ロジクールのワイヤレスゲーミングヘッドセット「G933s」をレビューします。
G933sはロジクールGの中で一番高いヘッドセットで、ワイヤレスですがPC・PS4・XBOX・Switchなど主要なゲーム機にはすべて対応しています。
レビューするにあたり数日間使い倒してみましたが、
- イヤーパッドが大きくて付け心地が良い
- ヘッドセットなのにゲーミングマクロが使える(?)
- ものすごく自然な音質の7.1chサラウンド機能
あたりが本機種のポイントかなと思いました。
特に7.1chサラウンド機能の音質は特筆モノで、そこらへんによくある5.1chサラウンド機能とは一線を画しています。
RPGゲームの世界観に浸りたいときには最高の機能ですね…
リビングの大画面TVでゆったりゲームをするような環境の人にぜひチェックしてほしい機種です。
早速レビューしていきますね!
G933sのスペックと外観
G933sは、ロジクールGで最もハイエンドなワイヤレスヘッドセット。
- タイプ:ワイヤレスゲーミングヘッドセット
- ワイヤレス通信範囲:屋内15メートル、屋外20メートル
- ドライバー:Pro-G 50mm
- バッテリー:LED点灯で8時間、無点灯で12時間
- 重さ:379g(ヘッドセット本体のみ)
- 設定ソフト:G HUB
- Doly 7.1chバーチャルサラウンド対応
LEDイルミネーションを点灯しなければ12時間連続で使えちゃうので、まる1日ゲームをしても全然OKですねw
ただ、バッテリーを積んでいるのでどうしても重さは気になるかもしれません。
付け心地が快適かどうかは後ほど詳しくレビューします。
まずは外観を見ていきましょう。
外箱・付属品
内容物はヘッドセット本体に充電用USBケーブル・3.5mm 4極ケーブル、取説のみ。
ちなみにワイヤレス接続用のUSBレシーバーはヘッドセット本体に格納されています。
ヘッドセット本体のデザイン
ヘッドセット本体はこんな感じ。
かなり分厚いですね!
左側のカップに色々なボタンが付いていますが、そのうち3つは自由ボタンのようです。
これ、オーディオ関係の操作はもちろんですが、なんとゲーミングマウスみたいにキーマクロも登録できちゃうのですよね。
使いようによってはとても便利そうな予感。(詳しい使い方は後ほど深堀りします)
左側の底面に3.5mmジャックとMicroUSBポート。
ヘッドバンドのクッションはわりとフカフカ。
イヤーパッドは肉厚・大きめ
イヤーパッドはかなり肉厚で、耳がすっぽり入ります。
遮音性も非常に高いですね。
ヘッドバンドの調節幅は広め
ヘッドバンドの調節機構。
ぼくは頭がデカいのでこういう調節はだいたい最大に伸ばして丁度いいくらいなんですが、G933sのバンドは調整幅が広くて顔デカ星人のぼくが着用してもまだ余裕がありました。
かなり余裕がある作りになっています。
イヤーカップが収納になっている!?
このヘッドセット面白いのが、なんかイヤーカップの外側が収納スペースになっているんですよねw
こういうレシーバーって無くしやすい&どれがどれだか分からなくなるので、本体に格納できるのはナイスです。
ちなみに右耳のカバーも取り外し可能で、中にはバッテリーが入っています。
とはいえ交換用のバッテリーパックが売ってるわけではないので、なぜバッテリーにアクセスできるのかは謎…。
マイクの収納方法がオシャレ
最初に開封したとき「あれ、マイクどこだろう…」と思ったほど、マイクのデザインがスッキリしています。
こういうマイクって着脱の際にケーブルを引っ掛けたりすることもあるので、これくらいスッキリ収まってくれるとストレスなく使えそう。
ヘッドセット本体の重さ
重さは実測381g。
バッテリーを積んでいるので、どうしてもズッシリと重みを感じますね…
電源オンでLEDライトが点灯
ちなみにこのヘッドセット、光ります。
もちろんオフにする事も可能ですし、バッテリーの持ちも変わってくるのでぼくはオフにして使っています。
装着しているときに光っているところなんて見えないですからね。
G933sの付け心地
何日か使ってみた感想は以下の通り。
- 実重量は確かに重いけど、付け心地は良い
- イヤーパッドの遮音性は高い
- 密閉感が強いので蒸れる感じはする
381gもあるのでズシッと重いかなぁ…と思いきや、意外にもあまり重さは感じませんでした。
ヘッドバンドのクッションもイヤーパッドもフカフカで大きいので、重さがうまく分散されるのでしょう。付け心地は普通に良好です。
ただ、ぼくは耳周りに汗をかきやすくてレザーのイヤーパッドが得意ではないので、これから気温が上がってくると蒸れが気になるかも…と思いました。(記事執筆時は3月下旬)
同社のPRO-Xヘッドセットは付属品に布イヤーパッドが入っていますから、ハイエンドモデルというのであればG933sにも交換用イヤーパッドを付属して欲しかったですね。
こちらのほうが定価は高いですし。
G933sの音質
数日間、G933sでゲームをしたり音楽を聞いてみたりしたので、感想を書いていきます。
G933sには色々なサウンドモードがありますので、
- デフォルトモード
- FPSモード
- 7.1chサラウンドモード
- マイクの音質
の音について、それぞれの感想を順番に書いていきますね。
デフォルトモードの音質
まずはデフォルトモードを聞いてみた感想から。
- ゲーミングヘッドセットらしからぬオールマイティなサウンド
- 高音は少しスカスカ
- 音楽も十分気持ちよく聞ける
まデフォルトモードだと、いわゆる”ゲーミングヘッドセットっぽい音”とは違うな、と思いました。
こういうゲーミングヘッドセットってたいていミドルが強調されて足音の聞き取りに特化したチューニングになってるのですが、G933sのデフォルトモードは普通に音楽も気持ちよく聞けちゃうフラット寄りの音です。
ケーブルが無いというのも相まって、Spotifyで音楽を流しながらまったりゲームをする…みたいな使い方が非常に快適ですね!
ただ、ひとつ難点をあげるとすれば高音が少しこもり気味です。
密閉感が強いというのも関係しているのかもしれません。
FPSモードの音質
次はFPSモードの感想。
- ミドルが強調されて足音が聞き取りやすい
- 定位感は普通。特別良くはない
- 高音のこもりが少し気になる
FPSモードのイコライザーは上記の通りで、ミドルが強調されたいわゆる”ゲーミングヘッドセットっぽい音質”だと思いました。
デフォルトよりは明らかに足音が聞きやすくなっているので、ゲーマーは絶対にこっちのプリセットを使ったほうが良いでしょう。
ただ、先程も書いたとおりG933sは高音がこもり気味です。
足音程度なら問題なく聞き分けできますが、ピッみたいな高い音はちょっと聞こえにくいかもです。(R6Sのボム設置音など)
なのでぼくはFPSモードをもとにした自作プリセットを使うことで落ち着きました。
これがぼくの自作プリセットです。
基本的にはFPSモードを踏襲した上で、高音部分(8Kと16K)だけ追加でブーストしてみました。
適当に作っただけなので改善の余地はあるかと思いますが、これをやるだけでもピッピッみたいな高い音はだいぶ聞こえやすくなりましたね。
高音が出るようになって開放的な音になったからか、定位感もわずかに改善されたような気もします。
7.1chサラウンドモードの音質
G933sにはサラウンドモードが搭載されていますので、そちらの音質もチェックしてみました。
サラウンドモードはG HUBでオンにするか、もしくはデフォルトだと真ん中の自由ボタンを押すことで有効にすることができます。
感想は以下の通り。
- よくある5.1chサラウンドモードよりは明らかに自然
- 音が重複して聞こえるような違和感はかなり抑えられている
- 足音が聞こえやすくなるわけではない
最近は安いゲーミングヘッドセットにも5.1chサラウンド機能みたいなものはよく付いてますが、そういうのと比べるとG933sの7.1chサラウンドは明らかにレベルが高いです。
この手のバーチャルサラウンド機能は音の残響を擬似的に演出しているため、どうしても音が重複して聞こえてしまいます。
例えば銃声の「バン!」という音が「ヴァン!」と聞こえたり、「ピッ」という電子音が「ヴィッ」と聞こえるような感覚。
しかしG933sのサラウンドモードはこの「音の重複感」がかなり抑えられていて、普通に常用できるほど自然な音だと感じました。
音楽を聞いてもそんなに違和感がないレベル。
ここまで自然なサラウンド機能はなかなか無いと思います。
ただし注意したいのは、足音が聞こえやすくなったりするわけではないという点。
都合よく足音だけが増幅されればいいんですが、実際は聞こえてほしくない音(風の音、水が流れる音など)まですべての音が残響してしまうため、足音の聞き分けはむしろ難しくなってしまいます。(定位感がぼやける)
RPGゲームの没入感を向上させたりするには最高の機能ですが、足音で索敵をするようなFPSゲームをプレイする際はステレオモードのほうが良いでしょう。
マイクの音質
マイクの音質はかなり自然でボイチャ程度ならなんの支障もなく行なえます。
しかもG HUBの「側音」という設定で自分の声が音声として出力されるようになるため、ゲームクリップを録画する際にVCのやり取り音声を含めたい人にはとても便利ですね。
ただマイクブームが若干短いからか、音量はちょっと取りづらいかも。(マイクを口に近づけられない)
環境的に小声で話さないといけない人は、他のヘッドセットよりもマイク音量を上げる必要がありそうです。
G HUBの設定画面・マクロ機能の使い方
G933sはロジクールの総合設定ソフト「G HUB」から設定を行います。
面白いのは、まるでゲーミングマウスかのようにマクロ機能まで使えちゃうところ。
G933sには3つの「割り当て自由ボタン」が搭載されているので、そこに好きな機能を割り当てることができるんです。
▲キーボードコマンドを割り当てることもできれば、
▲DISCORDやOBSを直接操作することも可能。
▲あとこんな感じにガッツリキー入力マクロを組むこともできます。
ゲーミングマクロ的な機能は一通り使えるようですね。
まぁ押すとしても左手を耳まで持ってこないといけないのでゲーム中に活用することは無いかもしれませんが、ボイチャや配信ツールの操作くらいなら十分実用的に使えそう。
ちなみにぼくは「Alt + F10(Shadow Playで直近5分間のクリップを保存する)」っていうキーマクロを1つ目のボタンに割り当てていますが、結構便利ですよ。
Shadow Playのショートカットキーってなんかよく忘れちゃうんですよね…。
使っていて気になった点
全体的にはかなり満足度の高いヘッドセットですが、使っていてイマイチだと感じた点もあるので書いておきますね。
着脱時にギシギシ・ミシミシうるさい
このヘッドセット、イヤーカップ外側のフタが取れるようになっているので剛性感がなくてギシギシうるさいんですよ。
ヘッドセットを着脱するときってイヤーカップを持つと思いますが、その時にフタが外れそうになったり安っぽいギシギシ音が鳴ることが多いです。
しかもイヤーカップにボタンがたくさん付いているため、ボタンを押さないように持つと余計にフタに触ってしまいますw
最悪なのは、ヘッドセットを外そうとした瞬間にフタが外れること。
勢いよくガチャッ!とフタが外れてしまうと音がめちゃくちゃうるさくて、耳がキーンとします…
マグネットで簡単にフタが外れちゃうのが原因なので、スライド式や爪で引っ掛ける方式にして簡単に外れないようにしてほしかったですね。
まとめ
- 実重量は381gとかなり重いが、付け心地は意外に快適
- 良くも悪くもゲーミングっぽくない音質。定位感は普通
- フタが取れる機構のせいで高級感がない
値段がそこそこ高いだけあり、付け心地は結構快適ですね。
当ブログでレビューしてきたワイヤレスヘッドセットの中でも長時間の快適性はトップクラスに高いと感じました。
唯一気になるのは筐体の剛性感(高級感)がイマイチという点くらい。
と言っても内部性能(音質)はレベルが高いですし、「若干安っぽい」という点を許容できるなら優秀な機種であることに違いはありません。
定価は23,650円ですが記事執筆時点で実売14,000円程度まで値下がりしており、性能を考えるとかなり値ごろ感がありますよ。
この記事へのコメント