FILCOさんのTwitter企画に当選してMajestouch 2(黒軸)を2週間レンタルさせてもらえたので、使用感をレビューします。
ぼくはこんなブログを運営していることもあって散々いろんなキーボードを使ってきましたが、黒軸だけはなぜか食わず嫌いしていたというか…ぶっちゃけ1回も使ったことが無かったんですよ。
特に理由があって避けていた訳ではないし「どうなんだろう?」とは思っていたけど、なぜか縁が無かったというか…。
でもぼくと同じように「黒軸ってどうなの?」と思っている方って意外に多いのではないでしょうか?
1週間ほどですが毎日8時間以上黒軸を使ってみたので、率直な感想を知りたい方はぜひ参考にしてみてください。
FILCO Majestouch 2の質感
今回お借りしたのは「Majestouch 2」というキーボード。
Majestouchには色々なバージョンがあるので何がなんだか分からないと思うかもしれませんが、簡単に言うと「Majestouch 2 = Majestouchの中で最もオーソドックスなモデル」です。
- キースイッチ:Cherry MX 黒軸 (linear)/108キー
- かな印刷:あり
- キーピッチ/キーストローク:19mm/4 ±0.5mm
- サイズ:重量 幅440×奥行138×高さ38.5mm(スタンド使用時49.5mm)/1.2kg
- インターフェース:PS/2,USB (PS/2は変換コネクタを使用)
- ケーブル長: 1.5m(直付)
Majestouchはゲーミングキーボードではないので、キーが光ったりはしません。
色も全体的に黒ですし、いかにも事務用品という感じのデザイン。
しかし、その質実剛健さがMajestouchの良いところでもあります。
キーの印字も非常に読みやすい。
裏には横長のしっかりした滑り止めが付いています。
キーボード自体の重さも1.2kgあるので、タイピング中にガタガタしたりズレてくるようなことはないでしょう。
今では見かけることも少なくなった「PS/2端子」ですが、Majestouch 2には未だにちゃんと変換アダプタが付属していました。
今となってはあえてPS/2端子を使うメリットはありませんけど、USBポートが全部埋まってる時とかに「あってよかった」と感じるかもw
ちなみに今回お借りしたのはCherry MX 黒軸のモデルです。
黒軸はCherry MXスイッチの中で最も重い軸で、押下圧(キーの重さ)は60g。
60gと言ってもよくわからないと思いますが、一番人気があるであろう赤軸(押下圧45g)と比べてみると、約34%重いという計算になります。(多分)
タイピングしてみた感想はこれから動画付きで感想を書きますが、キーの跳ね返りが強いので「打った感」が欲しい人にピッタリな打ち心地だと感じました。
黒軸をタイピングしてみた感想
実際にタイピングしている様子を動画に撮ってみました。
音声は4万くらいしたショットガンマイクで別撮りしたものを被せてありますので、ヘッドホンで聞くとかなり現実に近いタイピング音を聞くことができます。
で、タイピングしてみた感想は以下の通り。
- 黒軸はこすれ音(スコスコ・カサカサ音)が強いが、音は静かめ
- キーンという金属音が少し気になる
- ”なで打ち派”にはキー荷重が重すぎるかも。ハードパンチャー向け
- キーのグラつきが少ないのはGOOD
黒軸をタイピングするのは初めてだったので「黒軸って重いんでしょ?指疲れないかな?」と思っていましたが、いざ使ってみると「キーがしっかりしてるな」と感じる程度の抵抗感でした。
(まぁよく考えれば重すぎて指が疲れて打ってられないような軸が商品として販売されるわけないですよね…)
キーの重さは、以前にレビューしたMajestouch Stingrayの低背赤軸にも少し似てるかも。
重いというより「剛性感がある」という感じです。
それに、キーが押し下がる「スコスコ」という摩擦音が何とも心地良いですね。
個人的に、黒軸はハードパンチャー(キーを叩くように強い力でタイピングする人)に適した軸だと感じました。
カチャカチャッターン!と叩くようにタイピングしてもその衝撃がバネで良く吸収されるので、わざと強く叩くようにタイプしても指が痛くなりづらかったです。
ただしバネが強いからなのか、キーを打つたびに「キーン」という金属音が鳴るのが人によっては耳障りに感じるかもしれません。
(上記の動画でも音量を大きめにするとわずかにキーンキーンと鳴っているのが分かるかと)
まぁこの「キーン」音はたいていのメカニカルキーボードで多かれ少なかれ鳴っている音ではありますが、Majestouch 2の黒軸はその「キーン」の音量がちょっと大きめかな?と感じました。
FILCO Majestouch 2の良い点・悪い点
軸の打ち心地以外の「Majestouch 2の品質」に関して思ったことは以下の通り。
スタビライザーに潤滑剤が塗ってあるのはすごく良い!
少しマニアックな話になってしまうのですが、Majestouch 2はスタビライザーに潤滑剤が塗ってありまして、それがめちゃくちゃいい仕事をしてるんです!
スタビライザーというのはSpace、Shift、Enterなどの大型キーがグラグラしないように補強するためのパーツのことで、これ自体はキーボードに無くてはならないパーツです。
ただ、メカニカルキーボードを持っている方は分かると思いますが、普通のキーの音が「カタカタ」だとするとスペースやエンターは「ガチャガチャ」というか、大きいキーのほうが打鍵音にノイズが混じっていると感じませんか?
結論から言うとそれは「スタビライザーのワイヤーがビビリ音を発してしまうから」なんですが、Majestouch 2はそのビビリ音を抑えるためにスタビライザーにバターのようなグリスが注入してあります。
このおかげでMajestouch 2はキーの押し心地がすごく滑らかで、スペースキーやエンターキーの「ガチャガチャ感」がほぼ無いのです。
同じような価格帯のキーボードでもスタビライザーの異音対策をしている機種なんてそうそう見かけないので、これって実は結構すごいことだと思います。
Nキーロールオーバー対応なのでゲーミングキーボードとしても使える
あとMajestouch 2はNキーロールオーバーに対応しているのも良いところです。
Nキーロールオーバーとは「キーをいくつ同時押ししようが、入力された順にすべて反応する」という機能のこと。
えっそれって当たり前じゃね?と思うかもしれませんが、安いキーボードは同時押し上限が3キーまで・7キーまでという仕様も多いんですよ。
でもPCでFPSゲームをしていると「WASDキーで移動しつつ、Shiftで走り/歩きを切り替えつつ、Spaceでジャンプしてる最中にCでしゃがむ」みたいな同時押しオンパレードな操作が当たり前のように出てくるので、ゲーム用のキーボードに同時押し制限があるなんて論外なんですよね。
その点Majestouch 2には同時押し制限がないので、ゲーミングキーボードとしても全く問題なく使えます。
「ケーブルガイド」が無いのは残念…
ひとつ残念な点があるとすれば、Majestouch 2にはケーブルガイドが付いていません。
ケーブルガイドというのはケーブルを引き回すための溝のことで、これが付いているとケーブルを左右から出すことが出来るようになります。
ケーブルを横から引き回せばキーボードの上ギリギリまで物を置くことが出来ますし、デスクが狭かったりするとなにげに重宝する機能なんですよね。
上記写真の通りMajestouchシリーズにもケーブルガイドが付いている機種もあるのですが、なぜかMajestouch 2にはケーブルガイドが付いていませんでした。
ぼくは結構ケーブルガイドを使う派なので、この点だけは少し残念です。
まとめ
- 質実剛健なデザイン
- スタビライザーにグリスが塗ってあり打ち心地が滑らか
- 黒軸はこすれ音(スコスコ・カサカサ)が強めな乾いた音
- 「バネ鳴り」が少し気になるかも
スタビライザーのビビり解消のためにグリスが塗ってあったのにはビックリしましたし、そのおかげで打鍵感はとても滑らかでした。
まぁ正直かなりマニアックな部分なので「そんなコマけぇ所はどうでもいいよ!」って方がほとんどかもしれませんが、そういう裏側の細かい部分までこだわっているのがいかにも国産メーカーって感じで良いですよね。
今回ぼくがお借りしたのは黒軸のモデルでしたが、Majestouchシリーズは「キースイッチを自由に選べる」のが特徴でもあります。
黒軸はバネの跳ね返りが強く、キーのグラつきが少なく、スコスコ・カサカサという乾いた打鍵音が特徴の軸です。
ただし撫でるように打つ人からするとキーが重すぎるかもしれませんので、「重いと指が疲れそう」という人はキーが軽い赤軸や茶軸モデルを検討したほうがいいかもですね。
この記事へのコメント