロンという少しマイナーな素材なので、おそらくCORDURAナイロンとPMW3310センサーの相性が悪いんだと思います。
CORDURAナイロンは通称「サメ肌」とも言われていて、少しザラザラしています。布なのにプラスチック系のマウスパッドにも似たフィーリングなのが大きな特徴で、マウスパッドの素材として使われ始めたのは比較的最近のはず。
そしてXtrfy M1に搭載されているPMW3310センサーは、今となっては少々古いセンサー。
CORDURAナイロンのマウスパッドには最適化されてないんでしょうね。
ぼくにとっては残念な事実ですが、とは言え普通の布マウスパッドだと問題なく動くので、ほとんどの人にとっては関係ない話です。
(というかそもそもMP510は日本で売っておらず、米国Amazonを使ってわざわざ海外から取り寄せている程度には超マイナーなマウスパッドですし…。)
まとめ
Xtrfy M1を使ってみた感想を3行でまとめると、こんな感じです。
- フォルムはほとんど完璧。超持ちやすい!
- 表面処理もこだわり抜かれていて、素晴らしい。
- ただし、CORDURAナイロンのマウスパッドでは使えない…。
CORDURAナイロンのマウスパッドとの相性が悪いという点に関しては、検索しても全然出てこない情報だったので、開けてビックリでしたね…(笑)
とはいえ、CORDURAナイロン以外のマウスパッドを使っていて、CSGOのようにローセンシでマウスをぶん回すゲームをよくプレイする方にとっては、かなり満足度が高いマウスだと思います。
かぶせ持ち民なら、この吸い付くフィット感はぜひ知っておくべきですね!
ちなみにですが、PMW3360センサーを搭載した「Xtrfy M3」というマウスもあります。
こちらはM1と比べて一回り大きめのサイズ感ですが、現在主流のPMW3360センサー搭載なので、マウスパッドの相性問題もほとんどないかと思います。
ザラザラ系・プラ系のマウスパッドだともしかしたらMP510のように相性が悪い可能性もあるので、マイナーなマウスパッドを使っている方はM3のほうが良いかもしれませんね。
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