Pixioから発売されたIPSパネルの240Hzモニター「PX5 HAYABUSA2」をレビューします。
こちらのモニターは、2019年末に惜しまれつつも廃盤となったコスパ最強ゲーミングモニター「PX5 HAYABUSA」の後継機種となります。
大まかなスペックはほとんど同じではありますが、1点だけ、
- TNパネルからIPSパネルに変更
という超絶進化を遂げているのが今作のポイント。
IPSパネルは画質が良いのが特徴ですが、TNパネルに比べて残像・遅延などの”キビキビ感”において不利と言われていますので、そのあたりの使用感が気になりますね。
それでは早速見ていきましょう。
PX5 HAYABUSA2のスペックと外観
PX5 HAYABUSA2は、Pixio Japanから発売された240Hzゲーミングモニター。
- 画面サイズ:25インチ
- パネル:AHVA(IPSパネル)
- 解像度:1920×1080
- リフレッシュレート:240Hz
- 応答速度:1ms
- 接続端子:HDMI 1.4 x 1, HDMI 2.0 x 1, DP1.2 x 1, Head Phone Jack x 1
- 重量:4.23kg
- AMD FreeSync 対応
- ブルーライトカット機能あり
一番の特徴は240Hz駆動のIPSパネルを採用しているという点。
このスペックのモニターはまだ世の中にほとんど出回っていないので、現時点では超最新スペックということになります。
一昔前だとゲーミングモニターと言えばTNパネル一択だったので、今がまさに時代の変わり目ですね。
持ち手を上にすると、なぜかPixioの文字が逆さにw
モニターのデザインはこんな感じ。
見た目的には前作PX5 HAYABUSAとほとんど(完全に?)同じですね。
ロゴの文字が「PX5 HAYABUSA2」に変わっている程度。
モニターの電源・操作はすべてこの赤いジョイスティック型のボタンで行います。
どうせ手探りで操作することになるので、ボタンが何個も付いているタイプよりは楽に操作できますね。
格安モニターとはいえHDMI 2個にDP 1個はしっかり付いており、使い勝手が悪いという事は全く無いですね。
※クリック(タップ)で拡大
設定項目一覧です。
機能としてはそんなに多くありませんが、暗所を明るく表示させる機能(Black Balance)やHDRにも対応していたりと、必要最低限の”ゲーミングモニターっぽい”機能は付いているようです。
とはいえ、ゲーミングモニターの便利機能をフル活用している人からすると少し物足りないかもしれませんね。
PX5 HAYABUSA2の性能を検証してみた
ぼくは前作のPX5 HAYABUSAも持っているため、せっかくなので新旧対決をしてみることにしました。
IPSパネルは一般的に遅延や残像感においてはTNパネルより不利と言われていますので、そのあたりを詳しく比較していきましょう。
前提条件として、双方ともに画質設定はファクトリーリセットし、完全な初期設定の状態にしてあります。
HAYABUSA1 vs HAYABUSA2:視野角の比較
まずは視野角の比較。
デスクトップの壁紙を単色のオレンジに設定しています。
これはもうIPSパネルの得意領域なので、PX5 HAYABUSA2の圧勝ですね。
TNパネルだと見る角度によって全く違う色に見えていますが、IPSパネルのHAYABUSA2はどの角度から見ても正確にオレンジを表現できています。
HAYABUSA1 vs HAYABUSA2:色の正確性の比較
次は色の正確性。
正面から見ただけで色味がぜんぜん違いますね。
TNパネルのHAYABUSA1は、初期設定のままなのにマゼンダ寄りの暖色になっている事が分かります。
当ブログはBENQ PD3220Uというカラーマネジメントモニターで色合いをデザインしているのですが、ぼくが意図した色合いに近いのは当然IPSパネルのHAYABUSA2。
色の正確性においても、IPSパネルの強みがしっかり発揮されていますね。
HAYABUSA1 vs HAYABUSA2:残像感の比較
それではいよいよ、TNパネルのほうが有利と言われている残像感の比較です。
検証にはBlur BustersのUFO Testを使用。
シャッターを切るタイミングによって結果にバラツキがあったので、全く同じ条件で撮影したものを3枚載せておきます。
結果を見るとTNパネルのほうが残像感が少ないようにも見えますが、ごくわずかですね。
タイミングによってはIPSパネルのほうが少ないようにすら見えます。
ちなみに肉眼でUFOが流れてくる様子を見てみた感想は…「違いが分からない」ですw
IPSパネルだからと言ってTNパネルよりも明らかに残像が多いという事はありませんでした。
HAYABUSA1 vs HAYABUSA2:遅延の比較
最後は遅延の検証です。
本当は数値で出せれば一番いいのですがオシロスコープなどの専用機器がないとなかなか難しいため、LCD Delay Checkerというフリーソフトを使って2つを比較してみることにしました。
ソフトの仕様上240Hzでは計測できなかったため、60Hzでの検証です。
これもシャッターを切るタイミングによってバラツキがあるため、一応3枚載せておきますね。
ストップウォッチの周りの白い四角は時計回りに高速に動いており、この四角が右側?にあるほうが遅延が少ないということになります。
画像を見る限り、なんとIPSパネルのほうがわずかに遅延が少ないという結果になりました。
基本的にはTNパネルのほうがゲーミングモニターには適していると言われているだけに、この結果は少しびっくりです。
もちろんこれはぼくのPC環境での話なので環境によっては違う結果になるかもしれませんが、少なくとも「IPSパネルだから遅延がありそう…」という心配は無用のようですね。
PX5新旧対決まとめ
- 色合いはIPSの圧勝
- 残像・遅延は五分五分
- IPSパネルだからと言ってゲーミング性能が劣っているということは一切ない
PX5 HAYABUSA2をしばらく使ってみた感想
それでは、実際に1週間ほどPX5 HAYABUSA2を使用してみた感想を書いていきます。
やはり画質が良い
今回はTNパネル版のPX5 HAYABUSAからの乗り換えなので、やはり「画質が良くなったなぁ」と感じます。
今まで使っていたTNパネルのモニターはブログ用の写真や動画を編集するのには心許ない画質だったのですが、PX5 HAYABUSA2ならもうこれ1枚あればOKな感じです。
仕事場ではカラーマネジメントモニターを使っていますが、家ではもうこれ1枚しか使っていません。
ゲーム、写真現像、動画編集、ブラウジング…なんでもこなせるモニターですね。
クロスヘア表示機能…もっと小さければいいのに
そうは言っても、文句が一つもないわけではありません。
モニターの機能として画面にクロスヘアを表示することができるのですが、このクロスヘアちょっとデカすぎませんかね…。
まぁこんな機能を使っている人はそう多くないとは思いますが、もし使おうかなと思ったとしてもこんなに大きくてはかえって使いづらいでしょう。
これなら画面にマジックで点を書いたほうがまだマシです。
それにしても、一昔前だとハード側でクロスヘアを表示させるのは「ハードウェアチートだ」と言われたものですが、最近はほとんどのゲーミングモニターに付いている機能ですよね。
何がズルで何がズルじゃないかの基準も、時代によって変わっていくんですね…。
まとめ
- IPSパネル 240Hz 現状最高峰のスペック
- TNパネルと比べてゲーミング性能が劣っている部分はほぼ無い
- 4万円台前半は安すぎる
TNパネルと比較してもほぼデメリットがないですし、もう今からTNパネルのゲーミングモニターを買う価値がないレベル。
2020年はIPSパネルゲーミングモニターの時代になるんでしょう。
それにしても、この性能で4万円台前半は安すぎですね…。
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