マイクロソフトのゲーミングマウス「Pro IntelliMouse」の使用感をレビューしていきます。
17年前に発売された伝説のマウス「IntelliMouse Explorer 3.0」は、20代後半以上のPCゲーマーなら誰もが知っているかと思います。
Pro IntelliMouseは、そんなIE3.0の正統な復刻版ですねー。
思い返せば、ゲーミングマウスなんて言葉もなかったあの頃、PCでゲームをする民は猫も杓子もIE3.0を使っていたものです。
そんなIE3.0が現代にリバイバルしたということで、サドンアタックをIE3.0でプレイしていたアラサーゲーマーのぼくは買わずにはいられませんでした…。
今回発売されたPro IntelliMouseは、
- PMW3389相当の最新センサー搭載。
- 布巻の柔らかいケーブル採用。
- 汗をかいても大丈夫なラバーコーティング加工。
という具合で、いかにも現代のゲーミングマウス風のスペックになっているようです。
とはいえIE3.0が現役引退をしてからの数年で、ゲーミングマウスもかなりの進化を遂げています。
いくらスペックが良くなったとはいえ、今あえてIE3.0復刻版を使う価値はあるのでしょうか。
そのあたりも含め、さっそく使用感を確かめていきますね!!
Pro IntelliMouseのスペックと外観をチェック
Pro IntelliMouseは、マイクロソフトから発売されているゲーミングマウス。
2002年に発売された伝説のマウス「Microsoft IntelliMouse Explorer 3.0」の正統な後継機種であり、現代向けにスペックを改良した製品となります。
- センサー:PixArt PAW3389 Pro-MS
- DPI:200~16,000dpi
- ポーリングレート:125 / 500 / 1000Hz
- 重さ:104g
- サイズ:幅69×長さ132×高さ43mm
Pro IntelliMouseのセンサーは、現状の最高スペックである「PixArt PMW3389」をカスタムした「PAW3389 Pro-MS」というセンサーを搭載しています。
懐かしい形状はそのままで、中身は最新のゲーミングマウスに生まれ変わっているわけです。
IE3.0で育ったおっさんゲーマーにとっては、ついに…ついに出たのか…!という感じでしょうか。
ただ、今どきのゲーミングマウスとしては104gというのはやや重め。
そんなデカくて重いマウスを今更買う価値があるのかどうか…早速見ていきますね。
ぼくは今回「シャドウホワイト」を購入しました。
_人人人人人人人人人人人人人_
> スペシャルエディション <
 ̄Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y^Y ̄
(何がスペシャルなんだろう…普通のやつ買ったのに)
うわー懐かしい…。
ぼくは14歳の頃にIE3.0をお小遣いで買ってしばらく使っていましたから、この形状を見ただけで見事にホイホイ釣られちゃう世代です。
あらためて形状を見ると、なんだか山なりというか、三角形みたいな形をしているんですね。
あと、オリジナルのIE3.0って確か表面がツルツルしてたような気がするんですが、Pro IntelliMouseはサラサラした質感です。
黒い部分はラバーコーティングですね。
後ろにはマイクロソフトのロゴ(現代バージョン)が印刷されています。
ソールの形状はIE3.0そのまま。
ちなみに、裏面にボタン類は一切ありません。(DPI変更ボタンも無い)
ケーブルは現代の流行りを取り入れ、布巻の柔らかいケーブルに変更されいます。
そして、地味ですが一応LEDライトも装備しています。
そういえばオリジナルのIE3.0も、お尻のところに赤いLEDがありましたっけ…。
Pro IntelliMouseを他のゲーミングマウスと比較してみた
せっかくなので、手持ちの他のゲーミングマウスと比較してみました。
Pro IntelliMouseだけ頭一つ抜けて巨大ですね(笑)
現代のゲーミングマウスって小さいんだなあ。
Pro IntelliMouseの使い心地・サイズ感
それでは実際にPro IntelliMouseを使ってみた感想を書いていきます。
かぶせ持ちの感想
かぶせ持ちは究極に持ちやすいですね。
2002年にIE3.0が発売してから実に様々な「IE3.0クローンマウス」が発売されましたが、オリジナルの形状はやっぱり良いです。
手のひら全体がマウスに収まるような感覚で、指先が余ってマウスパッドに触れてしまう…という事はまずありません。
Pro IntelliMouseはまさにかぶせ持ちのためのマウスだと言えるでしょう。
つかみ持ちの感想
マウス自体がかなり大ぶりなため、つかみ持ちも非常に快適ですね。
手のひらを押し付ける感じの持ち方だったら、どんな持ち方でも吸収してくれるような安心感があります。
フィット感的には、中指の付け根あたりがマウスにギュッと当たるような感覚ですね。
お尻が高いマウス(Zowie ZAなど)が好きな方は、手に当たる位置に違和感を覚えるかもしれません。
つまみ持ちの感想
単刀直入に言うと、つまみ持ちはやりづらいです。
やりづらいというか、つまもうとしてもマウスが大きすぎてどうしても手のひらに触れてしまいます。
銃のリコイルコントロールなど、指先でマウスを手前に引き寄せるような動きをしようとすると、マウスがデカすぎて手のひらにつっかえます(笑)
しかもマウスの重さが104gもあるので、指先だけで制御するには少々重すぎですね。
つまみ持ちをするなら、素直に別のマウスを購入したほうがいいでしょう。
Pro IntelliMouseに適した持ち方
かぶせ持ち>つかみ持ち>>>>>つまみ持ち という感じでしょうか。
つまみ持ちにはとことん不向きですが、手のひら全体を使った持ち方ならどんなふうに持っても持ちやすかったです。
大きいマウスのほうが好きという方には最高の形状ですね!
Pro IntelliMouseのセンサーは現代の最新スペック!
形状に関しては17年前と変わっていませんが、内部に搭載されたセンサーは最新スペック。
Pro IntelliMouseには、PMW3389のカスタム品と思われる「PAW 3389 Pro-MS」というセンサーが搭載されています。
試しに、マウスセンサーの性能を計測するツール「MouseTester」を使って、性能を検証してみました。
MouseTesterの見方を簡単に解説すると、「青い点が波線から大きく逸脱していなければ、おおむね正確にトラッキングできている」という感じです。
とりあえず、青い点がキレイに揃っているかどうかだけを見ればOKです。
まずはポーリングレート1000Hzの状態を計測してみた結果をご覧ください。
特定のマウスパッドと相性が悪い可能性も考え、4種類のマウスパッドで計測してみました。
うーん…この計測結果だけを見ると、本当に最新スペックかな?と思うくらい微妙な結果ですね。
巷で評価の高いゲーミングマウスは、MouseTester上でも青い点がキレイに揃っていますので…。
試しに、ポーリングレートを下げて計測してみることにしました。
というのもぼくの経験上、PMW3389系のセンサーはポーリングレート1000Hzだと不安定になる傾向があるからです。
500Hzの時だけ青い点の暴れ具合が大人しくなったように感じます。
これは今までレビューしてきた他のPMW3389搭載マウスと同じ傾向ですね。
とはいえ正直、よっぽどAIMが上手で手先の神経が研ぎ澄まされているゲーマーでない限り、この程度のセンサーの乱れがプレイに悪影響を及ぼすことはまずありません。
実際、ぼくはFPS歴10年以上の老兵ですが、Pro IntelliMouseを使っていて特に違和感を感じることはありませんでした。
実用上は全く問題ないでしょう。
Pro IntelliMouseの設定ソフトはイマイチかも…。
現代の最新ゲーミングマウスに慣れたゲーマーからすると、Microsoftのマウス設定ソフトはイマイチかもしれません…。
Pro IntelliMouseは「Microsoftマウスキーボードセンター」というソフトでDPIなどを設定するのですが、このソフトが正直使いにくい。
ソフトが使いにくいというか、Pro IntelliMouseにはDPI変更ボタンやポーリングレート変更ボタンなどが一切付いていないため、いちいちこのソフトを起動しないと何も設定が変更できないのです。
そのくせ、用途に合わせて設定プリセットを複数作り分けたりすることは不可能だし、DPIを変更したかったらいちいちスライダーをいじって変更しないといけません。
もちろんゲーミングマクロなんてありません。
個人的には、いくら17年前のマウスのリバイバルとはいえ、DPI変更ぐらいはかんたんに出来るように工夫してくれてもいいんじゃないかと思いました。
ソフトとかボタン類の使い心地って、正直マウス本体の形状どうこうよりも重要だと思うんですけどね…。
しかもこれ、Microsoftという時点で察した方もいるかもしれませんが、
Windows 10 専用ソフトなんですよ。
まあ、当ブログをご覧になっているエリートゲーマーの方で未だにWindows7を使っている不届き者はさすがに居ないとは思いますが…それにしてもWin10専用じゃなくてもよくない?っていう感じはします。
ちなみにPro IntelliMouseをMacで使いたい場合、デフォルト設定のままだったら普通に使えます。
設定を変更したい場合は、いちいちWindows10のPCにつなぎ直さないといけませんけどね。
まぁそれでも、サイドボタンの「戻る」「進む」とかの機能は使えませんけど…。
Pro IntelliMouseのレビューまとめ
- オリジナルのIE3.0形状は、今触ってもやっぱり秀逸。
- センサー性能はPMW3389と同等。500Hz運用が安定か。
- ソフト周りは良くも悪くもMicrosoftって感じ。
Pro IntelliMouseの使い心地を車で例えると、
50年前の「あの名車」の形はそのままに、エンジンを最新式に載せ替えました。
少年時代に憧れていた名車に、2019年の今乗ることが出来ますよ!すごいでしょう?
ただし変更点はエンジンのみで、シートベルトやカーナビは一切付いていません。
知らない道を走るときは、地図を見ながら運転してね。
みたいな感じかな、と思いました…。
正直、若いゲーマーが「IE3.0って伝説なんでしょ?それの復刻版のPro IntelliMouseってめっちゃ使いやすいんじゃね?」という感じで購入するのは、おすすめしないです。
あくまでもIE3.0を実際に使っていた、あの形状が忘れられない(或いは懐古したい)おっさんゲーマー用のマウスですね。
とはいえ、頭ではノスタルジー商法だと分かっていても、やっぱ買っちゃうのがIE3.0の魔力なんだよな…。
この記事へのコメント
コメント一覧 (5件)
このアプリケーションは、Windows 10 (S モード) で使用可能です。
と書いてあるのはWindows 10のSモードという一部のソフトウェアしか使用できないセキュリティ重視のモードでも利用可能ですよ。という意味でWindows 10専用という意味じゃないと思いますよ。
https://blogs.windows.com/japan/2019/07/17/microsoft-pro-intellimouse/#BGKrD0j4wmAFCJzm.97
この記事で対応OSの部分にWindows 7もWindows 8.1も入ってますし、多分動くんじゃないでしょうか?
コメントありがとうございます。
あっそういうことなんですね!
某掲示板でWin7ではソフト使用不可という情報があったので、Win10専用かと思ってました。
しかもそのページに「Windows 10 (Sモード) では、マウスキーボードセンターのインストール、及びボタンのカスタマイズには対応していません。」とも書いてありますね…
もう何が何だかよく分かりませんwww
これ最近買ったんですが、右クリックと左クリックの感触が違いませんか?
微妙な差なんですが、左に比べて右がほんの少し柔らかめなような・・・
個体差かどうか知りたいので、よろしければKessyさんのお持ちのものがどんな感じか教えていただけますか?
どんなマウスでも左右の感触は違いますよ!
マイクロスイッチにも個体差があるので。
たまたま左右の差が大きい個体を引いたのでしょう。
工業製品なのでこればかりは仕方ないと思います…
お返事ありがとうございます。
なるほど、差があるのが当たり前なんですね。
幸い、それほどはっきりした差があるわけじゃないので、あまり気にしないことにします。