ロジクールのワイヤレスゲーミングヘッドセット「PRO X Wireless」をレビューします。
有線タイプのPRO Xは当ブログでも以前レビューしましたが、高級感のあるデザインなのに中身はゴリゴリのFPS特化サウンドというギャップが印象的なヘッドセットでした。
今回のPRO Xワイヤレスも基本的には有線版と同じ特性ですが、ワイヤレス版になったことで、なぜか少しだけ音がクリアになっています。
一部ワイヤレス化によるデメリットはあるものの、今からPRO Xを買うとすれば個人的にはこちらのワイヤレス一択ですね!
当記事はそんなPRO Xワイヤレスをしばらく使ってみた率直な感想を書いていきます。
PRO X ワイヤレスのスペック・質感
スペック
ドライバ | ハイブリッドメッシュPRO-G 50mm |
周波数特性 | 20Hz~20kHz |
インピーダンス | 32Ω |
バッテリー駆動時間 | 最長20時間 |
ワイヤレス通信可能範囲 | 最長 15 m |
接続タイプ | 2.4GHz LIGHTSPEED |
ケーブル端子 | USB Type-C |
重量 | 370g |
ロジクールは「LIGHTSPEED」という低遅延・低消費電力のワイヤレス通信技術を持っていますが、ヘッドセットにLIGHTSPEED通信が採用されたのはこのPRO Xワイヤレスが初めてだそうです。
LIGHTSPEED接続のワイヤレスゲーミングマウスを使ったことがある人なら分かると思いますが、遅延などを一切感じずに有線と何も変わらない感覚で使えるので、LIGHTSPEEDは本当にスゴイ通信技術ですよ…。
質感をチェック
- ヘッドセット本体
- マイク
- 充電ケーブル(USB-C)
- 交換用イヤーパッド(ファブリック)
- USBレシーバー
- キャリングケース
- 取説・保証書類
替えのイヤーパッドが付いているのはありがたい。
しかもファブリック素材!
個人的にはこのPRO Xのようにレザーとファブリックでイヤーパッドを選べるタイプのヘッドホンが一番好きですね。
密閉感・遮音性を求めるならレザーの方が優秀ですが、装着快適性を求めるなら布のほうが断然快適。
これはどっちのほうが優秀かという話ではなく「好み」の問題なので、人によって好きな方を選べるようになっているのはありがたい仕様です。
見た目はこんな感じ。
後ほど比較画像を出しますが、デザインは有線版PRO Xとほぼ同じです。
有線版とデザイン的に違う部分は、このボタン類の部分。
こいつはワイヤレス版なのでオーディオケーブルを差す穴がなく、代わりに操作ボタン系とUSB-Cポートが付いています。
上から、
- マイクのミュート切り替え
- ボリュームダイヤル
- 電源ボタン
- 充電ポート(USB-C)
- インジケータLEDランプ
という構成。
電源を入れるとインジケータが緑に光ります。
PRO Xといえばこのイヤーカップのメタリックな感じがかっこいいですよね。
写真だと分かりにくいかもですが、レコードみたいな細かーい円が幾重にも描かれているデザインで、めちゃくちゃ質感が高いです。
この見た目だけ即買いしたくなるレベル。
イヤーカップの内側にL・Rの文字が書いてあり、そこでヘッドホンの左右を判断する感じです。
逆に言うとここ以外の場所(ヘッドバンドの内側とか)にL・Rなどの表記は一切ないです。
イヤーパッドを交換する時にもし左右を付け間違えたら、あわわわわわ…w
充電ケーブルはUSB-C。
ちなみに、ケーブルを差したまま(充電しながら)使うことも可能です。
PCと接続するためのUSBレシーバー。
交換用の布イヤーパッド。
デザイン的にはレザーのイヤーパッドの方が格好いいけど、夏は布のイヤーパッドのほうが断然快適ですね。
ぼくの作業部屋にはエアコンが無いので、レザーイヤーパッドは10秒が限界です。。
有線版PRO Xと比較してみた
ちょうど有線版PRO Xも手元にあるので、並べて写真を撮ってみました。
有線PRO Xのほうはイヤーパッドをファブリックにしてあります。
ワイヤレスのほうに操作ボタンが追加されてはいるものの、それ以外の部分に関してはまるっきり同じですね。
イヤーカップのデザインも同じ。
ヘッドバンドのデザインも同じ。
ただ、ワイヤレス版にはバッテリーが内蔵されているので重量は約40gほどアップしています。
付け心地の感想
付け心地に関しては、一言でいうと「側圧が強い」です。
そのおかげで374gという少し重めなヘッドセットなのに頭頂部への「ズッシリ感」はあまりないです。
ぼくは側圧よりも頭頂部への重みのほうが不快に感じやすいタイプなのでこの側圧の強さをイヤだとは感じませんでしたが、側圧に敏感な方は購入後にティッシュ箱に挟んだりして側圧を弱める工夫をしたほうがいいかもしれませんね。
音質の感想
音質は、基本的には有線PRO Xと同じ「中・高音域の聞き取りやすさ重視」な味付け。
要するに、FPSゲームの足音を聞き取るのに特化したサウンドですね。
適度に音に角があるというか、ひとつひとつの音がクッキリと分離して聞こえるような感じ。
良くも悪くも音の「まとまり感」が希薄なので、ゲームサウンド全体から足音だけを聞き取る(抜き取る?)能力は高いと思いました。
ただし難点として、低音が結構スカスカ気味です。
良く言えば聞き疲れせずに長時間聞いていられるサウンドですが、悪く言えば迫力が無いペラペラなサウンドとも言えるでしょう。
なのでぼくは設定ソフト「G HUB」のイコライザー設定でバスを少しブーストしています。
▲個人的にはこのぐらいバスをブーストしてようやく音楽が楽しく聞けるかなという感じ。
イコライザーを持ち上げてやればとても自然に低音が増幅されるので、ドライバの低音性能が貧弱というよりはノーマルの音質では意図的に低音を抑えているのかもしれませんね。
あと1つ面白い点としては、有線PRO Xよりもわずかに音がクリアになっています。
これは両方を聴き比べて初めて分かる程度の微々たる差ではあるものの、ワイヤレス版PRO Xのほうが薄い布が1枚取れたような、わずかに籠もりが解消されたような音質だと感じました。
と言っても以前に有線PRO Xをレビューした時に音が籠もっているとは感じませんでしたし、今あらためて有線PRO Xを聞いてみても「音が籠もっているなぁ」と思うわけではないんですよねw
あくまでも聴き比べてようやく気付くレベルなんですけど、ワイヤレス版の方がびみょ~~に音がクリアです。
弱点・イマイチなところ
ワイヤレス化したことで使い勝手・音質が向上し、基本的にはメリットだらけです。
が、唯一弱点があるとすればマイクの音質ですかね…。
マイクに関しては、はっきり言って有線PRO Xよりも音質が悪いです。
簡単な比較動画を作ってみたので聞いてみてください。
Adobe Auditionという録音ソフトを使って録音した音声を動画編集ソフトに取り込んで文字を入れただけの動画です。
ボイチャツールなどを噛ませたわけではないので、編集段階での音質の劣化は限りなくゼロ。
なのである意味これが「マイクのピュアな音質」です。
ということを踏まえた上で、どうでしょう。
ヘッドホン等で聞いてもらえれば一目瞭然かと思いますが、PRO Xワイヤレスは明らかに音質が悪いです。
何を言っているか聞き取れない程ではないものの、まるでAMラジオのような、無線機で喋っているような音質ですね
実際はここからさらにDiscordやPS4のボイチャツールなどを経由して更に音質が劣化するので、お世辞にも高音質なマイクとは言えないでしょう…。
LIGHTSPEEDという独自の通信技術を持っているロジクールをもってしても、ワイヤレスヘッドセットで有線並みのマイク音質を実現するのはまだ難しいのでしょうか。
無線の快適性よりもマイクのほうが大事だという方は有線タイプのPRO Xを買うか、もしくはBlue Yetiなどの据え置き型マイクを別で用意したほうが良いかもしれませんね。
まとめ
- 有線PRO Xよりも微妙に音質がクリアになった?
- 足音は聞きやすいが、低音がスカスカ気味なので音楽鑑賞はイマイチ
- マイクの音質は有線のほうが上
3万円を超える機能モリモリゲーミングヘッドセットも多いなか、この見た目のワイヤレスヘッドセットが2万円台で買えるのは結構お得感があります。
あ、そうそう、ワイヤレスの遅延に関して何も書いてませんでしたが、当然ながら体感できるような遅延はゼロです。
まぁこれはロジクールのLIGHTSPEED接続に限らず最近のワイヤレスヘッドセットはだいたいそうですよね。
Bluetooth通信はまだ発展途上な感じですが、2.4GHz通信においては遅延云々などもはや気にしなくても良いと思っています。
マイクの音質だけはもう一声欲しい気もしますが、今からPRO Xヘッドセットを買うなら、個人的には有線よりもこちらのワイヤレス版の方がおすすめですね。
この記事へのコメント
コメント一覧 (2件)
令和5年のインターネットにこのような参考になる趣き深いブログが残っている事に涙を流しました。
有線と無線で迷っていたのでマイクの音質比較等大変参考になりました。
本当にありがとうございます。更新頑張ってください。
ありがとうございます!