Razerのワイヤレスヘッドセット「BlackShark V2 Pro」をレビュー用に提供してもらったので、使用感をチェックしていきます。
ちなみにBlackShark V2 Proという名称のヘッドセットは
- 旧型(約19,000円)
- アップグレードモデル(約33,000円)
の2種類があってややこしいのですが、今回レビューするのはアップグレードモデルです。
旧型は未体験なので比較をすることはできませんが、純粋に3万円台のワイヤレスヘッドセットとしての使用感をレビューしていこうと思います。
先に結論を書くと、ゲーミング系でこれほど音質の良いワイヤレスヘッドセットは初めて体験しました。王を名乗っていいと思います。
BlackShark V2 Pro(アップグレードモデル)の詳細レビュー
箱・内容物一覧
箱の中身
- ヘッドセット本体
- マイク
- USBレシーバー
- 充電ケーブル
- USBレシーバー延長ケーブル
- 取説類
本体の見た目・質感
見た目はこんな感じ。
今回レビューするのはブラックですが、ホワイトもあります。
さすが3万円超えのヘッドセットなだけあって、質感は非常に高いです。
プラスチック筐体ではありますが、全体的にマットな仕上げになっています。
ヘッドバンドのレザー部にはステッチ加工も施されており高級感があります。Razerのロゴ文字もかっこいい。
肌に触れる部分はメッシュ素材
ヘッドバンドおよびイヤーパッドはメッシュ素材のクッションで、夏でも蒸れにくいです。
といっても密閉型のヘッドホンなので、熱が逃げるようにはなっていません。あくまでも素材的に蒸れにくいというだけ。
レザーよりは100倍マシですが、夏の快適性を追求するなら開放型ヘッドホンを買ったほうがいいですね。
ヘッドバンドの調整幅はかなり広い!
ヘッドバンドの長さ調整は、イヤーカップの両端についている細い針金みたいな棒を出し入れすることで調節します。
デザインは好きですが、正直使い勝手はイマイチ。被りながら微調整しづらいし、持つところがないというか。
ただし!!ヘッドバンドをかなり長くできるので頭がデカくても問題なく付けれます。この点はめちゃくちゃ最高です。
図体がデカくてヘッドホンきついんだよね…な人にはこの時点でオススメできます。
操作ボタンの配置
操作ボタンは、左耳側が、
- 電源ボタン
- マイクミュートボタン
- ボリュームノブ
- 充電ポート
右耳側が、
- 音質プリセットを切り替えるボタン
という構成。
ボリュームノブがデカくていいですね!
小さいホイールみたいなボリュームだと操作しづらいですから。
そしてこんなにデカいノブが付いていても違和感のないデザイン。好き。
昔のRazer製品はTHE 厨二病って感じでしたが、最近のRazer製品はデザインセンスが抜群にいいですね。製品の見た目のかっこよさでは競合と比べて頭一つ抜けてると思います。
重さ
重さは実測値で331g。
重いか軽いかで言えば重い部類に入ると思います。ワイヤレスなのでバッテリーの重さがどうしても……。
とはいえ、肌に触れる部分がメッシュ素材でクッションの厚みもかなりあるので、装着感が不快なわけではないです。
重くて首が疲れることはあるかもしれないけど、耳周りや頭頂部の不快感は少ない
って感じのつけ心地でしょうか。
ケーブル類
ケーブルが2本付属しているのはなんでだろうと思ったら、ゲーミングマウスのようにUSBレシーバーを手元まで延長するためのケーブルでした。
遅延を気にする人は、延長ケーブルを使ってレシーバーをなるべく近い位置に配置するといいみたいです。
とはいえ、筆者はPCのUSBポートに直接レシーバー差して使ってますが、それでも遅延なんて微塵も感じなかったです。なので延長ケーブルは使ってません。
勝つために極限まで遅延をなくしたい人とか、部屋の環境的に電波干渉が起こりがちな人は延長ケーブルを使えばいいのだと思います。
BlackShark V2 Proのここがイイ
では、開封から2週間経過した時点での正直な感想をまとめていきます。
まず良いところは以下の3点。
音質がドチャクソ良い!
えっこれワイヤレスヘッドセットだよね??ってことを忘れそうになるぐらい、音質がめちゃくちゃ良いです。
特に、THX SPATIAL AUDIOというバーチャルサラウンド機能をONにしたときの音質がヤバイ。
WindowsでRazer Synapseを起動してるとき限定の機能にはなるんですが、このバーチャルサラウンドのクオリティがドチャクソ高いんですよ。
ステレオが頭の左右から(耳から)音が入ってくる感覚だとすると、THX SPATIAL AUDIOモードは頭の中心(脳内)から音が鳴っているような感覚になるモードです。
そしてそれがめちゃくちゃ自然なんですよ。
この手のバーチャルサラウンドって音が汚くなるだけの残念なものが多いので、筆者は基本的にはバーチャルサラウンド否定派です。
なぜならバーチャルサラウンドって要するに音をいくつか重ねて再生することで残響感・サラウンド感を表現しているので、どうしても音がブレるんですよ。
例えるならバン!という発砲音がヴァン!に聞こえるみたいな感じです。音がブレてるので、情報量が多い音楽や環境音がうるさいゲームだと、音が汚く聞こえるだけなんですよね……。
その点BlackShark V2 Proのサラウンドはすげえ。バーチャルサラウンド特有の音のブレがほぼ無いまま、ただサラウンド感が増しただけに感じるんです。これはすげえと言わざるを得ません。
厳密にステレオモードと聴き比べると多少は音がブレてるんですが、違和感を覚えるほどではなく、本当にごく自然なんです。
サラウンドをONにしたまま音楽を聞いても全く問題なく、むしろ音楽鑑賞でも積極的にONにしたいレベル。
THX SPATIAL AUDIOモードの中でさらに音質プリセットをいくつか選択できるのも便利ですね。
「ゲーム」は中高音域が強調されていて足音が聞き取りやすい設定、「映画」は低音ブーストで迫力重視、「音楽」がバランス重視みたいな感じでした。
また、THX SPATIAL AUDIOをオフにすると「eスポーツ」という音質モードも選べます。こちらはサラウンドではなくステレオモードでの音質設定です。
eスポーツモードはゲームごとの最適な音質を追求したプリセットで、記事投稿時点では
- Apex Legends
- Call of Duty
- CS:GO
- フォートナイト
- Valorant
のプリセットが選べました。
Call of Dutyモードは高音を大胆にカット、Valorantモードはほぼフラットでスパイク音だけ強調、などゲームごとの聞きたい音がわりとユーザー目線で設定されていてなかなか面白いw
とはいえかなり大胆で原音からの変化が激しい設定ばかりなので、好みは分かれると思います。
フラット系の音質が好みの筆者は、一番癖の少ないApex Legendsモードが好きでしたね。高音だけ適度に強調されるので色んなゲームで使いやすいと思いました。
ただ、個人的には普段遣いはTHX SPATIAL AUDIOモードの「音楽」一択ですね。でっかいスピーカーで音を鳴らしているような聞こえ方で、ゲーム・音楽・動画鑑賞、何に使っても違和感なく迫力が増して、めちゃくちゃ楽しい音です。
PCでゲームしたり、ネトフリでアニメや映画見たり、YouTube見たり、そういった普段遣いのために楽しい音質のヘッドセットが欲しいな~という用途にはドンピシャなヘッドセットだと思います。
マイクの音質も(ワイヤレスにしては)かなり良好
また、マイクの音質もワイヤレスとは思えないほど高音質です。
試しに音声を録音してみました。
このままYouTuberのナレーションなどに使えそうなぐらい普通に高音質じゃないですか?ホワイトノイズが少し気になるものの、声のクリアさはワイヤレスヘッドセットとは思えないレベル。高音質すぎてリップノイズとかも全部入っちゃってます。キモかったらすみません。
ふつうワイヤレスヘッドセットのマイクというと警察官が使ってる無線機のような音質のものが多いのですが、BlackShark V2 Proのマイクは頭一つ抜けてると思います。
まぁさすがに大手YouTuberが使ってるような何万円もするマイクには敵いませんが、ワイヤレスヘッドセットの付属マイクでこの音質が得られるなら、もうボイチャのために高いマイクなんて買わなくても良いような気がするのですが、どうでしょうか。
頭がデカくても問題なく着けられる
頭がデカい筆者にとっては、ヘッドバンドをかなり長く調節できるのも素晴らしい点です。
筆者の頭がどれぐらいデカいかというと、この前買った帽子がXXLサイズでぴったりでした。
メジャーで頭囲を測ってみたら62cmぐらいでした。たいていのヘルメットや帽子は無理です。
そんな筆者でも、BlackShark V2 Proは問題なく装着できます。
ただまぁちょっと側圧は強く感じますけどね。
BlackShark V2 Proのここがダメ
次に、微妙だと感じた点は以下のとおり。
Synapseを使わなきゃいけない
Razer製品の不満って、これに尽きます……。
RazerのデバイスをPCに接続すると必ずインストールさせられるSynapseというソフト。単体で見れば、多機能でUIも分かりやすくて特に問題ないソフトだと思います。
ただし問題は、Synapseをインストールしていると他のアプリケーションが誤作動を起こす事が多いという点。
他社のマウス制御ソフト・、ゲーム・ゲームとは関係ない動画編集ソフト等々、いろんなソフトに競合して悪さするんですよね~。
症状としては、動作が遅くなる・ラグる・常駐系ツールの機能が発動しない…などが多いようです。ググるとSynapseの体験談(恨みつらみ)がたくさん出てきますw
「PCにいろんなアプリを入れてゲーム以外の作業もいっぱいしてるよ」という人は、いくらBlackShark V2 Proを製品として気に入ったとしても、Synapseのせいで使用を断念することもあるかもしれません。
筆者の環境だと、DysonSphereProgramというゲームのMOD管理ツールがSynapseと相性悪かったので、MOD管理ツールをアンインストールすることで対策しました。
DSPはすでに飽きてたので我慢できますが、「今どうしても使いたいソフト」とSynapseの相性が悪かったら…と考えると怖いですね。
どんな人におすすめ?
こんな人におすすめ
- PCでゲームしたり、ネトフリでアニメや映画見たり、YouTube見たり、そういったエンタメを高音質サラウンドで楽しみたい人
- 有線ヘッドセットは使いたくないけど、かといってマイク音質も妥協したくない人
- 頭がデカい人
「エンタメを楽しむ」という用途では、ワイヤレスヘッドセット界の王を名乗っていい音質クオリティです。これはすごいです。
もっと高額な機種やもっと音質だけを追求した機種はほかにもありますが、3万円台でヘッドホンとマイクどちらも音質がよく、なおかつ遅延の少ない2.4GHz対応のワイヤレスヘッドセットとなると、選択肢はグッと狭くなると思います。
ゲーミングヘッドセットとしての総合点の高さは、筆者が今まで試してきた製品の中ではダントツですね。
こんな人には不向き
- 尖ったスペックの製品が好きな人
- いろんな常駐アプリを使ってる人
足音の聞き取りやすさに超特化したヘッドセットが欲しいとか、音楽の音質だけを重視したいみたいな人には他にも選択肢があると思います。
また、Synapseが他のアプリに競合して不具合を巻き起こす事があるので、PCに入れてるアプリの種類が多い人は注意が必要かもしれません。
「基本、家のPCではゲームしかしない。あとはブラウザで完結するYouTubeやネトフリぐらい」みたいな人には、間違いなくおすすめできます。
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