Pulsar Gaming Gearsのキーボード「PCMK TKL」をレビュー用に送って頂いたので、使用感をレビューしていきます。
PCMK TKLの主な特徴
- 軸を付け外しできる「ホットスワップ仕様」
- 10種類以上の軸から好きなものを選べる
- キーキャップの色や高さも選べる
一言で言えば「自分の好きな仕様にカスタムできるキーボード」ですね。
自作キーボードよりはだいぶ敷居が低いので、「既製品のキーボードに何となく飽きた」「自分好みにキーボードをいじってみたい欲が少しある…」って人は要チェックです。
PCMK TKL 詳細レビュー
製品公式サイトは下記。
開封の儀
同梱物一覧
- キーボード本体
- ケーブル
- キースイッチ
- キーキャップ
- キーキャップ・キースイッチ引き抜き工具
セットで注文すると上記の内容が届きます。
ちなみにPulsarの公式サイトからは部品を単品購入することもできるので、
- いろいろ試してみたいからキースイッチは数種類買う
- ツートンカラーにしたいからキーキャップは黒と白両方買う
みたいな遊び方も自由に可能。
この自由度の高さ、工夫次第でいくらでも自分好みにカスタムできるのがPCMK TKLの特徴ですね。
PCMK TKLは自分で組み立てるキーボード
PCMK TKLは見ての通り、軸やキーキャップを自分で取り付けて完成させるキーボードです。
開封直後は上記のとおりスイッチが何も付いていません。
と言っても組み立てはとても簡単で、
▲たったこれだけ。ちょっとしたプラモ感覚で簡単に作れるレベル。工具なんて一切必要ナシ。
作っているうちにメカニカルキーボードの構造が何となく分かるようになるし、こういうガジェット類が好きな人なら楽しんでるうちにサクッと完成すると思います。
筆者は自作キーボードを作ったりマウスを改造するみたいな電子工作っぽい遊びが結構好きなので、こういう組み立て式キーボードはどストライクw
透明ボディがかっこいい!
しかも裏面は透明素材。中の基板丸見え。
こんなにまっ透明で中身スケスケなスケベキーボードは初めて見ましたが、いいですねこれ!
うおおおお、かっこいいぞ。これは…!
基板のデザインもちゃんと格好良く作り込まれており、使う前から楽しませてくれますね。
しかも電源オンで光る!基板側も光る!
LEDはキーの真下あたりから発光しているようです。
ってことは、キースイッチが不透明なタイプだと光があまり漏れてこないかもしれませんね。
ぼくが今回チョイスしたスイッチ「Gateron Yellow」はトップハウジングが透明なので光り方は良好。
間接照明のようにぽわ~んと淡い光り方なので、ギラギラしたのが嫌いなぼくでも自然に受け入れられました。
もちろんイヤな人は設定で光をオフにすることも出来ます。
2段階調整式のスタンド
スタンドは2段階に高さを変えられる仕様。便利。
ただしちょっとツメが硬く、裏に手を伸ばして見ずに操作するのはムズイ。
ケーブルは着脱式
端子はUSB-C。ケーブルは着脱式。
ケーブルは付いてきますが、USB-C端子のケーブルだったら純正以外のケーブルでも動作します。
こういうアルチザンケーブルを使ってみるのもオススメ。デスク周りが華やぎます。
日本だとEXME CABLESというショップで購入可能。
IDプレートは交換可能
矢印キーの上に付いているこのpulsarのロゴプレート、実はこれ磁石でくっついてるだけなので外れます。
今のところまだ準備中みたいですが、公式サイトの注文画面をよく見るとIDを選ぶ項目があります。
そのうちオリジナルIDプレートを作れるようになるみたいなので、機会があれば買ってみたいですね。
スタビライザーは標準でルブ済み
スタビライザーにはあらかじめグリスが注入してありました。
スタビライザーとは大型キーの押し心地をサポートする部品のこと。Shift、Space、Enter、BackSpaceキーの両端に付いてるやつ。
キーボードにとっては必要不可欠な部品なんですが、ガチャガチャとうるさい音を発するのが欠点なんすよね。(スペースキーがガチャガチャうるさいキーボードを使ったことある人も多いハズ…)
このスタビライザーのガチャガチャノイズはグリスを塗るとだいぶ抑えられるので、細部までこだわってるキーボードはグリスをちゃんと塗ってくれてたりします。PCMK TKLはその点ちゃんとしてました。
キーキャップの高さを選べる
キーキャップは高さを2種類から選択可。ベーシックとロープロファイル。
どちらもブラックとホワイトのカラバリがあります。今回は分かりやすいように「黒ベーシック」と「白ロープロ」を提供してもらいました。
公式サイトでは一応Pulsar製のキーキャップということになっていますが、恐らく外から別々のキーキャップを引っ張って来てるだけだと思うので、印字のフォントは若干違います。ロープロのほうが字と字の隙間が広い感じ。
ベーシックはいわゆる普通のキーキャップ。Razer BlackwidowとかFILCO Majestouchとか、巷の一般的なメカニカルキーボードと同じような形状。
それに対しロープロファイルはベーシックよりちょっと薄めに作られたキーキャップ。ベーシックより約3mmほど低く作られているようです。
▲ベーシックキーキャップを付けてみた様子。
▼ロープロファイルキーキャップを付けてみた様子。
キートップの高さを比較。
ロープロファイルはたしかにベーシックよりも少し薄いです。でもキーキャップの底面がベーシックよりも高い位置にあるので、実際のところキーキャップ表面の高さはそれほど低くなっていませんね。せいぜい2mm低くなる程度。
それにロープロファイルキーキャップはあくまで「キーキャップが低くなるだけ」なので、当たり前ですがキーストロークはベーシックと同じです。
FILCO Majestouch Stingrayのような本格ロープロファイルキーボードの使用感に近づくわけではありません。
でもまぁ個人的にはキーが低いほうが打ちやすいのでどちらかと言えばロープロファイルキーキャップのほうが(ぼくは)打ちやすいです。ほんとに誤差程度ですけどね。
PCMK TKLのタイピング音(動画あり)
PCMK TKLをタイピングしてみた動画。
途中でキーキャップをベーシックからロープロファイルに交換し、音の違いを比較できるようにしてみました。
キースイッチは「Gateron Yellow」を使用。
Gateron Yellowは赤軸や黒軸と同じリニア系のスイッチ。打ち心地はちょっと硬質な感じ。赤軸よりはだいぶ重く感じます。
柔らかい押し心地が好きな人には合わないかもですが、メリハリのあるパキパキした押し心地なので爽快感はありますね。
キーキャップに関しては、ロープロファイルキーキャップのほうが音が高くて音量も静かな気がします。ベーシックが「カコカコ」だとするとロープロファイルは「カチャカチャ」みたいな。
あとスタビライザーにグリスが注入してあるおかげで、スペースキーやエンターキーの音もうるさくないですね。包丁で人参でも切っているようなトントンという小気味よい音。
ソフトウェアの使い勝手
公式サイトからダウンロードできる「PulsarFusion」というソフトでPCMK TKLの設定をいじることができます。
キー割り当てを変更したり、無効にしたり、マクロを割り当てたり。
「Fn+Win」でWinキーを無効にすることが出来るのですが、その際に似たような同時押しコマンドをまとめて無効にしてくれる機能なんかも。
ゲーム中にShift+Tab押すとSteamのオーバーレイが表示されちゃってウザいんで地味にありがたいかも…。
まぁSteam側のショトカ設定変えればいいだけなんですがw
LEDの光り方設定。単色に光らせることも出来ます。
個人的には白一色ぐらいが落ち着いてて好き。
マクロ設定画面。
できることの内容はロジ・Razer等の大手メーカーと遜色ないですが、翻訳感バリバリのUIはちょっと分かりにくいかな。
まぁそのかわり動作が軽いっていうのは魅力ですね。
大手のソフトは〇〇Syncみたいな機能でよそのアプリに干渉して謎に重いんで…。
PCMK TKLの良いところ
さて、一通り触ってみたうえでPCMK TKLの良いところをまとめるとこんな感じ。
とにかく安い!
PCMK TKLは、まずはなんと言っても価格が安いのが素晴らしい。
この手のカスタムキーボードはだいたい既製品のキーボードより高く売られる事が多いのですが、PCMK TKLの場合、ぼくと同じGateron Yellowスイッチを選んだ仕様なら10,980円から買えてしまいます。既製品のメカニカルキーボードより安い…!
スイッチによっては13,000円台にまで価格が上がってしまいますが、それでも13,000円台。ロジやRazerのゲーミングキーボードに比べたら圧倒的に安い。
ホットスワップ仕様である
しかもPCMK TKLは軸を自分で付けたり外したりできる「ホットスワップ仕様」です。
興味がない人にとっては「自分でやらなきゃいけない=面倒」に映るかもですが、ぼくのようなキーボードオタクは「自分の好きなように軸を交換できる=普通のキーボードより便利!」と受け取りますw
- FPSゲームでよく使うキーだけ他と違う軸にしてみる
- SPACEだけ静音軸にしてみる
- WINキーだけ誤爆しないように硬い軸にしてみる
…などなど、既製品では出来ないニッチなカスタムがいくらでも出来るのに、それでいて自作キーボードのように敷居が高いわけでもない。
キーボードへのこだわり・好きが強い人ほどこのホットスワップ仕様に魅力を感じるのではないでしょうか。
自分で修理できる
メカニカルキーボードを長く使っていると「キーが死んだ」とか「チャタリングが起きるようになった」みたいな不具合が起きることもあります。が、実はたいていの不具合はおかしくなった軸を交換するだけで直っちゃうことが多いんです。
そしてPCMK TKLは軸を交換できるホットスワップ仕様…。
つまりコイツは軽い不具合なら自分で修理できるキーボードなのです。
付属のキースイッチはちょっと多めに入っているので、いくつか交換する程度なら追加で買う必要すらありません。
「キーが1つだけ反応しない」「チャタリングが発生した」みたいな軽微な不具合でいちいちサポートに連絡したり買い換えるのは面倒だし時間もかかります。
なのである程度セルフでメンテナンスができるってかなり便利だと思うんですよ。
場合によっては1~2分で不具合が直っちゃうわけですから。
PCMK TKLのイマイチなところ
注文時にロープロファイル軸を選べない
不満があるとすれば、せっかくロープロファイルキーキャップという選択肢があるのにロープロファイル軸が選べないという点ぐらいでしょうか。
まあでもロープロファイル軸って形が根本的に普通の軸と違うので、ロープロファイル軸を付けるには専用の基板が必要になります。なので注文時にロープロファイル軸を選べないのは当たり前っちゃ当たり前なのですが…。
でも欲を言えば「PCMK TKL ロープロファイル版」みたいなのがあったらなお良かったかも。
まぁこれは製品に対する不満っていうよりただの願望ですねw
感想まとめ
PCMK TKLの特徴
- 自分で組み立てて完成させるカスタムキーボード
- 裏から基板が見える半透明ボディ
- 10種類以上の軸から好きなものを選べる
良いところ
- 安い。とにかく安い
- ホットスワップなので改造・修理が簡単
- 透明デザインが斬新
イマイチなところ
- ロープロ軸を選択できたらなお良かった
カスタムキーボードとはいえ、組み立ては指でパチパチはめるだけの簡単仕様。
「ガチな自作キーボードに手を出すほどじゃないけど、キーボードにはこだわりたい」
って人にピッタリな、ほどよいカスタム性だと思います。
それに、自作キーボードはハード面の自由度こそ高いものの、マクロを組んだりLEDの光り方を微調整したりプロファイルをアプリごとに切り替えたり…のようなソフト面の使いやすさは意外に低いんですよ。(出来なくはないけど、自分でプログラムを書く必要があったりしてハードルが高い!)
そのあたりの使い勝手も考慮すると、そこそこカスタム性が高くてちゃんと専用ソフトウェアが用意されているPCMK TKLは痒いところに手が届く商品になってると思いました。
まぁ個人的に一番気に入ってるのはそんなことより裏面のデザインが格好いいっていう点ですがw
やーほんとかっこいいな。1日1回裏返したい。
▲Amazonからはボード部分だけ(ベアボーン)しか買えないみたい。
軸やキーキャップも含めたフルセットで注文したい人は公式SHOPから買うのがオススメ。
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