日本にはあまり流通していないキーボード「JamesDonkey RS2 3.0」をレビュー用に提供していただいたので、使用感をチェックしていきます!
JamesDonkey RS2 3.0の概要
JamesDonkeyはどんなメーカー?
JamesDonkeyは2014年に設立された中国のデバイスメーカーです。
主にプレミアムキーボードやマウス、マウスパッドといったPC周辺機器を製造しているようです。
特徴は、なんと言ってもスペックに対して価格が非常に安いこと。
KBDfansやNovelkeysといった自作キーボード系のサイトで4~5万円で取引されるような吸音材がふんだんに使われた高級仕様のキーボードが、JamesDonkeyだと1万円台で売られています。
カスタムキーボードに詳しい人がJamesDonkeyのサイトを見ると「この仕様がこの価格って…本当に良いの?」と思うはずです。
RS2 3.0はどんなモデル?
今回レビューするRS2 3.0はJamesDonkeyの「RS2」というシリーズの最新モデル。
RS2 3.0という商品名は「RS2のバージョン3.0」という意味ですね。
商品ページに記載されている製品の特徴を和訳したものがこちら。
耐衝撃ガスケットプロデザイン。
多機能表示画面。
カスタマイズされた99キーのレイアウト。
デュアルトーン FR4 グラスファイバー位置決めプレート。
多彩な 3 モード接続。
マルチメディアボリュームノブ。
フルキーのホットスワップ対応ソケット。
フルキー競合のない操作。
デュアルトーン射出成形 PBT キーキャップ。
Gateron G Pro 2.0 シルバー & Kailh Box V2 レッド メカニカル スイッチ オプション。
17 種類の照明効果を備えたダイナミック RGB バックライト。
人間工学に基づいた快適なデザイン。
Mac と Windows の両方のシステムをサポートし、シームレスな切り替えが可能です。
4000mAhの大容量バッテリー。
https://jamesdonkeylab.com/products/jamesdonkey-rs2-3-0-mechanical-keyboard
個人的に重要だと思った部分を太字にしてみました。
まず驚きなのは、たった115.99ドルの商品なのにガスケットマウントを採用している点です。
キーボード内部の基板をネジで固定せず、ガスケットと呼ばれる緩衝材でサンドイッチのように挟む固定方法のことをガスケットマウントと呼びます。
▼参考記事:Keyboard Mounting Styles
キーを打鍵したときの衝撃がガスケットに吸収されるので打ち心地がとても良く、高級カスタムキーボードがよく採用している仕様です。それが100ドルちょいのキーボードに採用されているなんて、少し前まで自作キーボードに凝っていた筆者としては隔世の感があります。
また、有線・2.4GHz・Blutoothの3タイプの接続に対応し、なおかつWinとMacのキー配列を切り替えられるという超万能な仕様。どんな環境でも使えますね。
実機を詳細にレビュー
それでは実機を詳しくレビューしていきます!
見た目、色、形状
付属品はケーブル、キー引き抜き工具、分解用の六角レンチ。
キー数は99個。キー配列は変形フルサイズ?とでも言いましょうか。
通常のフルサイズキーボードは矢印キーの上にInsert、Homeなどのキーがありますが、それらが一部省略されてコンパクトになっています。
テンキーレスキーボードと同じぐらいの横幅なのにテンキーがあるという、かなり便利なキー配列ですね。
また、キーボードの右上にちょっとした情報を表示する小型モニターと回転ノブが搭載されています。
ノブはPCのサウンド音量を調節するボリュームノブとして使え、押し込むとミュートになります。
オーディオインターフェースなどを使っていない人には大変便利ですね。
キーキャップは2色成形。印刷やシールではないので印字が消えることがありません。
スタンドは2段階に高さを変えられる仕様でした。
右上の小型モニターにはこのように時計や好きな画像を表示できるほか、設定メニューのGUIとしても使えるようでした。なかなか便利です。
ビルドクオリティと素材
内部構造を確認したかったので、ちょっと分解してみました。
ケースの素材はABS+PC(ポリカボネート)とのこと。
専用設計されたゴム?シリコン?の吸音材がびっしり敷き詰められていました。
キーボードの形状に合わせてギチギチに詰めてあり、吸音効果も高そうです。
基板を挟み込むガスケットはこんな感じ。
かなり粒の大きなスポンジ素材で、めちゃくちゃ柔らかい。
このふわふわちゃんで基板を上下から優しくサンドするだけという固定方法なので、ネジ止めマウントとは比較にならないぐらいキーを打鍵したときの共振が少ないのです。
プレートにはGASKET PROの印字。見えない部分までかっこいい。
プレートとPCBの間にもギチギチに吸音材が。
何度も言いますがこのキーボード115.99ドルなんですよ。
こんな吸音処理マシマシな高級仕様キーボードが100ドルちょいで買えちゃうの、本当にヤバイ。
付属ソフトウェアの機能
付属のソフトウェアではキー割当変更やマクロの編集などができました。
また、小型モニターに好きなアニメーションを表示することができ、その編集画面なんかもソフトウェアに実装されていました。(1コマずつ手書きで描画する仕様っぽいので面倒くさくて触っていませんが)
また、時計の時刻をローカル環境と同期させる「Time Syns」というボタンはソフトウェア上にしか無いようです。(キーボードコマンド等で同期させることはできない)
箱出しの状態だと中国の時間にセットされていたので、日本の時間を表示したい場合はソフトウェアインストールが必須ということになりますね。
キースイッチ(軸)について
キーのタイプ
キースイッチはGateron G Pro 2.0 Silverという軸。
打ち心地はCherry赤軸よりもハッキリしているというか、リニア軸なのになぜかタクタイル感を感じました。
バネの特性なのか?理由は分かりませんが素早くタイプするとタクタイル軸のような小気味よい抵抗感を感じます。
リニア軸とタクタイル軸の中間のような感触で爽快。個人的には好きな打ち心地です。
タイピング音(動画)
タイピング音は非常にクリア。
スタビライザーもはじめから潤滑されていて、スペースキーやエンターキーなどの長物もビビリ音がほぼありません。ヤバイ。既製品の音とは思えない。
ちょっと前なら、自作キーボード勢が血反吐を吐きながら吸音処理をしてようやく到達するクオリティの音ですよ。
これを既製品で出来ちゃうならもう…見た目以外に自作する意味なんてありませんね。
使用感
日常使用での感想
コンパクトなサイズ感ながらテンキーが付いているため、日常使いは非常に便利です。
ガスケットマウントのおかげで底打ちの衝撃が吸収されるため打ち心地もよく、長時間のタイピングでも疲れにくいと思います。
また、小型モニターに時刻が表示されるのもなにげに便利。
ゲームや動画をフルスクリーンで表示しているとWindowsタスクバーの時計が隠れちゃうじゃないですか。なのでキーボードに常に時刻が表示されていると、手元ですぐに時間がわかるので地味に重宝するんですよね。
ゲームでのパフォーマンス
アクチュエーションポイントが浅めに設定されている銀軸を採用しているので、ゲームも快適です。
今メインでプレイしているゲームはFF14なのですが、テンキーがついているのでマケボの価格更新などもスムーズ。数字入力が多いゲームではかなり便利だと思います。
それにキーボード自体の横幅がテンキーレスキーボードと同じぐらいコンパクトなので、マウスの可動域が広く取れるのもいいですね。
オンラインFPSで勝ちたい、ミリ秒単位の速さを求めたい!という人にはラピッドトリガー系のキーボード(Wootingなど)のほうが断然おすすめですが、MMOやアクションゲーをカジュアルに遊ぶのがメインの僕みたいなカジュアルゲーマーにはこちらのほうが断然便利ではないでしょうか。
最近はもっぱらほのぼの系のゲームしかプレイしておらず、血眼でFPSをプレイするモチベーションもないので、個人的にはこういう便利系のキーボードはとても好きです。
類似商品の紹介
JamesDonkey RS2 2.0
https://mechkeys.com/products/jamesdonkey-rs2-2-0-rgb-mechanical-keyboard
似ている商品として「JamesDonkey RS2 2.0」というものもあります。今回レビューしたRS2 3.0の一つ前のバージョンで、小型モニターが搭載されていなかったり、全体的なデザインが少し違ったりしています。
シックなデザインのほうが好みな方はあえて2.0を買うのもよさそうです。
JamesDonkey A3
https://mechkeys.com/products/jamesdonkey-a3-gasket-mechanical-keyboard
テンキーが排除されたコンパクト仕様のキーボードもあります。
コンパクトなサイズながら、こちらもRS2と同様にガスケットマウントを採用していて、打ち心地に期待できます。
小型モニターは非搭載ですが、ボリュームノブは搭載されています。
価格と入手方法
価格の詳細
キーボード本体の価格と輸送費の合計金額が135.99ドル。
ギリギリ2万いかないぐらいです。
購入方法
以下の2サイトで購入することが出来ます。
Mechkeys
デスク周りのガジェットを中心とした香港のECサイト。
キーボードやマウス、マウスパッドなどの品揃えが豊富です。キーボード用のコイルケーブルも販売されていました。
日本のAmazonなどにはあまり流通していないオシャレなガジェットが多く、人と被らないデスクを作りたい人は覗いてみると面白いでしょう。
https://mechkeys.com/products/jamesdonkey-rs2-3-0-mechanical-keyboard
Aliexpress
言わずとしれた中国の巨大ECサイトです。クーポンが表示されていて、Mechkeysよりも安く買えるタイミングが多いかもしれません。
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