HDRに強い4Kモニターがあると、ゲームや映画が本当に楽しくなる。
HDRをオンにすると明暗のコントラストが非常に豊かになり、同じ作品とは思えないほど画質が良くなる。最近ではネトフリなどのVODでも数多くのHDRコンテンツが配信されているし、エンタメが好きならHDRはぜひ体験してみたほうがいい。世界が変わる。
ということで当記事では、HDRに対応した4Kモニターのおすすめモデルをランキング形式で紹介する。
1分で分かる「HDR」の基礎知識
まずはHDRとは何か、についてサクッと解説していく。
解説が不要な方は下記のリンクをクリック。
HDRって何?
HDRとは「High Dynamic Range(ハイダイナミックレンジ)」の略で、一言で説明すると、
- 明暗(陰影)の表現力をアップさせる機能
だ。
SDR(Standard Dynamic Range=普通の状態)よりも白飛びや黒つぶれを抑えることができるため、HDRをオンにすると繊細な明暗まではっきりと分かるようになる。
▲上記はPC版のデス・ストランディングにてHDR機能のオンオフを比較してみた図。空の白飛びが改善されていると同時に、岩や草の影の描写もより自然になっているのが分かる。
どれぐらい自然に階調を表現できるかはモニターの性能にかかっているが、それなりに高性能なモニターだと本当に美しい画質でゲームをプレイできる。ただゲームを起動して風景を眺めているだけでも楽しい。
よく見るHDRの「規格」
そんなHDRには規格がいくつかある。頻出する用語を2つだけ解説していく。
なお、この後に紹介するおすすめランキングではしっかりHDRに対応したモニターを紹介するので、読みたくない人はこの章はスキップしてくれて構わない。
HDR10
モニターを調べていると「HDR10」という文字を目にする機会も多いだろうけど、これは「コンテンツ側の規格」である。例としては「HDR10対応のゲーム」や「HDR10対応の映画」のような感じ。
つまりHDR10対応モニターと書いてあった場合は「HDR10コンテンツを表示できる性能がある」という意味。
ここで注意したいのは、決して「HDR10対応モニターを使えばどんなコンテンツでもHDRになる」わけではないという点。
HDR対応モニターというのはあくまでHDRコンテンツを再生できますよ、というだけであって、コンテンツの画質をHDRに変換する魔法の道具ではない。
DisplayHDR 400, 600, 1000
DisplayHDRというのはモニターの輝度を定める規格だ。こちらはコンテンツには関係なく、モニターの性能を表すための規格になる。
例えば、A社のHDR10対応モニターとB社のHDR10対応モニターは、恐らく全然色味が違う。なぜならHDR10は「明暗差の階調が1024段階」と決まっているだけで、暗めの1024階調なのか明るめの1024階調なのか、「絶対値」が特に決まってないからだ。
それじゃ困るよね〜ということで策定されたのがDisplayHDR。
具体的には、液晶ディスプレイの「ピーク時の輝度」を基準に、3つのランクが定められている。
- DisplayHDR400:1㎡あたり400カンデラ以上
- DisplayHDR600:1㎡あたり600カンデラ以上
- DisplayHDR1000:1㎡あたり1000カンデラ以上
要するに、DisplayHDRに対応した機種を買えばHDRコンテンツの高画質を確実に体感できると保証されているわけだ。買ったあとに絶対後悔したくない人は、DisplayHDR対応モデルに絞って検討するといいだろう。
とはいえ、別にDisplayHDRに対応していない機種が悪いというわけでもない。あくまで規格で保証されていないというだけで、DisplayHDR非対応モデルの中にもユーザー評価の高い高画質なモデルはいくつもある。
HDR対応4Kモニターおすすめランキング
というわけで、ここからはHDRに対応した4Kモニターのおすすめ機種を紹介していく。
メーカー各社から現行販売されているモデルを比較検討した結果、おすすめランキングは以下の通りとなった。
第1位「BenQ EW3280U」
sRGBカバー率100%、色がとても正確なモデル。ゲームや映画などのエンタメ用途に特化してるけど、USB-C対応なのでMacbookとの相性も良い。これ1台あれば仕事もエンタメも存分に楽しめる。しかも部屋の明るさに応じて自動で輝度を調節してくれる「明るさセンサー」が搭載されていて目にも優しい。攻守最強。
評価項目 | 内容 | 順位 |
---|---|---|
画質 | sRGBカバー率100% DCI-P3カバー率95% | 2位/3位中 |
応答速度 | 5ms(GtoG) | 1位/3位中 |
コスパ | Amazon価格:80,545円 3年間保証サービス付き 3年間使った場合の月額コスト:2,237円/月 | 2位/3位中 |
HDR性能 | HDR10対応 DisplayHDR400準拠 HDRエミュレート機能「HDRi」搭載 | 1位/3位中 |
デザイン | ブラウン系の渋いデザイン。3辺ベゼルレス | 2位/3位中 |
総合評価 | 1位/3位中 |
第2位「BenQ PD2725U」
厳密な色精度にこだわったプロ仕様モデル。USB-C接続にも対応しており、ゲーマーと言うよりはHDRコンテンツを製作するクリエイター向けのモデル。2021年5月発売の最新機種なので値段はまだ高いが、これより画質の良いモニターはそうそうない。画質を重視するなら今はコイツが一番熱い。
評価項目 | 内容 | 順位 |
---|---|---|
画質 | sRGB・Rec.709 カバー率100% Display P3・DCI-P3 カバー率95% CalMAN認証およびPANTONEカラー認証取得 | 1位/3位中 |
応答速度 | 5ms(GtoG) | 1位/3位中 |
コスパ | Amazon価格:115,100円 3年間保証サービス付き 3年間使った場合の月額コスト:3,197円/月 | 3位/3位中 |
HDR性能 | HDR10対応 DisplayHDR400準拠 | 2位/3位中 |
デザイン | 4辺フレームレス。コントローラ付き。 | 1位/3位中 |
総合評価 | 2位/3位中 |
第3位「LG 27UL850-W」
2018年にいち早くDisplayHDRに対応した先駆け的モデルで、いい感じに値落ちしていてコスパが良い。1位2位ほどの性能はないがUSB-Cにも対応しているので十分高性能。安さを重視したいならこれがベストな選択肢。ただし輝度の均一性などは評価がイマイチなので、あくまで予算が限られている人向け。
評価項目 | 内容 | 順位 |
---|---|---|
画質 | sRGB99%以上 / ハードウェアキャリブレーション対応 | 3位/3位中 |
応答速度 | 5ms(GtoG) | 1位/3位中 |
コスパ | Amazon価格:59,900円 3年間保証サービス付き 3年間使った場合の月額コスト:1,663円/月 | 1位/3位中 |
HDR性能 | HDR10対応 DisplayHDR400準拠 | 2位/3位中 |
デザイン | 3辺フレームレス。背面がホワイト。 | 3位/3位中 |
総合評価 | 3位/3位中 |
まとめ
ちなみに筆者は1位のEW3280Uが個人的にも好き。非HDRコンテンツをHDR風の画質に変換してくれる「HDRi」という独自機能にも対応しており、ゲーマーの筆者にとってはかなり重宝するスペックになっている。
これを入手してからPCでゲームをするのが楽しくなったし、USB-C対応なのでMacbookとの相性もいい。ステイホームの時代にピッタリの機種だ。
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