世界初のセラミック製キーキャップ「Cerakey」をレビュー用に提供してもらったので、使用感をチェックしていきます!
セラミックの質感がヤベェ
まずは見てください。
ツヤ感がハンパネェ。
こんなキーキャップ見たことねぇ。
セラミックって言われてもピンとこない人も多いと思いますが、要するに陶磁器です。焼き物です。
お茶碗とかマグカップを想像すれば分かりやすいかと。
表面はツルツルしています。触るとわずかに波打っていて、それこそマグカップみたいな触り心地ですね。
樹脂とは比較にならないほど固くて、そしてなにより「重い」のが特徴です。
一般的なABSのキーキャップの3〜4倍ぐらい重い…。
冗談抜きで石を持ってるみたいです。
今回レビュー用に提供してもらったのは白いベースに黒の印字がしてあるタイプですが、他にもいろいろなカラバリがあります。印字なしバージョンも選べます。
樹脂では味わえない重厚なタイピング音が心地良い
Cerakeyのタイピング音を収録してみました。
比較対象としてぼくが普段使っているキーキャップ「JDA The Moon」を一部混在させています。
JDA The MoonはPBTのキーキャップで、樹脂のキーキャップの中ではわりと音程が低いほうです。GMKに代表されるABSのキーキャップはもっと甲高いカチャカチャ音がします。
しかしそんなPBTと比べても、Cerakeyはかなり音が低いですね。
樹脂のキーキャップが「カチャカチャ」だとするとCerakeyの音は「コトコト、モコモコ」みたいな感じです。
個人的には、スペースキーの「ゴトッゴトッ」っていう重い音が特に好きですね…。
ただ、マニアの人は気づいたかもしれませんが、軸とのフィッティングが緩い個体が結構あるため余計なビビリ音・ネチャネチャ音がタイピング音に混じってます。
ポン付けで使うとこうなるよ、というのを隠してレビューするのはフェアじゃないと思ったのであえて対策してないサウンドを収録してみました。
このネチャネチャ音が気になる人はキーキャップとステムの接合部分のガタを埋めるModdingを施したほうがいいでしょう。(やり方はあとで書きます!)
(良くも悪くも)違うキーボードのような打ち心地になる
キーキャップが重すぎるのでキー荷重がいつもより軽く感じます。
キーキャップの自重で打鍵をアシストしちゃってる感じ?
特にSpaceキーは文鎮のように重いので打鍵感が激変してしまいますね。良くも悪くも。
というか、ぼくがいまメインで使っている「Alpaca」というキースイッチだと、もはやSpaceキーがまともに機能しなくなりましたww
キースイッチの十字とのかみ合わせが緩い&Spaceキーが重すぎ=斜めになるわキーが押しっぱなしになるわえらいこっちゃです。
しかしこうなることは予め想定されていますので、付属品として「ちゃんと戻ってくる強めのキースイッチ」が2つほど付いてきます。
付属のキースイッチ(Kailh Box Yellow)に換装したところ、ちゃんとSpaceキーが押せるようになりました!
とはいえ…Majestouch、Blackwidow、Sidewinderのような既製品のメカニカルキーボードはキースイッチが半田付けで固定されているので、そういった場合はキースイッチを交換するのは困難ですね。(ハンダ吸い取り機があれば出来ないことはないけども)
Cerakeyを楽しむには、最低でもホットスワップ対応のカスタムキーボードを所有している必要があります。
まぁそもそも価格的にカスタムキーボードを持ってない人がいきなりCerakeyを買うとは思えませんが、一応注意喚起です。
少しゆるめの寸法で作られている模様
一般的な樹脂のキーキャップは、キースイッチの十字部分に少し押し込んで装着する前提でキツキツの寸法で作られていると思うんですが、Cerakeyは若干ゆるめの寸法で作ってあるようです。
たしかにセラミックVS樹脂でバトルしたら樹脂が負けるのは確定なので、キツキツに作ったらキースイッチのステムが負けて潰れてしまいますからね。
それは素材の特性上仕方のないことなのですが、そのせいでキースイッチにしっかり装着されず「ただ上に乗っかっているだけ」になっている個体がいくつかありました。
そういう個体はキーをタイプしたときにキーキャップがすっぽ抜けそうになるので、余計なビビリ音が発生したり、最悪の場合キーキャップがポロッと外れますw
競合製品がない以上、Cerakeyの個体差が激しいだけなのかセラミックだから仕方ないのかは判断できません。が、とにかくこういう個体があることはあらかじめ覚悟しておいたほうがいいです。
とはいえ、キーキャップの緩みなんてわりと簡単に修正できます。
キーキャップの緩みを修正する方法
この動画のように、なんか薄いテープやフィルム的なものをキースイッチの十字の上に載せて、それごとキーキャップをグイッと押し込むだけ。
テープは別になんでもいいんですが、マスキングテープのような紙系だと破れてしまうので、伸縮性のあるタイプがいいでしょう。
一番いいのは「配管用のシールテープ」ですね。
これは水道管やガス管などに使われるテープ…というかテープ状のフィルムですね。
素材はマウスソールでおなじみのテフロン(PTFE)で、粘着シートではないので母材を汚す心配がありません。そしてなによりこれ自体が本当に「凸と凹の隙間を埋める」ために使うアイテムなので、用途的にバッチリなのです。
このテープを小さく切ってキースイッチの十字の上に載せ、挟み込むように上からキーキャップをはめるといいでしょう。
ただまあ、こういった自作キーボード的なアプローチで使い心地を調整しなきゃいけないのは、人によっては普通にデメリットですよね…。ポン付けで手間をかけずに使いたい人には不満点のほうが多いキーキャップとも言えます。
まとめ
重すぎてキーが戻ってこなかったり、ステムとの嵌まり具合を自分で調整する必要があったりと、使いこなすにはそれなりにテクが要るキーキャップです。
まぁ「セラミックの音を聞くためだったらその程度の困難は喜んで乗り越えるぜ」と思える人のための商品ですね。
価格は普通に考えると高いです。でも樹脂製キーキャップとは製法からして全く違うという点を踏まえると、むしろ2万円台に収まってるのすげえよ…と思います。ABSのキーキャップだってフルセットで買えば1~2万は普通にしますからね。
Makuakeで今買うと20,500円ですが、一般販売が開始されたあとは26,300円になります。
クラファンの期限は、記事公開日(2023/01/27)時点で残り3日となっております。ほしい方はお急ぎを!
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