HDMI と DisplayPortって、どう違うの?
どっちが良いとかあるの??
という方のために、技術的な話は抜きにして、簡単に違いを解説します。
先にネタバレすると、性能以外に決定的に使い勝手が異なるポイントが1つだけあり、
- PCをスリープにして、席を離れることがある人。
- モニターの電源だけ切って、席を離れることがある人。
上記に当てはまる人は、HDMIを使うのをおすすめします。
その理由は、これから解説していきますね。
HDMIとDisplayPortには、決定的な違いが1つある
HDMIとDisplayPort。
どちらもPCとモニターをつなぐケーブルで、フツーに使っている限りは、性能的に差を感じることはありません。
じゃあどっちでも良いよね?
と思うかもしれませんが、決定的に違う部分が1つだけあります。
それは、
- DisplayPort:モニターの電源を切ると、PCとの接続が失われる。
- HDMI:モニターの電源を切っても、PCとの接続は生きたまま。
という違いです。
DisplayPortを使っている方は、あぁ、そういうことだったの…と気づいた方もいるかもしれません。
では、このDisplayPortの性質がどういう不便を巻き起こすのか、いくつか例を上げていきます。
DisplayPortの不便なところ
DisplayPortの「モニターの電源を切ると、PCとの接続が失われる」という仕様が、どのような不便を巻き起こすのか。
分かりやすい例を3つ挙げていきますね。
モニターの電源を切ると、ウィンドウの配置が勝手に変わる。
離席するときにパソコンをつけっぱなしにしてモニターの電源だけ切る人、いますよね?
そういう人は要注意です。
DisplayPortで接続されたモニターは、電源をオフにした瞬間にウィンドウの配置がリセットされます。
どういう事かというと、例えば下記のようにウィンドウを配置していたとしましょう。
このように頑張ってウィンドウを並べても、一度モニターの電源を切って、再度電源をオンにすると…
こんな感じで、勝手に配置が変わります。
要するに、モニターの電源を落とした瞬間にウィンドウの配置情報がリセットされてしまうのです。
これ、地味に不便なんですよ…。
ぼくも初めはなんでこうなるのか原因が分からず…めちゃめちゃググってようやく原因を掴みました。
DisplayPortがおイタをしていたのです。
特にモニターを何枚も使っている場合はひどいですよ。
全部のウィンドウが1枚目のモニターに集まります。
モニターの電源を切ると、DirectXを使っているアプリが落ちる。
ゲーマーの人は要注意です。
DisplayPortで接続されたモニターは、電源をオフにするとDirectXで動いてるアプリが落ちます。
ぼくがプレイしているFF14というネットゲームがまさにそうで、ちょっと離席すると何故か毎回クライアントが落ちてたんですよね…。
んーなんでだろう…放置しちゃだめってことかな…。
とか色々考えていたのですが、調べてみるとこれもDisplayPortの仕業とのこと。
MMORPGなどをよくプレイする方は、ゲームをつけっぱなしにしたままお風呂に入ったりコンビニに行ったりすると思います。
そういう人は、ディスプレイの電源を付けっぱなしにするか、もしくはHDMIケーブルを使うのをおすすめします。
モニターの電源を切ると、デスクトップアイコンの配置すらもデタラメになる。
ウィンドウの配置がリセットされるという点で察した方もいるかも知れませんが、デスクトップアイコンを変則的な置き方にしている人も注意が必要です。
DisplayPortで接続されたモニターは、電源をオフにした瞬間、デスクトップアイコンが全部左寄せになったりします。
これもまた、一旦モニターの電源を落としてしまうと…
言わずもがなですが、複数のモニターを使っている場合は、全部のアイコンが1枚目のモニターに集まります。
DisplayPortの不具合を何とかする方法
DisplayPortが不便なのは分かったが、どうしてもDisplayPortを使わねばならない事情があるのだ…
という方のために、DisplayPortの不便さを解決できる手法をいくつかご紹介します。
- DisplayPortの端子を分解してホットプラグ信号がオフにならないように改造する
- ホットプラグ信号を維持する改造を施した中継アダプタを買う
- ウィンドウ情報がリセットされないようにレジストリを改変する
- DisplayPortの不具合に対応したモニターを買う
ちなみにぼくは以前、ヤフオクで怪しい中継アダプタを購入したことがあります。
が、やはり手作り品なので数ヶ月したら壊れてしまいました。
というか、たまたま優良な販売者さんから購入できたから良いものの、改造品なのでPCが壊れても自己責任です。
変なウィルスや盗聴器が仕込まれたアダプタを掴まされる可能性がゼロとは言えませんし、あまり人におすすめできる方法ではありませんね。
書いておいて恐縮ですが、1〜3番の対策は、言ってしまえば「付け焼き刃的な」方法です。
「運が良ければ」ウィンドウが再配置されなくなるかもしれない…程度の荒治療だと思ってください。
一番確実な対策:対策されたモニターを買う
安全かつ確実に対策をするなら、HDMIで接続するか、もしくは4番の「DisplayPortの不具合に対応したモニターを買う」しか方法はありません。
取り急ぎググってみた情報だと、EIZOのFlexScanシリーズとColorEdgeシリーズには「Compatibilityモード」というDisplayPortの不具合を無効化する機能が付いているみたいです。
EIZO以外のメーカーにも対策モニターはあるようですが、メーカー各社の公式ホームページを見た程度では特定できませんでした。
当記事をここまで読んで、「えっ?何のこと?DisplayPortでつないでるけど、そんな不具合に遭ったことなんてないよ」という方は、運よく対策モニターを使っているのかもしれません。
「DisplayPortの不具合に対応したモニターリスト」を今作ってます。
当記事で紹介してきたDisplayPortの不具合は有名ではあるんですが、地味ですよね。
そのため「当社では、DisplayPortの地味にイライラする不具合を対策してまーす!」なんてどこのモニターメーカーもサイトに書いてないのです。
なので、現在メーカー各社に問い合わせながら「DisplayPortの不具合に対応したモニターの一覧表」を作成中です。
記事が完成したらリンクを張りますね。
2019年10月9日追記:
どこのメーカーに問い合わせても、たいてい問い合わせ窓口の人がこの問題を把握しておらず、話が通じませんでした。
唯一EIZOのカスタマーセンターの人にだけは通じましたが…。
技術者的な人と話が出来ればいいのですが、あいにくただの消費者であるぼくが接触するのはちょっと厳しそうです。
期待してくれていた方がいたら申し訳ない!
とりあえず、EIZOのモニターだったら確実にOKということだけお伝えしておきます。
まとめ:よく離席する人はHDMIがおすすめ
当記事の内容を簡単にまとめるとこんな感じです。
- スリープ機能をよく使う
- モニターの電源だけ落としてよく離席する
- ↑に当てはまる人は、HDMIを使ったほうが良い
最新の規格(HDMI2.1 / DisplayPort1.4)同士なら性能的にも互角です。
グラボにDisplayPortの端子しか付いてない…などの事情がない限り、HDMIにしておいたほうが無難でしょう。
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DPの問題は、決して簡単に解決できるものではないことがよくわかりました。
ただし、グラフィックボードは、そんなDPの端子をやたら沢山積んでくるんです。
HDMI 1個に対して、DP 3個なんてざらですよ。
HDMI 2個とDP 2個の優等生もありますが少数派です。
DPってなぜ廃れないんですかね?
Wikipediaによると、HDMIポートを自社製品に搭載したい企業は、HDMI Licencing, LLCという会社にライセンス料と年会費を払わないといけないそうです。
その使用料が「1個体/1ポートごとにいくら」みたいな従量課金制らしく、それがHDMIポートが少ない原因だと思われます。
ちなみにDisplayPortはVESAという団体が無償で解放しているため、特にどこかにお金を払う必要はないみたいです。