Massdropで見つけたMeze 99 Noirというヘッドホン、見た目がドンピシャ好みだったので購入してみました。
完全に音質のことは無視して”見た目買い”してしまったのですが、いざ使ってみると意外にも低音ゴリゴリ系の楽しいサウンドで、見た目とのギャップにまんまとハマってしまいました…!
秀逸なヘッドバンドのおかげで付け心地も良く、これは良い買い物をしたな~と渋い木製イヤーカップを眺めながら毎日思っております。
ということで購入してからだいたい50時間ほどリスニングしましたので、感想をまとめていきますね。
99 Noirのスペックと外観
99 Noir(ナインティナイン ノワール)は、Meze AudioとMassdropのコラボヘッドホン。
- ドライバー径: 40 mm
- イヤーカップ素材: ウォルナット(クルミ)
- イヤーパッド: 低反発フォーム・PUレザー
- 周波数帯域:15 Hz–25 kHz
- 音圧感度:103 dB at 1 kHz, 1 mW
- インピーダンス:32Ω
- 重量:260g
下記のMeze 99 Classicsというヘッドホンが元ネタで、99 Classicsの加飾パーツや付属品を簡素化してコストカットしたのがこの99 Noirです。
コラボモデルという事になっていますが、言うなれば廉価版ですね。
とはいえコストカットは音質に関係ない部分だけに留まっているようで、Massdropいわく「音質は99 Classicsと全く同じ」とのこと。
Massdropはこのような売り方でいくつもの有名ヘッドホンの廉価版を作ってきたことで有名なので、そこは特に怪しむ必要はないかと思います。
有名どころだとゼンハイザー HD650(4万円)のコストカットモデル「HD6XX」なんかは、HD650と同じ音のヘッドホンが2万円程度で買えてしまうという事でマニアの間でにわかに有名だったりしますね。
箱はもろに廉価版っていうデザイン(かっこいいけどね
箱の中にはキャリングケース
ケースにはMassdropのロゴなどは無い
中身はヘッドホン本体、ケーブル(1.8m)、3.5mm→6.3mm変換プラグ、交換用イヤーパッドのみ
長さ違いのケーブルとか、航空機用のプラグなどが廃止されているようです。
めちゃくちゃオシャレ!
カップの素材はウォルナット(クルミ)ですが、マットなエスプレッソカラー(濃茶色)なのでウッド感は控えめ。
メゼのロゴってかっこよすぎて反則だと思う…。
ちなみにケーブルは両出し。
ケーブル両出しで左右対称なデザインなので、ヘッドバンドの刻印で左右を判断する感じですね。
ヘッドバンドの表面?には99 Noirの刻印
ちなみに付属品のイヤーパッドは単なる予備ではなく、微妙にサイズが違うようです。
付属品のほうが少し小さめ。
厚みは・柔らかさは全く同じなので、単純に耳の大きさで使い分ける感じですかね。
接着剤を一切使わない工法も特徴で、修理やモディファイが容易な作りになっている
ケーブルのL側にはコントローラーが付いている
再生・停止だけのかんたんなコントローラーです。
しかしPCに接続しても反応せず、かろうじてスマホだと停止だけ出来ました。
こんな微妙なコントローラーを付けるくらいならシンプルなケーブルで良かったのにw
まあ邪魔になるほどデカくもないので別にいいですが…
99 Noirの装着感
99 Noirを使ってみてまず感じたのは、何と言っても装着感が素晴らしいです。
このように無段階でヘッドバンドが伸縮し、自動的にちょうどいい位置にフィットします。
Meze Audioが発明したのかどうかは知りませんが、これ考えた人マジ天才だ…。
ヘッドバンドの幅自体も広いので、何時間付けても頭頂部が痛くなることはありません。
懸念点があるとすれば、この天才的な機構はゴム紐によって成り立っているという点。
経年劣化でゴムがゆるくなったらどうなるかは気になるところです。
まあ強い張力が必要なわけではないので、よっぽどビロビロのダルダルにならない限りこの機構が破綻することは無いと思いますがw
99 Noirの音質
それでは実際に音楽を聴いてみた感想を!
ちなみに筆者はSpotifyのストリーミング音源が中心のライトな視聴スタイルです。
上品な見た目とは裏腹に、低音の豊かさにビックリ!
インピーダンスは32Ωと低めなので、スマホ直差しでも音量は十分取れる[/caption]
このヘッドホン、見た目だけで判断すると、
- 「木製イヤーカップでデザインも華奢だし、さぞ優しい音なんだろうな〜」
と思うかもしれませんが、実際はゴリゴリの低音系ですw
フラット系とはお世辞にも言えないブーミーな音に脚色されていて、おなかに音圧が響くような錯覚を覚えるレベル。
それでいて高音は全く耳に刺さらず優しい鳴り方をするので、作業しながらだったり歩きながら聞くのにぴったりなサウンドだと感じました。
素人なりに各音域の鳴り方を表現してみると、こんな感じ。
- 低音…ガッツリ。原音よりもブーミーに脚色されている
- 中音…豊かに鳴る。ボーカルの艶・セクシーさが引き立つバランスの良い音
- 高音…わずかに曇っている感じ。ピッキングノイズやシンバルのタッチ音のような”現場の空気感”は再現度低め
高音が曇っているというのも別に「悪」だと言いたいわけじゃなくて、
・鉄琴というよりは木琴。
・ハーモニカというよりはオカリナ。
みたいなイメージで、優しい鳴り方って感じですね。
実際、イヤーカップを爪でコンコンすると「木の音」がします。
確かに開放型のヘッドホンなんかと比べれば”透明感”のようなものはありませんが、それを補って余りある低音~中音の温かさのおかげで音楽を聴くのがめちゃくちゃ楽しくなるヘッドホンだと思いました!
最近、Lewis Capaldiをよく聞いていたのですが、低音のセクシーさが際立つ99 Noirにぴったりすぎました…
蒸れ対策にmimimamoを買ってみた
99 Noirにひとつ難点があるとすれば、レザーのイヤーパッドしか付属してないことでしょうか。
ぼくはヘッドホンで耳周りが痒くなりやすい体質なので、蒸れ対策にmimimamoを買ってみました。
mimimamoは本来「ボロボロになったイヤーパッドにかぶせて装着感をマシにする」ための商品ですが、このようにレザーパッドの蒸れ対策として使うことも出来ます。
肌に触れる素材が布になるので、長時間の付け心地はだいぶ良くなりました。
ただしデメリットとして、イヤーパッドに膜が張ることになるため音質の変化は避けられません。
ぼく的には許容範囲だと感じましたが、低音の量感が少し減ります。
悪く言えば個性が無くなり、良く言えば更に聞き疲れしないしない音になりますね。
レザーパッドで問題ないという人には関係ない話ですが、「mimimamo使えるよ」というご報告でした。
番外編:BRAINWAVZのイヤーパッドを付けてみた
2020年2月21日追記。
mimimamoでも全然実用範囲だったのですが、どうせならそもそもレザーじゃないパッドを付けたいな…ということでBRAINWAVZ AUDIOというところのイヤーパッドを購入してみました。
スエードのさわり心地がいい
スエード素材なので肌触りが良いですし、なによりmimimamoのように膜が張るわけじゃないので音質変化が少ないのが良いですね。
純正パッドよりも一回り大きいのでカップにガバっと被せるような付け方になってしまいますが、これにていよいよ「ぼくのかんがえたさいきょうの99 Noir」が完成した感があります。
海外通販でしか買えないので30ドルもした&1ヶ月以上待ったのですが、レザー嫌いなぼくとしてはその価値は十分あると思いました。
ぼくが購入したのはこちらのサイトです。
https://www.brainwavzaudio.com/products/headphone-memory-foam-earpads-oval-micro-suede
まとめ
- オリジナルの99 Classicsよりも落ち着いたデザイン
- 低音中心の温かくて楽しいサウンド
- 付け心地が天才的
低音の音圧を感じたい人には迷わずおすすめできるヘッドホンです。
ゴールドの加飾や木目の質感を重視したい人はオリジナルの99 Classicsを購入するのをおすすめしますが、かといって99 Noirが安っぽいわけではないので好みの問題でしょう。
まあ値段が1万円ほど違うし、ぼくは99 Noirを選びましたけどね。
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