ゲームに向いてる密閉型ヘッドホンが欲しくて、TAGO STUDIO T3-03を購入。
先に結論から書くと、今まで試した機材のなかで一番FPSに向いてる音質だと思いました。埋もれた音が一切なく、すべての音が平等に耳に流れ込んでくる感覚。痛いほどのダイレクト感。定位感もバツグン。敵の位置が手に取るように分かる。
なんとなく購入したけど、どうやらとんでもない代物を選んでしまったらしい。
これ…今後ゲーマーに流行る予感がします。ていうかなぜ話題になってないのか不思議なレベル。なんか、そこらのゲーミングヘッドセットとはレベルが違う気がする。
FPSガチ勢はとりあえず読んでみてほしいです。
T3-03を写真で詳しくチェック
T3-03は、ゲームに使うことも想定して作られているモニターヘッドホンです。
というか開発者がFPSガチ勢の音楽プロデューサーだそうで。「自分がFPSで勝ちたいから作った」とのこと。
TAGO STUDIOの多胡さん。木山裕策のHome「かーえーろうかーもうかーえろうよー」を作曲したり、ELTとか浜崎あゆみとかAKBにも多数楽曲提供してるガチ作曲家。音楽ガチ勢。
でもインタビューを読むと、FPSをやり過ぎてプロ並みに上手くなった代わりに実生活に大いに支障が出ちゃってる、完全に””こっち側の人””なんですよね。
具体的なタイトルは書かれていないけど、他のインタビューで「パラシュートの音に拘りがある」とも言ってたので、おそらくBFガチ勢かな。そんな気がします。
で、インタビューにもある通り、T3-03のコンセプトは「最高のモニターヘッドホンは最高のゲーミングヘッドホンになる」です。
迫力満点でゲームが楽しい音!ではなく、足音やリロード音を聞き取るためのガチ勢向け音質。みたいな思想で開発されているようです。
そうなんですよね。世の中のゲーミングヘッドセットって、多分作ってる人がFPSガチ勢じゃないんですよね。だからバーチャルサラウンドとか低音ブーストみたいな、FPSガチ勢からすると見当外れな機能を推してたりする。
でも実際はVALORANTみたいな競技系FPSは、何の変哲もないAppleのイヤホンとかのほうがプレイしやすかったりします。なぜなら誇張のないフラットな音質のほうが分析的に音を聞けるからです。
Appleの安いイヤホンとか、FinalのバイノーラルイヤホンE500とか、ゼンハイザーIE 40 PROみたいな、フラット系の音質のほうがFPSには向いてるよな?と感じているそこのアナタ。T3-03は要チェックです。
それでは開封していきます。
TAGO STUDIOは群馬県高崎のブランドです。
内容物
- ヘッドホン本体
- ケーブル(1.2m / ミニプラグ)
- ケーブル(3m / 標準プラグ)
- 収納ケース
- 保証書・取説
ケーブル両出し仕様。
ヘッドホンは300g前後の商品が多いです。260gはかなり軽いほうですね。
筆者が長年愛用している開放型ヘッドホン「ゼンハイザー HD599 SE」が250g。T3-03は密閉型でありながら開放型並みの軽さです。
てか、かなり指紋が目立ちやすい塗装でびっくり。ここはちょっとマイナスポイント。
着用イメージ。
左右対称すぎてLRがわからん…と思っていたら、L側にだけ三点リーダのようなポッチが付いていました。慣れればすぐ分かる。
イヤーパッドの厚みは12mmぐらい。薄い。
SONYの定番モニターヘッドホン「MDR-CD900ST」よりは多少マシかな程度。クッション性が足りないのでドライバーの硬い部分がふつうに耳に当たります。
個人的にはもう少し分厚いほうが好みでした。
ドライバーのご尊顔。
真ん中がモリッとしてるので、そこが余計に耳に当たる。
ヘッドバンドの調節はカチカチ動くタイプではなく、ヌルっと動く無段階調節タイプ。
調節幅はかなり余裕があります。
筆者は頭がかなりデカいので、安いゲーミングヘッドセットなんかはMAXまで伸ばしても頭が入りません。T3-03はそんな筆者でも余裕がありました。
顔デカ族にはこの時点でおすすめできます。ちゃんと付けれるというだけで我が一族にとっては宝。
ヘッドバンドはメッシュ素材。しかもこれボタンでパチっと留まってるだけなので簡単に外せます。
交換用のバンドは公式サイトやAmazon等で買えます。自分で交換できます。
T3-03の音質の感想
以下、音質についての感想です。
箱出し直後の音質
第一印象は、音が近い!!
耳に直接ぶつかるような聞こえ方で、イヤホンの聞こえ方に近いかも。
低音・中音・高音、すべての音域が平等に耳にぶつかってくるような感覚。良くも悪くも情報量が多くてガヤガヤした音。埋もれている音がひとつも無いイメージ。
まるで自分が滝の目前にいるような錯覚に陥るのが高級ヘッドホンの音だとしたら、コイツの音質は滝行してるときに聞こえる音。痛いほどのダイレクト感。容赦ない。
でもだからこそ、筆者は一聴して少し感動しました。マジで全部の音が聞こえる。聞こえすぎる。やべえ!!!と。
良い点としては、集中すればどんな音でも聞き分けられます。ギターに意識を集中すればギターの音を完璧に抜き取れる。ゲームの足音に集中すれば敵の位置が的確に分かる。映画とかを見ても俳優の声がめちゃくちゃ聞き取りやすい。ぼそぼそ喋ってるシーンも字幕なしで余裕。
悪い点としては、ふつうにめちゃくちゃ聞き疲れします。特に中音域のダイレクト感というか主張が激しいので、ラウドロック系とかヘビメタ系には合わないかもしれません。僕BABYMETAL好きなんですがT3-03では聞きたくないです。疲れる。
逆に、ポップスとか聞くとテンション上がる音でもあります。ボーカルやピアノの音が埋もれずに聞こえるし音のバランスが非常に良いです。あととにかく解像度が高い。リップノイズとか息吸う音とかギターのピックが弦に当たる音とか全部聞こえる。
開発した多胡さんがJ-POPの作曲家なので、ポップスと相性がいい音になってるんですかね。水曜日のカンパネラとかYOASOBIとかはめちゃ合う。わかりやすく言えばTHE FIRST TAKEに出れるような音楽には合うと思います。
ゲームに使ってみた感想
重低音がへんに誇張されていないので、銃撃音や爆発音の迫力はそんなにないです。
だがそれがいい。そのおかげで騒音に埋もれがちな足音やリロード音がハッキリ聞こえます。音の聞き分けは今まで試したヘッドホンのなかではダントツ優秀。
僕が持っている機材の中で足音の聞き取りやすさランキングをつけるとしたら、
- TAGO STUDIO T3-03(圧倒的)
- Final E500(格安イヤホン界最強)
- ゼンハイザー IE 40 PRO(FPS民ド定番)
- SHURE SE215(遮音性高い)
- HyperX Cloud II(格安ゲーミングヘッドセット界最強)
- ゼンハイザー HD599 SE(いい音だけどゲーム特化ではない)
- その他 有象無象のゲーミングヘッドセット
って感じですかね。
この中だとT3-03は中音域の解像度がずば抜けていて、低音域のキレも異常に良いです。つまり低音がボワボワせず他の音の邪魔をしていない。銃声や爆撃音が鳴り響いていても足音や武器のカチャカチャが埋もれず聞こえる。索敵が捗る。
逆に言うとT3-03を聞いてから他の機材を聞くと「低音がボワボワしてて足音が埋もれてる」と感じるようになっちゃいました。音を楽しむには低音がズドーンと主張するほうがノリ良く聞けると思いますが、FPSで勝ちに行くときは過度な低音は邪魔になるんですね。
足音の聞き取りやすさ、定位感の良さはダントツですね…。これやばい。
申し訳ないが、今まで試したどんなゲーミングヘッドセットよりもFPSがプレイしやすいです。
これ影響力のある人がレビューしたらeスポーツ界隈で大流行するんじゃないかな。競技的にFPSをプレイする人にはめちゃくちゃ評価される音質だと思います。
装着感
軽くてめちゃくちゃ使いやすいんですが、しいて言えばイヤーパッドが薄いですね。
耳がすっぽり入らないので、イヤーパッドの奥にある硬いところに耳が触れてしまいます。
そのおかげで耳に当たるほどドライバーが近いので、音のダイレクト感は凄まじいのですが。
2時間程度ならいいけど、6時間ぶっ続けでとかはつらい装着感。
総評
音楽鑑賞用に買うのはおすすめしません。あくまで「音を聞き分ける」「集中して聞き取る」という用途で使ったときに鬼のような効果を発揮するヘッドホンに感じました。
- FPSゲームで足音を聞き取る
- 音楽制作をする
- 耳コピで楽器を練習する
- 英語学習やZoom会議(声が聞き取りやすいので)
こういった用途に特化した音質。BABYMETAL好きの筆者としては、音楽鑑賞には使えない。メタルとかマジ無理。疲れる。
でもゲーマーとしての意見では、FPSの足音が過去最高に聞こえやすくなって大大大満足です。マジで買ってよかった。巷にあふれるにわかゲーミング製品とはレベルが違う。
音質的に万人受けするとは思えません。でも逆に言えば大衆に媚びてない職人気質なものづくりです。オタクはこういうの大好物なんだよな…。刺さる人にはぶっ刺さる玄人好みの機材だと思います。
めちゃくちゃ足音聞こえるヘッドホンが欲しい人。その目的に徹底的に特化した機材が欲しい人。ぜひ一度試してみてほしい。飛ぶぞ。
今回ぼくはマイク無しのヘッドホンタイプを買いましたが、マイクがついたヘッドセットタイプもあります。
価格差は3000円程度なのでお好みで。
PC勢の筆者はマイク無しモデル+別でマイク用意するほうが好みなので、マイク無しを買いました。
この記事へのコメント