HyperXのヘッドセット「Cloud II」をレビューします。
ぼくはプロゲーマーがどんなデバイスを使っているのかを調べるのが趣味なのですが、FPSのプロゲーマーの愛用デバイスを調査するサイト「Prosettings.net」によると、なぜか圧倒的大多数の選手がこのCloud IIを愛用しているんですよ。
他にも優秀なヘッドセットはたくさんあるのに、なんでちょっと古いCloud IIが未だに人気なんだ…?と思ったので、物は試しに購入してみました。
果たしてこいつの何がそんなにプロゲーマーを惹きつけるのか、詳しくレビューしていきますね!
Cloud IIのスペックと外観
Cloud IIは、キングストンのゲーミングブランド”HyperX”のゲーミングヘッドセット。
- タイプ:密閉型
- 周波数:15~25,000Hz
- ドライバー:φ53mm 径、ダイナミックドライバー
- バーチャル7.1サラウンド機能付き
- 端子:3.5㎜またはUSB
- PC、Xbox One1、PS4、Wii U、Macおよびモバイル2に対応
記事執筆時点で7000円台という低価格なのにもかかわらず、サラウンド機能が付いているというのが特筆ポイントでしょうか。
またUSB接続にも対応しているので、PS4などで使う場合でも接続しやすいですね。
それでは外観を見ていきます。
箱
付属品一覧
付属品の内容は、
- マイク
- サウンドカード付USBケーブル
- 交換用イヤーパッド(布タイプ)
- キャリングケース
- 取説
という感じ。
3.5㎜のステレオジャックで接続することもできますが、サラウンド機能を使うためにはUSB接続が必須みたいです。
ヘッドホンの見た目を詳しくチェック
赤いフレームが印象的で、一目でHyperXだと分かるデザインですね。
Amazonの商品写真では安っぽいかもと思ってましたが、実物を見ると”オモチャっぽさ”はあまりなくて高級感すら漂う質感です。
ヘッドバンド上部にはHyperXのロゴが。
赤いステッチがかっこいい!
糸のほつれなども特にありません。
ヘッドバンド内側。
ふかふかのクッションが全体的についており、付け心地はかなり良さげ。
カップ部分にもHyperXのロゴ。
ちなみにこの赤いフレームは金属製です。軽いですが。
ケーブルは固定式(引っこ抜けない)
ちょっと残念だったのが、リケーブル非対応という点。
別にこのクラスのヘッドセットのケーブルを良いやつに変えるつもりはありませんが、ケーブルを抜くことすらできないので少し不便です。
カバンに入れて持ち歩いたりするとケーブルの根元に変な負荷が掛かっちゃいます。。
マイクは脱着式
マイクを付けてみました。
跳ね上げ式ではないので、邪魔なときはいちいち引っこ抜く必要があります。
とはいえ個人的には跳ね上げ式よりも引っこ抜くほうが好きですね。
マイクの分だけ重量が軽くなるのでw
7.1サラウンドを使うためにはUSB接続が必須
少し注意したいのが、サラウンド機能を使いたい人はUSB接続が必須という点です。
上記の写真の通り、サラウンド機能が内蔵されたサウンドカードはUSBケーブルに内蔵されているため、ヘッドセットをただPCに繋ぐだけではだめなのです。
ボリュームノブも付いていて便利ですし、基本的にはUSBで接続したほうがいいでしょう。
重さ
重さは296g。
300gを切っていると軽く感じますね。
Cloud IIの装着イメージ画像
ダイソーでスカウトしてきたモデルの子に付けてもらいました。
ヘッドバンドの長さ調節幅はこんな感じ。
ぼくはわりと頭がデカいので、最大に伸ばしてちょうど良いです。。
360度ぐるっと撮ってみました。
はじめは赤いフレームがちょっと派手すぎるかなぁーとも思いましたが、メタリックな赤なので高級感はありますね。
付け心地の感想
側圧はちょっと強いのですが、それゆえに頭頂部にあまり重さが掛からないので付け心地はとても楽ちんでした。
ぼくは最近ヘッドセットを買いまくってはとっかえひっかえしていますが、Cloud IIの付け心地はこの値段のヘッドセットにしてはトップクラスに良い方です。
たしかにこれは売れるわな…と思いました。
それに交換用の布イヤーパッドも付属しているので、レザーは蒸れるから嫌い…という人でも安心ですね。
Cloud IIの音質
では次に音質についての感想を書いていきます。
まず、Cloud IIの音質を3行で表すなら以下のような感じ。
- ほぼほぼフラットだが、若干ミドルが強め
- FPSゲームの「足音」の音域が強調されている印象
- とはいえ殆どクセがないので、音楽鑑賞も全然イケる
ゲーミングヘッドセットっぽいクランチーな音に調整されてはいますが、そこまでクセが強いわけではないですね。
低音もちゃんと出てるので、音楽を聴いても違和感なく普通に楽しめました。
高音のキツさ、いわゆる「サ行の刺さり」もほとんどないので、大きい音を再生しても耳が痛くなりづらいです。
ゲームの足音の定位感を検証
ゲーム音の定位テストとして、こちらの動画を使用させていただきました。
上記の動画を再生してみた感想は以下の通り。
- 前後・左右・上下・遠近は問題なく聞き分け可能
- でも「7時の方向か8時の方向か」レベルの細かい聞き分けは厳しいかも
- ヘッドホン自体の遮音性が高いので、爆音にしなくても十分聞こえる
ゲーミングヘッドセットとしてはごく一般的な定位感ですが、遮音性が高いので微細な音(R6Sのボム設置音など)にも気づきやすいと思いました。
足音の「ダッダッダッダッ」という音域がちょうど強調されるような音質なので、まさにFPS向きのサウンドですね。
7.1サラウンド機能で足音は聞こえやすくなる?
Cloud IIには7.1サラウンドという機能がありますが、「もしかして足音が聞こえやすくなったりする?」と思う方も多いはず。
ということで、実際にサラウンド機能をオンにした状態でさきほどの動画を再生してみました。
感想は以下の通り。
- 現場にいるような”空気感”はリアルになった
- しかし音の定位感はむしろボヤけてしまった
- 自分の足音が人の足音みたいに聞こえる
結論から言うとFPSゲームにおける索敵能力がアップするわけではありませんでした。
まるでその部屋に実際にいるかような”広がり感”を感じることが出来る一方で、どっちの方向から音が聞こえたか?という定位感はむしろ悪くなってしまいますね。
恐らく、”壁に音が反響している感じ”を演出するために右から鳴った音も少しだけ左耳からも再生するような調整になっているんだと思います。
明らかに右側にいる人の足音が左耳からわずかに聞こえたりしますし、自分の足音ですら強制的に反響?させられてしまうため、まるで誰かが自分にピッタリ密着して並走しているかのような音に聞こえます。
自分しかいないはずなのに周りから足音が聞こえるので「敵か!?」と振り向きたくなってしまうような感じw
WitcherやSkyrimのような壮大なRPGをプレイするときには没入感がアップして気持ちいいでしょうけど、FPSゲームにおいてはあまり有効な機能だとは思いませんでした。
まぁバーチャルサラウンドはあくまで「疑似」なので、サラウンドっぽい鳴り方を再現しているだけに過ぎませんからね。
サラウンドによる定位感の向上を求めるなら、リアルサラウンドヘッドホンを買うしかないでしょう。
まとめ
- 軽くて快適な付け心地
- 値段のわりには良い音質(ミドル強調気味のFPS特化サウンド)
- 7.1サラウンドで足音が聞こえやすくはならないので注意
機能・音質に関しては至って普通ですが、付け心地の良さは特筆に値するポイントです。
遮音性もかなり高いですし、長時間FPSゲームをプレイしても集中を保ちやすいですね。
何か傑出したメリットがある製品ではないですが、「特に不満に思うところが無い」という理由でプロゲーマーに人気なのかな、と思いました。
一日10時間以上練習するプロからすれば、「めっちゃ高機能だけど2時間で疲れるヘッドセット」よりも「音質は普通だけど軽くて疲れないヘッドセット」のほうが魅力的なのかもしれません。
価格も安くなっていますし、「初めてのゲーミングヘッドセット」にもピッタリではないでしょうか。
この記事へのコメント
コメント一覧 (3件)
このヘッドセットを使う時に分岐ケーブルは必要ないんですか?
すみません、説明不足でした!
3.5mmのほうで使いたい場合はマイク端子を分岐させるケーブルが必要ですね。
USB接続にすればマイクもちゃんと使えるので、普通はわざわざ買い足す必要はないかと思います。
最近の記事で不安になりました。ありがとうございました。