Endgame Gearから発売されたゲーミングマウス「XM1」の使用感をレビューしていきます。
Endgame Gearは最近設立されたゲーミングブランドなので知らない人も多いと思いますが、これからどんどん勢いを増していくであろうブランドです。
というのも、製品開発にはJohnny R.氏という元プロゲーマーが携わっており、彼はなんとSteelseries SENSEI、KANA、KINZUのデザインも手掛けている「マウス界の偉人」なのです。
そのため、今作「Endgame Gear XM1」も、
- Steelseries SENSEI系の秀逸なデザイン。
- 肉抜き穴なしで重さ70g。
- PMW3389搭載、クリック遅延1ms以下。
という、文句の付け所がないゲーミングマウスに仕上がっています。
これは期待が膨らみます!
早速、使用感をレビューしていきますね。
Endgame Gear XM1のスペックと外観
XM1は、Endgame Gearというドイツの新興ゲーミングブランドから発売されたゲーミングマウス。
Endgame Gearの製品は、記事執筆時点ではこのXM1だけなので、記念すべき第1弾製品ということになりますね。
- センサー:PixArt PMW3389
- DPI:50~16,000dpi
- ポーリングレート:250 / 500 / 1000Hz
- 重さ:70g
- クリック遅延:1ms以下
- サイズ:長さ122x幅66×高さ38mm
- 表面処理:ドライグリップコーティング
スペック的には、大手ゲーミングブランドに負けずとも劣らない高性能っぷりですね。
むしろ機能がてんこ盛りになっていない分、シンプルなマウスが好きな人にとっては大手製品よりも優れているのではないでしょうか。
では、外観を見ていきます。
公式サイトいわく、表面は「ドライグリップコーティング」というものらしいです。
マットな触り心地でサラサラしていますが、手汗を少しかくとギュッとものすごいグリップを発揮します。
少々汚れが目立ちやすい気がしますが、グリップ力は半端なく高いので素晴らしいコーティングだと思いました。
サイドボタンは結構大き目で、ぷっくりと膨らんでいるような形状で非常に押しやすいです。
裏面にはDPI・ポーリングレート変更ボタンが付いていますね。
ポチッと押すとDPI変更、長押しするとポーリングレート変更という使い方になっています。
ボタンを1つに集約することで多少なりとも軽量化に貢献するでしょうし、なかなか賢いと思いました。
ソールは独特な形をしていますが、素材は純度100%テフロンです。
Hyperglideなどと同じ素材なので、サラサラスルスルヌメヌメって感じですね。
ケーブルはわずかですが一応、斜め上に向かって生えています。
マウスパッドと干渉する心配はないでしょう。
重さは実測72gでした。
ケーブルは塩ビ被覆の一般的なものです。
2020年4月追記:
現在流通しているロットでは布巻き軽量パラコードに仕様変更されています。
ボタン類の押し心地
左右クリックボタン
左右クリックは軽い押し心地です。
跳ね返りの強さはそこまで強くない気がします。
サイドボタン
左右クリックに比べるとストロークは若干深め。
サイドボタン自体がぷっくりと盛り上がっているので、普通に押しやすいですね。
位置も大きさもちょうどいいと感じました。
ホイール
ノッチ感(コロッコロッという感覚)がものすごく強く、カリカリしてます。
とはいえ回す音がうるさいわけではなく、静かに安定して回ります。
ホイールクリックは適度に硬いので、誤爆することはないですね。
これは神ホイールだと思います!!
他のゲーミングマウスと比べてみた
大きさや形が分かりやすいように、手持ちのゲーミングマウスと並べて写真を撮ってみました。
KonePureよりわずかに大きいくらいで、小さいマウスの部類に入ると思います。
XM1の握り心地
Endgame Gear XM1の持ちやすさをチェックしていきます。
ちなみに、ぼくの手の大きさは18.5cm × 8.5cmくらいです。
かぶせ持ちは不可能ではありませんが、マウスが小さすぎる感は否めません。
とはいえ、マウスのお尻部分が盛り上がっているので、手のひらのフィット感はかなり高いです。
それに親指側のカーブも絶妙で、親指は全体的に吸い付く感覚がありますね。
手の小さい人なら、かぶせ持ちでも問題ないでしょう。
つまみ持ちはめちゃくちゃ持ちやすいです。
70gという軽さも相まって、何の違和感もなく手に馴染みます。
つかみ持ちも同じく相当持ちやすいです。
手のひらを当てるには少々薄っぺらいマウスなのですが、マウス表面のグリップがかなり良いので特に問題ナシですね。
手のひらを「面」でガッツリ押し付けなくても、「点」でマウスと触れているだけで非常に安定します。
XM1に適した持ち方は?
個人的には、つまみ持ち>つかみ持ち>かぶせ持ち の順で持ちやすいと思いました。
ぱっと見はシンプルで無骨なマウスですが、親指が当たる部分のカーブや、薬指のフィット感など、細かい部分の完成度がいちいち高いです。
一言でいうなら、Steelseries SENSEI, KANA, KINZUを更に改良したらこうなりました、みたいなマウスですね。
設定ソフト「XM1 Config Software」は超シンプル
Endgame Gear XM1は、専用のドライバーソフトウェア「XM1 Config Software」を使って設定を編集することができます。
とはいえボタン編集画面では「ボタンを使う / 無効にする」という2択しか選ぶことが出来ず、配置を入れ替えたりマクロを設定するような機能はありません。
なので実質的には、
- DPI
- リフトオフディスタンス
- Ripple Control
という3項目しか弄れる部分がない、超シンプルなソフトウェアですね(笑)
Ripple Controlとは
ちなみに設定にあるRipple Controlってなんだろう…と思ったのですが、調べてみるとこれは「高DPI時のジッターを補正するかどうか」という設定みたいです。
マウスを動かしたときのブレ、カクつき、ゆらぎのこと。
DPIを6000以上などの高い数値に設定すると発生する。
試しに、XM1のDPIを最高値である16,000に設定し、ペイントで線を書いてみました。
Ripple Controlをオンにすると、線がギザギザしているのが抑えられてスムーズになっているのがわかると思います。
DPIを高くしたときにAIMがギザギザになるのが嫌な人は、Ripple ControlをオンにすればOKですね!
とはいえ、基本的には余計な補正は無いほうが良いので、DPI400、800、1600くらいで使っている方はオフにしておいたほうが良いと思います。
XM1のセンサーは500Hz運用が安定?
マウスのセンサー性能を計測するツール「MouseTester」を使い、XM1のセンサー性能を計測してみます。
上記のGIF動画のように、マウスを左右にブンブン振った時のセンサーの挙動を計測しました。
MouseTesterの見方を簡単に解説すると、「青い点が、波線から大きく逸脱していなければ、センサー性能はおおむね良好」という感じです。
青い点がキレイに揃っているかどうかを見るだけでOKですよ。
まずは、ポーリングレート1000Hzの状態で計測した結果をご覧ください。
特定のマウスとの相性が悪い可能性も考え、4種類のマウスパッドで計測してみました。
基本的には良好なのですが、ポツポツと大きなカウント飛びが見られますねー。
当ブログでも過去にレビューしているLogicool G Pro Wirelessと同じような傾向ですね。
しかし、試しにポーリングレートを下げてみたところ…
ポーリングレート500Hzの時が一番安定しているように見えます。
先日、Razer Viperという同じくPMW3389搭載のマウスをレビューしたのですが、そちらもポーリングレート500Hzが安定するという結果になっています。
どうやら、PMW3389センサーを搭載したマウスは、ポーリングレート1000Hzで使うと不安定になる傾向があるようですね。
とはいえ、この程度のカウント飛びは、体感では全く感じることは出来ません。
あくまで「MouseTester」というツールを使ってセンサー性能を計測するとこう見えるというだけであり、実用上は全く問題ないでしょう。
XM1はコイル鳴きしているって本当?
一部の海外レビュワーに「Endgame Gear XM1のセンサーは、コイル鳴きしている」と言っている人がいたので、確認してみました。
結論から言うと、ぼくの個体もコイル鳴きしていました。
とはいえ、耳をマウスセンサーに近づけたらわずかに「キーン」とモスキート音のような音がしているだけで、普通に使っていたら全く気付かないレベルです。
マウスパッドにマウスを置いた状態だと、全く聞こえません。
ぼくの個体では、あくまでマウスを裏返してセンサーに耳を近づけたらわずかに聞こえる、というレベルのコイル鳴きですね。
もちろん個体差はあると思いますが、そんなに気にするレベルではないと思います。
まとめ
- SENSEI、KANA、KINZUに近いシンプルで秀逸なフォルム
- 設定は超シンプルで、マクロ機能は無し
- ポーリングレート500Hzで使うのが良いかも
一言で表せば「これこれ、こういうのを待ってたんだよ!」と言いたくなるマウスでした!
持ちやすい形、安定したセンサー、遅延のないクリック…
ゲームプレイに影響する部分はとことん最上級で、なおかつ無駄な要素は一つもありません。
ギラギラ光るマウスが好きな人には合わないかもですが、そういう派手な加飾を無駄だと感じる人、機能美的なデザインが好きな人には本当におすすめですよ。
2020年4月追記:ホワイトを追加購入しました
あとから発売されたホワイト版も追加で購入してみました。
当記事でレビューしたのは初期ロット品なのですが、現在流通しているロットは、
- 表面コーティング → ベタつきにくい仕上げに変更
- ケーブル → 布巻き軽量パラコードに変更
- ソールの厚み → 0.6mmから0.8mmに変更
という仕様変更が施されており、より一層使いやすいマウスになっていましたよ。
(あ、ちなみにホワイトだけじゃなくブラックもちゃんと新しい仕様に変更されてます。色によって性能差があるわけではないです)
特にケーブルは現在市販されているゲーミングマウスの中で最強クラスに柔軟&軽量で、初期ロットとはもはや別のマウスと言ってもいいほど進化してますね…
価格も安いですし、2020年4月時点ではトップクラスにおすすめなゲーミングマウスだと思います。
この記事へのコメント
コメント一覧 (2件)
rではなく旧モデルのXM1が安く手に入りそうなので試してみたい!と思って購入検討中です。
とにかく良いマウスという評判で試してみたいのですが、新品でもチャタリングの頻度が高いというレビューを見かけるのでその点が気になっています。
強めにクリックしたときにチャタリングがかなり起こる、というような話も見ましたが、自分自身FPSをプレイするときはつまみ寄りの掴み持ちでガシガシ強めにクリックしている感じなのでチャタリングが怖いなーという感じです。
その辺は実際に使用してみて如何でしょうか?
僕は今までたくさんマウス買ってきていますがチャタリングとかほとんど起きたことがないのでその辺は分からないんですよねw
1つ当たりの使用期間が短いのかもしれませんが。