ZOWIE EC3-CWレビュー:電波干渉に強いプロ向けマウス。割り切った仕様に価値を感じる人向け

zowie ec3-cw enhanced wireless reveiverで充電している様子

ZOWIEとしては初のワイヤレスゲーミングマウス「EC-CWシリーズ」の最軽量モデル「EC3-CW」をレビュー用に提供してもらったので、使用感をチェックしていきます!

目次

ZOWIE EC-CWシリーズの特徴

今回レビューするZOWIE EC-CWシリーズは、今まで頑なに有線マウスにこだわってきたZOWIEがついにリリースしたワイヤレスゲーミングマウスです。

最大の特徴は「Enhanced Wireless Receiver」と呼ばれる大型のワイヤレスレシーバーが付属してくる点。

一般的なレシーバーよりも電波干渉に強く安定した通信が行えるとのこと。実際に電波干渉モリモリ環境でテストした方のレポートを読むと、競合他社製品よりもカーソルの動きが安定しているのを如実に体感できるようです。

GAME Watch
あのZOWIEがついにワイヤレスゲーミングマウスに参入! 「ZOWIE EC-CW」詳報 独自のワイヤレスレシーバー...  BenQのゲーミングブランドZOWIEは12月7日、都内にて記者発表会を開催し、新型ゲーミングマウス「EC-CW」を正式発表した。

まぁ家のデスク周りがこんな最悪な電波環境になってる人はほぼ居ないと思いますが、ZOWIEとしては「どんな環境でも安定して動く」という課題をクリアするまでワイヤレスは出したくなかったんでしょうかね。確かにここまでやれば文句言う人はいません。

更にこのレシーバーには充電ドックとしての機能もあります。Enhanced Wireless Receiverの先端にマウスを乗せるとマウスが充電されるという仕組みです。

zowie ec3-cw 充電している様子

有線より動作が安定してない、充電がめんどくさい、といったワイヤレスマウスに対するネガティブ要素をZOWIEなりに徹底排除し、満を持してリリースしたのが今回のEC-CWシリーズというわけです。

ということで早速実機を詳しく見ていきます。

デザイン・握り心地

外観と質感

zowie ec3-cw 箱
zowie ec3-cw 付属品

内容物

  • マウス本体
  • 充電ケーブル(パラコード仕様)
  • 普通の通信レシーバー
  • Enhanced Wireless Receiver
  • 予備のマウスソール
  • 取説類
zowie ec3-cw 形
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基本的な形状は有線バージョン「EC3-C」と同じ。表面のコーティングもおそらく同じだと思います。(ZOWIEのコーティングは劣化するとテカるので手持ちの古いECとの比較では判断できない)

端子口の近くにある赤いマークはEnhanced Wireless Receiver用のアンテナとのこと。なんかほっぺが赤らんでるようで可愛いと感じたのは私だけ?

zowie ec3-cw 裏面

有線版との違いとしては、充電用の金具が付いたために前方のソールが左右分割タイプになった点ですかね。つまり有線EC3用の社外ソールは使用できません。

EC3-C用ソールを大量ストックしてる人にとっては残念なお知らせかも?

とはいえ記事執筆時点(2023/09/08)ではEC-CWシリーズ用に新たに作られた社外ソールが色々と販売されています。新たにソールを買うぶんには困ることはないです。

zowie ec3-cw 重さ

重さは実測で75g。軽くはないですね。

マウスを左右に素早く動かすと、切り返す瞬間に重さ(慣性に逆らう感覚)を感じます。

zowie ec3-cw 他のマウスとの比較

大手他社の人気ゲーミングマウス2種(PRO X SUPERLIGHT, DEATHADDER V3 PRO)がどちらも60g台であることを考えると、EC-CWシリーズは2023年のマウスとしては重いと言わざるを得ません。

とはいえ、有線マウスの時代からZOWIEのマウスはある程度の重さを(おそらくあえて)キープし続けているんですよね。

ZOWIEとしてはズシッとした安定感・剛性感を重視したということなんでしょうね。

握り心地の個人的評価

kessy 手のサイズ
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かぶせ持ち
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つかみ持ち
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つまみ持ち
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筆者は指先だけでマウスを保持する「つまみ持ち」が好きなので、シリーズの中で最も小さいEC-3CWをチョイスしました。

つまみ持ちをするには本当にちょうどいいサイズ感で、自分のために作られたのかなと思うほど形はしっくり来ます。

ECシリーズは「かぶせ持ち」で使うためのマウスという印象が強いですが、小型なEC3に限って言えばつまみ持ちでもトップクラスに快適だと思います。

ただし難点として、指先だけでマウスを動かすには75gはやっぱり重いです。

先日発売した新作ベセスダゲーStarfieldをEC3-CWでプレイしていたのですが、ローセンシ気味だと指が腱鞘炎みたいになるのでセンシをどんどん上げていき、最終的に振り向き3cmぐらいのハイセンシになりましたw

逆に、手のひらを当てて安定感を出す「かぶせ持ち」「つかみ持ち」をするにはEC3は小さすぎるので、筆者の手では快適ではありませんでした。

かぶせ持ち・つかみ持ちをするなら素直にEC1・EC2を選んだほうがいいです。

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EC3
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EC2
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EC1
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筆者の手のサイズだと、かぶせ持ちをするならEC1でちょうどいい。一番でかいので重いはずですが、手にフィットするのでむしろEC3より軽いと錯覚するぐらいです。

総評すると、EC3のサイズは「つまみ持ち派向け」「手の小さい人用」だと感じました。

パフォーマンス・性能

センサーの性能

搭載されているセンサーはPixArt PAW3370。最新センサーではないですが、有線版EC-Cに搭載されていた3360よりは世代が新しいセンサーです。

336033703395
最大速度(IPS)>250400650
加速度(G)505050
解像度(CPI)12,00019,00026,000
センサー性能比較

スペック上では有線版EC-Cに搭載されていた3360よりも2倍近い最大速度が読み取れるらしく、より素早い動きに対応した模様。といってもこのレベルの差は人類には体感できない気がしますが…。

いわゆるRelaaaエイムみたいな、高速でマウスをカクカク動かす超人系の人には違いがわかるんでしょうかね?

https://youtu.be/6-Kt2duNKtY

PixArtのラインナップには3370の上に3395や3399という型番がありますが、ZOWIEは昔から不具合が起こりづらい「ちょい古センサー」を採用する傾向があります。

一般人としてはセンサーの限界性能よりも「エラーが起きないか」や「普通の速さで動かした時の正確さ」のほうがよっぽど大事なので、堅実に安定したセンサーを選択するZOWIEの考え方は好きですね。

ボタンとホイール

クリックボタンは、有線版EC-Cシリーズと比べるとやや浅めの操作感に変更されています。

同系統のマウス(EC2-C、NP-01S、OUTSET AX)とボタンの質感を比較してみた動画はこちら。

https://youtu.be/91aa1TMFk44

有線版EC-Cと比べると、

  • ボタンのストロークが浅くなり、遊びのない歯切れの良いクリック感に変更。
  • サイドボタンのストロークも浅くなり、歯切れのよい押し心地に。
  • ホイールのジャリジャリ音が静かになり、ノッチが細かくなった。ホイールクリックも軽くなった。

といった違いを感じます。

一言で言えばVaxee製品のようなフィーリングになっていると感じました。ホイールなんて形状からしてVaxeeに近いです。

VaxeeはZOWIEの創業メンバーが新たに立ち上げたプラットフォームなので、てっきりZOWIEの世界観を守りたい派VS新しいものを作りたい派のような構図で分裂したのかなとか勝手に思っていましたが、Vaxeeで培ったノウハウをZOWIEに逆輸入するなんてこともあるんですね。

それともZOWIEを母艦としてVaxeeで試験的に新しいことをやってる感じなのかな。

いずれにしろ筆者はZOWIEのジャリジャリホイールだけがどうしても苦手だったので、個人的にはすごく嬉しい変更ですw

バッテリー性能

バッテリー寿命は公称70時間。

装飾用のLEDイルミが一切無いマウスなので、ほぼこの公称通りの時間動くのではないかと思います。

zowie ec3-cw 充電している様子

更にEnhanced Wireless Receiverで置くだけ充電が可能なので、バッテリー残量のことはほぼ考えずに使えていますね。

寝る前にドックに置くことを習慣にすればいいだけですし、1日2日置き忘れても別に大丈夫なので。

カスタマイズ性はある?

zowie ec3-cw スイッチ類

ZOWIEのマウスはプラグ・アンド・プレイ仕様(ドライバーインストール不要)にこだわりがあり、設定ソフトウェアが存在しません。

そのため他社マウスのようにゲーミングマクロやボタン割り当て変更などは出来ないのですが、

  • 通常のレシーバー / Enhanced Wireless Receiver の切り替え
  • ポーリングレート(125 / 500 / 1000 Hz)
  • DPI(400 / 800 / 1600 / 3200)
  • リフトオフディスタンス(High / Medium / Low)

この4項目はマウスのボタンやコマンド操作で変更できるようです。

リフトオフディスタンスとはマウスをどれだけ持ち上げたらセンサーの読み込みがオフになるか(カーソルの動きが止まるか)という指標で、マウスパッドの毛羽立ち具合などによっては微調整で操作感が良くなることもあります。

ソフトウェア抜きでリフトオフディスタンスを調整できるマウスはかなり珍しいです。

また、ゲーミングマクロが使えないのはちょっとな~という人のために一応書いておくと、KeyToKeyなどの汎用マクロツールを使えばマウスボタンにマクロを割り当てることも可能です。

マウスのソフトウェアで出来ることってユーザーの工夫次第で意外となんとでもなるので、個人的には設定ソフトウェアが無いという割り切った仕様にデメリットは感じていません。

というか筆者はマウスのドライバソフトウェアが(妙な動作をするのが)嫌いで、ロジクールのG HUBなどもインストールせずに使ってるぐらいなので、ZOWIEの考え方が性に合ってるのかもしれませんね。

長所と短所

zowie ec3-cw

このマウスの強み

数字で表せるスペックでは決してハイスペックではないZOWIE製品をあえて買う理由は「ZOWIE製品特有のしっかり感・持ちやすさが唯一無二だから」に他なりません。

ZOWIE ECシリーズを模した形状のクローンマウスはいろいろと発売されていますが、やっぱり本家ZOWIEのECは何かが違う。

コーティングの良さなのか、シェルの硬さなのか、重量バランスなのか…具体的に言語化するのは難しいんですが、ZOWIE ECでしか得られない栄養はたしかに存在する。

とはいえ別に古参ファン向け製品というわけではなく、今回のEC-CWシリーズは「Enhanced Wireless Receiverを使うと他社製品より通信安定性に優れ、置くだけ充電まで可能」という明確な優位性もあります。

昔からのZOWIEファンじゃない人にも魅力的な製品になっていると思います。

改善の余地がある点

これはもう価格。21,800円は高い。円安の影響で高いだけなのか?

いくら魅力的でも2万円超えはさすがに手が出せないという人も多いハズ。

Enhanced Wireless Receiverを別売りにして本体価格を下げてもらえるとありがたいと思います。

実際Razerなどの一部メーカーは4000Hz対応高性能レシーバーを別売り扱いにしていたりします。

競合製品との比較

似た系統のマウスとの使用感比較

筆者の手持ちマウスの中で「ECが好きな人ってこんなマウスも好きだよな」と思ったマウスをいくつか握り比べてみました。

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EC3-CW
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DEATHADDER V3 PRO
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OUTSET AX
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NP-01S
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ec3-cw-dav3
ec3-cw-outset-ax
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形状的にはDeathadderが近いですが、ボタンの操作感なども含めた総合的な使い心地はOUTSET AXが最も近いと感じました。

OUTSET AXはデザイン的には小型なマウスですが、尻高で意外と大きさを感じるため、ECに換算するとEC1とEC2の中間あたりのサイズに当たると思います。OUTSET AXからEC-CWに乗り換えるならEC2-CW(Mサイズ)がおすすめかな?

同価格帯の競合製品一覧

名称価格
Razer DeathAdder V3 Pro21,780円
Razer Viper V2 Pro20,680円
Razer Cobra Pro21,980円
Ninjutso Sora 4K Wireless17,980円
Finalmouse Starlight Pro – TenZ(マグネシウムシェル)29,800円
G-Wolves HTX 4K Wireless24,952円 ($169)
G-Wolves HSK Pro 4K Wireless26,417円 ($179)
G-Wolves HTS Plus 4K Wireless23,465円 ($159)
SteelSeries Aerox 5 Wireless DiabloⅣ19,973円
ROG Harpe Ace Aim Lab Edition21,200円
Pwnage StormBreaker(マグネシウムシェル)24,979円
Vaxee NP-01S Wireless18,900円
Vaxee XE Wireless18,900円

2万円ぐらいのマウスという条件で最新のゲーミングマウスをいくつか列挙してみました。

こう見ると競合製品はギリギリ2万円に行かないように基本的には価格を抑えていて、2万円以上するマウスはポーリングレート4000Hzに対応したハイスペモデルや、マグネシウム製のシェルを採用したfinalmouseやPwnageなどの変態系ジャンルが中心。

言ってしまえばごく普通なスペックのマウスであるEC-CWシリーズが2万円超えというのは、ちょっと割高に感じますね。

結論:購入する価値はある?

ec3-cw

2週間レビューしてみた総評

ZOWIEならではの密度の高い感覚・剛性感はしっかりあって「やっぱ本家ECっていいわ」と思えました。

ボタン・ホイールの操作感はVaxee製品のような歯切れのよい感覚に変わったので、ゲーム以外のネットサーフィンでも快適に使えるようになりました。

今までのZOWIE製品ってゲームに特化しすぎて普段遣いで使いにくい部分もあったので、個人的には今回のEC-CWシリーズはかなり満足度高いです。

ただしいかんせん値段が高いのがネック。同じ値段を払えば他社のぶっ飛んだマウスが手に入るので、ZOWIEのECワイヤレスに2万円って、選択肢としては地味ですよね。

実際に使ってみてかなり気に入った状態でもやっぱり思いますが、Enhanced Wireless Receiverは別売りにして本体価格17,800円ぐらいにしてほしい。

まずは本体を気に入って、あとからEnhanced Wireless Receiver買う、という流れのほうが2段階に喜びがあっていいんじゃないかと思います。

誰にとって最適か?

  • ZOWIE ECファン
  • かぶせ持ち用の高クオリティマウスが欲しい人
  • 軽すぎるマウスはプルプルして使いにくいから少し重いぐらいを好む人
引用元:https://zowie.benq.com/ja-jp/mouse/ec3-cw.html

サイズは基本的にはEC2(Mサイズ)がおすすめ。EC2を基準として、小さめがいい人はEC3、大きめがいい人はEC1という選び方。

興味はあるけど2万円のECをいきなり買うのはちょっと…という場合は、メルカリなどで壊れたジャンクEC2を安く仕入れて、ケーブルをちょん切って振り回してみて、握り心地などを判断してからEC-CWを買うのもアリ。

EC2-Aのジャンクなんかは1000円ぐらいでたまに出てます。

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