FPSゲームをコントローラーでプレイしていると、
「右スティックから指を離さずに◯×△□ボタンを押したい…」
と思うことがありますよね。エイムしながらジャンプとかスライディングとか。
そんな人のために「背面パドル付きコントローラー」というモノがあります。パッドの裏面にボタンが付いていて、親指をスティックに置いたままジャンプやスライディングができるという優れものです。
今回は、そんな背面パドルコントローラーの新作「INTUITION PRO」をレビューします。
提供:Void Gaming
INTUITION PROはどんなコントローラー?
PS5の純正コンを改造した商品である
まず大前提として、INTUITION PROはPS5の純正コンに改造を施した商品です。
製造元のVoid GamingがSONYの純正コンを仕入れて分解し、独自の改造を施してINTUITION PROという商品として販売しています。
1つ1つ手作業で分解→改造していると思われるので値段が高いのがデメリットですが、その代わり基本的な使い心地は純正コンそのものなので、使用感が抜群に良いのがメリットです。
サードパーティ製のゲームパッドは「機能は良いんだけど、スティックやボタンの感覚が純正コンと違いすぎてそもそも使う気にならん」と思うことも多々あるのですが、INTUITION PROにはそれがありません。
FPSに特化したカスタムが多数施されている
似たような背面パドル付きゲームパッドは色々なところから発売されていますが、INTUITION PROは背面パドル以外にもいろいろと改造が施されています。
- L1R1、L2R2のクリックボタン化(反応速度アップ)
- 振動ユニット除去(軽量化)
- グリップの大幅な改良(滑りにくい)
- 純正スティックの変更(滑りにくい)
- リマッピング機能(背面パドルのボタン割当を変えられる)
- プロファイル機能(リマッピング配置を記憶して素早く変えられる)
INTUITION PROは競合製品の中でもかなりハイスペックな部類に入ると思います。
レースゲーや飛行機ゲーはプレイ不可
ひとつ注意点があるとしたら、L1L2R1R2ボタンがすべてクリックボタン化されているという点でしょう。
「トリガーを半分だけ押す」みたいな操作が不可能になっているので、レースゲーやエースコンバットなどは実質的にプレイできません。(急発進・急ブレーキオンリーでいいなら出来るけど…)
基本的には「FPS完全特化型コントローラー」だと思ったほうがいいでしょう。
トリガーが改造されていない「INTUITION」というノーマルモデルもあります。
今回レビューするのはトリガーまでフルに改造済の「INTUITION PRO」という上位モデルです。
実機を詳しくチェック
対応ハード:PS5とPC
基本的にはPS5用の商品ですが、PCで使うことも一応可能です。
ただしPCで使うつもりの人は要注意。以下の理由で一部のゲームでしか使えません。
理由:PS5とPCではコントローラーの入力規格が違うから
PC向けゲームパッドやXboxのコントローラーは「Xinput」という入力規格で作られているが、SONYやNintendoのコントローラーは「DirectInput」という別の規格で作られている。
しかしWindows PCはXinputにしか対応していないため、PlayStationやSwitchのコントローラーは基本的にはPCでは使えない。
一部の大手ゲームタイトル(Apexやフォトナ等)はゲーム側でDirectInputに対応してくれている場合もあるが、マイナーゲーではほぼ使えないと思った方がいい。
ちなみにSteamはPS5コンに完全対応していますのでSteamでゲームを買う人は心配しなくていいです。
とはいえ箱コンのように差せばすぐ使えるわけではなく、SteamにPS5コンを認識させる設定が必要になります。設定方法は下記のサイトが参考になります。
本体の見た目(写真多数)
見た目はこんな感じ。ボタンが全てブラックアウトされ、Void Gamingのロゴもプリントされています。
おそらく外から見える部分はほとんど改造パーツに置き換わっていると思われます。
背面パドルは脱着可能
背面には4つのパドルを搭載。縦に2個ずつという配置が特徴的です。
また、背面のキャップをひねることでパドルを取り外すこともできます。
一つ一つ部品が分かれているので、例えば「左側のパドルは誤爆しちゃうからイラネ」と思ったら左側だけ外すこともできます。
トリガー・背面パドルの押し心地(動画あり)
L1R1 L2R2はマウスのようなカチカチしたボタンに換装されており、純正コンとはまったく違う操作感になっています。
遊びがなく硬めな押し心地なので、純正コンのトリガーで「弾を1発だけ撃ちたいのに2発出ちゃった」みたいなミスをよくしてしまう人は、単発打ちがミス無く出来るようになるはずです。
ただしその反面、純正よりもやや硬くて重い押し心地になっているので、柔らかいトリガーでの射撃が好みだという人からすると改悪に感じる可能性もあります。
もしトリガーは純正のままがいいな、という場合はトリガーが改造されていないバージョンも販売されていますので、そちらを選ぶと良いでしょう。
ちなみにトリガー未改造バージョンのほうが価格も安いです。
フリークやエイムリングも問題なく使える
スティックも滑りづらい改造パーツに換装されていますが、大きさ自体は純正とほぼ同じサイズです。
そのため、スティックの高さを上げる「フリーク」もちゃんと付けることができました。
ちなみに筆者が愛用しているのは「プロフリーク V2」です。高さ調整機能があって便利。
INTUITION PROのここがイイ
実際に2週間ほどINTUITION PROを使ってみて、印象的だった点を書いていきます。
まず長所だと思ったのは以下の3点です。
背面パドルの配置が押しやすい
INTUITION PROを実際に使ってみると、縦に2個ずつという背面パドルの配置がとても押しやすいと感じました。パッドを握るときの指の位置に自然に沿うような配置になっているんです。
わざわざパドルを押そうと指をどこかに伸ばす必要がなく、ただ中指や薬指に力を込めるだけでパドルが押せます。
こういった背面パドルはSCUFコントローラーが最も有名だと思いますが、SCUFコンは横に4つパドルが並んだデザインなんですよね。
どっちのほうが押しやすいか?は人によって違うでしょうし、何より筆者自身SCUFを使ったことがないのでなんとも言えません。
ただ個人的には、より自然にボタンを押せるのはINTUITION PROの方式じゃないか?と思います。コントローラーを握ったときの指の位置に自然にパドルが当たるようになっているので、わざわざ指をパドルに伸ばす動作が必要ないからです。
SCUF方式だとおそらく、パドルを押すためにわざわざ指を伸ばす必要があるんじゃないかな。逆に言えば「絶対に誤爆したくない。押したいときだけ指を伸ばして押せればいい」という人にはSCUFタイプのパドルが向いてると思います。
グリップの滑り止め効果が素晴らしい
あと、この裏面のグリップの滑り止め効果が凄まじいということにも気づきました。
どんなに汗をかこうが、逆に手を洗ったばかりのサラサラの手だろうが、パッドを握っている手が一切ズレないんですよ。
この手のカスタムコントローラーは「背面パドルを押す」という余計な動作をしているので、パッドを握る握力がふつうより弱くなりがちです。しかしこのグリップのおかげで全然滑らない。これはすげえ。
他のカスタムコンを使ったことがないので競合より優れているか?は分からないのですが、筆者はこのグリップ感でなんの不満もないです。
ゲームごとにプロファイルを切り替えられる
INTUITION PROはプロファイルをいくつも作って自由に切り替えられます。
しかもPCを一切使わず、パッドのコマンド入力をするだけでいいのが凄いです。
設定ソフトなどが必要ないので、PCを持っていなくても機能をフルに使えますね。
設定方法は付属のマニュアルに書いてあります。
操作をすると本体がLEDで返事してくれるので、わかりやすいほうだと思います。
INTUITION PROのここがダメ
非対応なPCゲームが多い
ひとつ難点があるとすれば、PCで使おうとすると以下の理由で一部のゲームでしか使えないという点ですね。
理由:PS5とPCではコントローラーの入力規格が違うから
PC向けゲームパッドやXboxのコントローラーは「Xinput」という入力規格で作られているが、SONYやNintendoのコントローラーは「DirectInput」という別の規格で作られている。
しかしWindows PCはXinputにしか対応していないため、PlayStationやSwitchのコントローラーは基本的にはPCでは使えない。
一部の大手ゲームタイトル(Apexやフォトナ等)はゲーム側でDirectInputに対応してくれている場合もあるが、マイナーゲーではほぼ使えないと思った方がいい。
まぁこれはPS5コン自体がPCに対応してないという話なので、INTUITION PROが悪いわけではないんですけどね。
SteamはPS5コンに完全対応している!
ちなみにSteamはPS5コンを認識させる機能がありますので、Steamで買ったゲームを遊ぶときはこの点心配しなくて大丈夫です。
とはいえ箱コンのように差せばすぐ使えるわけではなく、SteamにPS5コンを認識させる設定が必要になります。設定方法は下記のサイトが参考になります。
ボタンの映り込みがヤバすぎる
黒一色のボタン、かっこよくて見た目はいいんですが、映り込みが激しすぎるのが玉に瑕です。
顔出ししてないゲーム配信者とかVチューバーとか、INTUITION PROで手元配信をするときは身バレ防止に気を使わないといけませんね。マジで鏡と同じぐらい映ります。
不安な人はボタンにシールを貼るとか、ポスカ的なマットなペンで塗りつぶすとか、ヤスリで表面をザラザラさせるとかしたほうがよさそうです。
筆者自身、レビュー用の写真撮影をするときに顔が映らないようにするのが大変でした。
どんな人におすすめ?
INTUITION PROに向いてる人
- PS5ユーザー
- FPSに特化したコントローラーが欲しい人
- 自然に指が当たる位置にパドルが欲しい人
- 汗で滑らないコントローラーが欲しい人
- 4,5万超えると無理。でも3万なら買える…って人
ハイエンドなカスタムコントローラは輸入の送料を含めると5万ぐらいする物もありますが、INTUITION PROは3万円台で買えるのも魅力ですね。安くはないけど。
INTUITION PROに向いてない人
- PCでマイナーなゲームを遊びたい人
- 高画質で手元配信をしてる(顔出ししてない)配信者
Apexやフォトナぐらいの大手ゲーならだいたい対応してますが、マイナーなPCゲーはDual Sense自体が対応していないのでPCゲーマーは要注意です。
また、ブラックアウトされたボタンの映り込みがヤバすぎるので、配信者の人は映り込みに気を使うと思います。TwitchやYouTube Liveぐらいの画質なら大丈夫かもですが、SNSにINTUITION PROの写真をあげるときは身元が特定されるものが映り込んでいないか気をつけましょう。
この記事へのコメント